見出し画像

医師の会話を覗いてみよう〜朝のカルテ回診編〜

はじめに

医師ってどんな会話していると思いますか?

専門用語でわからないだろうなーと思いつつも、少し興味はありませんか?

僕も現在関わっている仕事で、AIエンジニア同士の会話を耳にすることがありますが、面白いくらい何を言っているのか理解できません。

今日は、興味本位で医師の会話を覗いてみましょう。
なるべくリアルに近い会話として書きます。
決して誇張はしません。
そして最後に、いくつかのワードを解説しようと思います。

本日の結論としては、、、

そうですね、、、特にないのですが、
強いて言えば、
医師が日常的に使う用語にはこんなものがあります、合コンやマッチングアプリで医師を名乗る男性が現れたら、本当に医師か確かめるため試してみてください、ということですかね。

こんな人は必読

・医師の会話に興味がある人
・医療ドラマを見ていて医学用語に興味を持った人
・友人に医師がいる人
・合コンやマッチングアプリで医師を名乗る男性に出会った人

朝回診はどんな様子?

朝8時の外科病棟。
入院患者さん一人一人回診する、いわゆる病棟回診の前に、チーム全員でカルテをチェックするカルテ回診を行います。ここでは状態の確認と今後の方針を決定します。

カルテ回診と病棟回診をセットで、いわゆる回診と呼ぶことが多いです。

登場人物は、部長、修練医、研修医の3人です。
研修医が電子カルテを見せながらプレゼンをしていきます。
もちろん研修医は、カルテ回診前に、すべての患者さんの情報をチェックしてあります。
7時半くらいからは病棟で活動しているわけですね。

わからない単語もあると思いますが、まずは会話をご覧ください。

リアルな会話

研修医:よろしくお願いします。まずは今日のオペ患からいきます。木野さん、65歳男性、ひだり上葉肺癌疑いでバッツ(VATS)ひだり上葉切除予定です。リスクとしてはシーオーピーディー(COPD)と高血圧です。昨日撮り直したCTですが、病変はこちらです。前回から明らかな増大はなくエヌゼロ(N0)です。あと術前未確診ですね。

修練医:ゲフってオーダーしてある?

研修医:大丈夫です。

部長:肺動脈どう?縦隔型ではない?

修練医:葉間ですね。特にアノマリーなさそうですよ。

部長:よし、じゃ次。

研修医:今村さん、70歳男性でピーオーディー(POD)4です。ドレーンは昨日抜去してますが、昨晩から発熱しており急遽採血追加してます。離床できてなかったですし、酸素も下がっているので肺炎が疑われますが、まだ朝のレントゲンは撮影されてませんね。

修練医:昨日の夜から2リットル入れてるけど、今朝はどう?

研修医:4リットルマスクまでいってますね。。

修練医:いやー、やだね。

部長:ワイセはどんな?

研修医:25000まで上がりましたね。CRPはまだ15です。

修練医:いやーだめだね。がっつり抗生剤入れとこ。

研修医:わかりました。抗生剤は、、スルバシリンで良いですか?

修練医:そうね。これ以上悪化するとまずいから極量でいこう。12グラム分4で。

研修医:わかりました。

修練医:(モニター見ながら)あー、、レートも上がっちゃってるね。

部長:じゃとりあえず抗生剤入れて、できる範囲で離床させて。レントゲン撮ったら確認忘れないでね。じゃ次。

研修医:佐藤さん、75歳男性、膿胸に対してドレーン挿入後5日目です。炎症は下がってきましたが、エーディーエル(ADL)が上がってきませんね。ドレーンの排液は24時間で50mlです。あと、今朝からエーエフ(af)になってしまいました。

修練医:あ、そうなの?ご飯食べられてるの?

研修医:食事量は、、昨日はだいたい1−2割ですね。

修練医:点滴見せて、、、あーメインは2本しか入れてなかったか。熱もあるし食事できてないしハイポなんだろうね。ボリューム入れようよ。それで戻らないかなぁ。

研修医:とりあえず今日はトータル4本くらいで良いですか?抗生剤と合わせてインが2400くらいになります。

修練医:いいよ。1本は時間150くらいで入れちゃって、あとキープしよう。

部長:ダメそうなら雰囲気なら夕方までに循環器に相談ね。

・・・・・・・

といった具合で、カルテ回診は進みます。
結構リアルな会話を書いたつもりですが、いかがでしょうか?

全然わからないですよね。
でも、全然わからないけどなんか楽しくないですか?
少しだけ解説しますね。

用語の解説

会話の中で太文字になっているものを解説します。

オペ患:手術患者さんのこと。患者さんの前で使う言葉としては不適切だが、医療者の間ではよく使われる言葉です

N0:エヌゼロと読む。NはLymph NodeのNを意味し、リンパ節のことを指す。リンパ節がゼロ、つまりリンパ節転移がないこと。

ゲフ:Geffreel、ゲフリールの略語、ドイツ語で、凍った、を意味する単語。手術中の迅速病理検査を意味する。

POD:ピーオーディーと読む、postoperative dayの略であり術後何日目かを意味する、文章中のPOD4は術後4日目ということ。

ワイセ:白血球のこと、White Blood Cell を略してワイセと呼ぶことが多い、記載するときはWBCと書く。WBCと聞いてWorld Baseball Classicしか思いつかないようでは間違いなく医療者ではない。

12g分4:12gを4回に分けて投与するという意味、別の表記の仕方としては12g4×と書くが、12g×4とは全く意味が異なるので十分に理解した上で記載しないと事故に繋がる。

レート:Heart Rate のこと、つまり心拍数。

Af:エーエフと読む、atrial fibrillationの略で心房細動の意味、不整脈の1つ。

ボリューム:意味としてはそのままで『量』を意味する、文章中のボリュームは点滴をもっと多く入れようという意味である。

医師なら絶対に知っているはず

医師が使用する単語や略語は、診療科によって結構異なります。
だから、専門領域でない先生たちの会話が若干わからなかったり、カルテを見ても内容を読み取れないこともあります。

それでもどんな医師にも絶対に伝わる共通の言葉も多数あります。

今回の文章では、ワイセ、レート、エーエフ、なんかはそれに当たります。

外科系の医師であればゲフ、ピーオーディー、エヌゼロ、なんかは絶対にわかるでしょう。

最近ではマッチングアプリに登録している医師と名乗る男性の数は、実際の医師数よりも多いと聞きます。

本当に医師なのか?と疑ったときにはぜひ確かめてみてくださいね。

最後に問題です

手術が無事に終わりひと段落。
するとこんな会話が。

部長:あー疲れた。じゃエッセン行こうか。

修練医&研修医:そうですね。

さて、この医師たちは次にどこに行くと言っているのでしょう。
これも、病院の中で使われる独特な言葉ですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?