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随筆(2020/8/19):「割り勘や公正取引はけち臭い。多少の持ち出しくらい、平然としてあれ」とかいう話

私は何度かお見合いもしているんですけど、一般に、割り勘は、まあ、避けていますね。
少なくとも、貴重な時間を割いて、わざわざ来てくださっているんだ。
おもてなしをしよう。という話だ。
おもてなしに、相手から金を徴収するの、かなり興ざめじゃないですか。

(やるとしたらたいてい、数時間後に、こちらからお断りの連絡を入れる時です。
「悪いが、おもてなしをする気になれねえ。あんたもいい大人なんやし、自分のやりたいようにしまっし。そして自分の落とし前は自分でつけられ」という。
こちらからお断りするのは、非常に珍しいことですが、時々猛烈に「あっこいつ一緒にやっていく気ねえな。じゃあ勝手にせえま」となることがあります。そん時ゃ躊躇しねえよ。たりめーじゃこんなん)

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ですが、最近、この手の話で、本当に嫌なことがあったんですよ。
職場で、どう考えても業者を読んでやってほしい案件を、職員の私が、しかも追加報酬なしで、やらされることになった訳です。
まあ、あることです。
(私はとある面倒な役割なので、これをやらなければならないのです)

この前、これをやりましたが、まあキツかったですね。
この役割で特に手当はつかない。
人事的にも査定の対象として想定していない、と人事側が宣言した。
かなり、やる気を失う。

しかも、近々、もう一本あることが確定しているんですよ。勘弁して欲しい。

「追加作業に対する追加報酬はけち臭い。多少の持ち出しくらい、平然としてあれ」

とか言い出す職場、まあ信頼に値しないじゃないですか。

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あと、親戚に大昔言われたことが、今も喉に刺さっています。
「お前のサービス、ツアーガイドじゃん。皆、感謝するけど、報いる訳ないじゃん」
これだよ。
今のやり方では、俺がおもてなしをしても、相手は何ら報いないだろう。
別のことをやんなきゃなんない。

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正直、本格的な持ち出しをやると、人はボロボロになるんですよ。
精神的余裕も損なわれる。

たぶん、そこを見られているんだろうな、って。

私が心血を注いで丁寧にまめにやろうとすればするほど、それは精神的余裕を使ってやっていることだから、私の精神的余裕は、自分で思っているほど、残っていない。
自然と、相手に緊張を強いる。
挙句、私が余裕のない小者にも見える。小者のやったサービスなど、やっていないも同然だ。事後的には粗しか見えなくなるだろう。
おそらく、そういう仕組みが、働いているのだろう。
まあ、そりゃあ、精神的余裕のないやつと、付き合いたくないよ。そういうやつ、自然体で共存できないもん。
精神的余裕のある、大人物であった方が、ふつうはいい。

***

ただ、私がそういう人たちを見て、

「おう。追加作業に対する追加報酬はけち臭い。多少の持ち出しくらい、平然としてあれ。それが大人物というもんや。損して得取れ。そう言うとんのか。
そういうことはな、ちゃんと報いてから言うもんや。ちゃんと報いて、それでようやく、信頼関係も成り立つし、多少の無理も聞くんや。
何で、信頼関係も何もない、見ず知らずの一見さんや、信頼関係を自分でぶち壊しにする、阿呆な職場と、報酬もなしに、よろしくやらなならんねん。
商人の外道みたいな、盗人猛々しいこと言うの、やめてんか。おんどれらにケツ毛まで毟られて放り出されるの、真っ平御免じゃ。何か文句あんのかワレ」

という気分を、当面捨てられそうにない。ということは、一応書いておこうと思います。
これを「けち臭い」と一刀両断する、人を利用するだけの人と、距離を置けるなら、多少の婚活の遅れも、やむを得ないです。正直そこまで思ってます。
それほど、怒っているんだ。俺は。

「結婚がしたいかどうか」
と言う話を、はるかに超えて、
「盗人猛々しい人たちとやっていけるかどうか」
と言うところに事態は入りつつある。

俺の姿勢を鮮明にしておきます。
「嫌です」
ふざけるなと言いたい。

俺は、利用されることを織り込み済みで、損して得取るために、大人物として振る舞う、そういうハッタリみたいなことに、何の魅力も感じねえんだ。
損して損ばかりした身に、「損して得取れ」と言い出したら、まあ話にならんに決まっとるやろ。
そういうことをしなきゃならんのなら、そしてそういう盗人猛々しい人たちとやっていかなきゃなんないのなら、やりたくありません。

***

要求されたことを、丁寧にまめにやって、それが何らかの形で報われて、
「一応ちゃんと報われた! マジか! この人は信頼に値するんだなあ」
と思えるような相手のために、尽くしたいんですよ。
「相手がそういう、信頼に値する人でありますように」
そういう祈りを胸に、またお見合いを再開したいし、初見の相手のために、何かして差し上げたいと思います。

そして、それが全部無駄になろうが、やるんだよ。

「報われるべきものが反故にされることは、忌まわしいことだが、よくあることだ。
こんなことでへこたれてられない。
相手に文句を言う余力も、そこで反撃を受け流す体力も、何もかもが惜しく、勿体ない。
とにかく、直ちに、損なわれた分を立て直すことを、やっていかねばならない」

それだけのことだ。
こんなものは、大人物でも、何でも、ない。

とはいえ、いつかは、大人物に近づかなければならない。
その頃には、十分に報われて、もう報いが要らなくなって、多少の持ち出しにも動じない、そんな精神的余裕を持てるようになりたい。
頑張るぞう。

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