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パンケーキとダメダメな少女時代の思い出


中2の夏休みの話だ。


私は仲の良い友人4人のグループでよく遊んでいた。

ショートヘアで面白いR
イラストが凄く上手なS
しっかり者のA
そしてこれと言って特徴のない私の4人だ。

たまり場はイラストが上手いSの家だった。ある日もSの家に皆で遊びに行っていた。

ただしこの日は夏休みの課題を4人で共同作品として作る為に集まったのだ。




しかし…

集まったはいいが、全くすすまない。

持ち寄ったお菓子を食べながら漫画を読んだり、昨日見たテレビの話をしたり。

本当に呆れるほど全員がダメダメだったのだ。
しっかり者で真面目なAでさえサボろうとして何もしない。


煮詰まり切っていた時。

Sのお母さんがおやつにパンケーキを焼いてくれた。

Sの家はお父さんとお母さんがとても仲良し。Sが一人っ子という事もあるのかお母さんはいつもりんごやナシを剝いてくれたり、ジュースを出してくれたりした。





私達はまだ全く何もしていないのだが…休憩と称してパンケーキをいただく。

フワフワで…バターとメープルシロップがかかっており、その甘さにとても癒やされた。

友人のお母さんの優しい気持ちが伝わる様だった。


食べ終わると、パンケーキがのっかっていたお皿を見たRが、その少し特徴のある形を画用紙に書き始めた。まっ平らなお皿ではなく少し深さがあり…

そのお皿の中に細々と書き始める。

するとSも皿の外側に何やら書いている…




共同作品のテーマは【近未来のわが町】とかだったと思う…失念してしまったが、なんかそんなようだった。

私は絵を描くのは好きだが、発想力に乏しく二人の様には何も浮かばないが…

とりあえず見様見真似で書く。






お皿の内側の部分には街の様子を、外側には緑が溢れる自然の風景を二人は描いた。

私も街の様子を自分のアイデアで少しだけ書いた。外側の風景は水彩絵の具で色を付ける時、緑や黄緑、青や群青色を使って丁寧に描いた。

Aは絵が苦手ということもあり色を塗る以外は、しなかった。

実質SとRの作品だったが、四人の共同作品として提出してくれた。



SとRは本当に絵を描くのが上手かった。私もそこそこ書ける方だったが二人には全く及ばない。

だから一緒に描いた事が凄く嬉しかったし、何より楽しかった。



その作品は絵画コンクールに出品され佳作に選ばれた。

受賞出来た事は嬉しいが、私はそれよりも皆で絵を描いた事が忘れられない。
ダラダラしてなかなかすすまないのも楽しかった。


そして友人のお母さんが焼いてくれたパンケーキから始まった作品がとても私達らしい…

これから。
パンケーキを焼く度に懐かしい気持ちが蘇るに違いない。








先日、中学時代の友人について書きました。



書いているうちに色々思い出しました。

たまり場になっていた友人の家のお父さんとお母さんはいつも優しく迎えてくれ…


お母さんは、おやつや果物を必ず出してくれました。

とっても朗らかなお母さんで、お料理も上手でした。パンケーキやサンドイッチがとても美味しかったんですよね。


日曜の3時頃。
友達とワイワイおやつを食べた事がどれだけ自分の活力になっていたか…
あの頃の自分に教えたいくらいです。


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