独断と偏見の捨て曲無し神アルバム
youtubeやサブスクが主流になったことで、アルバムの存在意義は年々薄れております。
一曲単位で購入、視聴が簡単にできる時代。好きな一曲を選んで買って、その一曲に一点集中でのめり込む。時代の流れとしても、音楽の楽しみ方としても、これはこれで素晴らしいことだと個人的には思います。
ですが、やはりアルバムにはアルバムの良さがございます。
一枚を通してのストーリー性、知らなかった名曲との出会い、一曲聞きでは知ることのできない感動を、アルバムは持っております。
そこで今回は、独断と偏見の捨て曲無し神アルバムと題しまして、個人的に完璧すぎると感動した、神アルバムを紹介していきたいと思います。
Costello Music【the Fratellis】
正直洋楽の事はそこまで分かりませんが、流石にこのアルバムは知ってて、んで馬鹿みたいに聞きましたよ。まじで度肝を抜かれました。
AppleのCМに使われたり、バカ売れしたってのは知ってましたけど、この曲全世界で200万枚も売れたんですね。結成して2年で200万枚ですから、まじでバケモンですよ。
マジで捨て曲がないんで、一曲でひと記事書けるほど鬼かっこいい曲ばっかりなんですけど、なんてったってこのアルバムの1曲目から2曲目の流れですよ。ここ聞いちゃったら、もう最後までアルバム通して聞いちゃうもんね。
まず一曲目のHenriettaを聞いてもらったらわかると思いますけど、Fratellisってあからさまにかっこいい事ってほとんどしてないんですよ。
それこそ今の曲って、死ぬほど溜めて、死ぬほど決めて、ドン!バン!カッコイイ!みたいな、派手な曲が多いやないですか。別にそれが悪い訳やないんですよ。それはそれでかっこいいんです。ただ俺が言いたいのは、そんなことしてないのに、恐ろしくカッコイイ曲やから、すごいってことなんですよね。
その空気感を感じて、良い曲やなぁと一曲目聞いてると次に来るのが、Flatheadでしょ?この曲なんて、勝ち確やないですか。もう止まらんですよ。
フラテリスという名前でピンと来ない人も、聞いたらあぁーとはなると思うんですよ。それこそ、2曲目のFlatheadがアップルのCМソングやから、聞いてもらったらどっかで聞いたことある、とはなると思います。
聞いたことがないならこのアルバムは必聴でございます。
がらんどう【ズーカラデル】
ズーカラデルが昨年出したミニアルバム、がらんどうでございます。
このアルバムを初めて聞いたとき、「この人ら、やってもうたな」って思いましたよ。完全にやっちまってるんですよ。ミニアルバムの7曲全曲通して、タイアップついてもおかしくないクオリティで仕上げて来とるんですわ。
そもそも、その前に出したフルアルバム「ズーカラデル」も、結構な名盤やったんですよ。1曲目、アカペラに近い弾き語りから始まって、楽器が入って疾走感たっぷりに花瓶のうたを終えると目玉曲のイエスに入る。そこから漂流教室に行って次々と名曲をそろえて行くっていう、これもめちゃくちゃいいアルバムやったんですね。
ほんで次はどうかな、と思ってところにがらんどうでしょ。
こんなことしたらあかんですよね。
一曲目のトーチソングから、かっこよすぎるっしょ。
サビの広がりが半端ない神曲を一曲目に持ってきて、次の曲はTAPIOCA。流石に捨て曲やろう、と思って聞いてみたらアップテンポでノリが良くて、これはこれでまた神曲やしさ。最後の夢が覚めたらまで、イヤホン外すことができひんのですよ。まじでやっちまってるんですよね。
ズーカラデルは本当に秒読みやと思います。
たまたま今、タイアップがそんなについてないだけで、確実に流行るバンドです。
とりあえず一旦。
一旦プレイリストにだけ入れといてもらえませんか。
A【電気グルーヴ】
電気グルーヴの一番売れたアルバムなんですが、どれ程の知名度があるんでしょうか。ピエール滝という名前は知っていても、電気グルーヴとしての音楽は、シャングリラくらいしか知られていないんじゃないかと、勝手に思っております。
だったらとりあえず、Aだけ聞いてもらえれば魅力は伝わると思います。アングラでシュールな歌詞、世界観と、耳に残るフレーズ、トリップするような電気グルーヴの音楽の魅力は、このアルバムにギュッと詰まっております。
とりわけこのアルバムがいいのが、電気グルーヴの中でも結構コアな曲が多いってところなんですね。最近の電気グルーヴの曲って、タイアップが付いたりの関係もあってか、しっかりボーカルが立っていて、歌メロがはっきりしてるポップスっぽい曲が多いんですよ。
これはこれでめちゃめちゃいいんですけど、純粋に電気グルーヴが作ってる世界観だけを感じるには、Aに収録されているような曲が俺は良いと思うんですね。聴きやすさよりも、電気グルーヴらしいさが勝る、名盤なんですよね。
このアルバムはShangri-Laが収録されているって言うので売れたってのもあるんですけど、俺のおすすめは「猫夏」です。まじで、飛びます。
洗脳【大森靖子】
アイドル大好きサブカルど真ん中、大森靖子から洗脳でございます。
このアルバムは純粋に名曲しか入っていない、完璧なアルバムでございます。一曲目の絶対絶望絶好調から、ぶち上げ神曲を決め込んできております。
フルアルバム通して、一曲たりとも外さないってホンマにえげつない事やと思うんですね。とりわけ今は一曲聞きの時代。個人個人が切り貼りして勝手にプレイリストとしてアルバムを作る中で、その時作った13曲すべてが個人プレイリスト入りできるレベルのクオリティって半端ない事やないですか。
凄いのがこのアルバム、アルバムを一曲目から通して聞くと流れが良くてかっこいいのはもちろんのことなんですけど、シャッフルで聞いたとしても、アルバムとしてすげぇと思えるくらい、一曲一曲が生きてるんですよ。
重たい歌詞にポップなメロディ。一回目と二回目で全く違って聞こえる大森靖子の魅力が詰まった、まさしく神アルバムでございます。
andymori【andymori】
神アルバムを紹介する上で、このアルバムだけは外す訳にはいきません。andymoriのandymoriでございます。
先ほどのthe Fratellisと並んで、音楽好きの人で、知らない人の方が少ないレベルのアルバムです。ただこれを上げないとウソになってしまいます。逆にこのアルバムをクソと言えるのなら、どこがクソかしっかり教えて欲しいレベルですよ。
FOLLOW MEから始まって、すごい速さで終わるまでの32分間。これほど短い32分って他にないんやないかという位名曲ぞろいの神アルバムやないですか。まさしくすごい速さですよ。
アルバムの曲を調べなおさなくても、FOLLOW MEで始まってすごい速さで終わるって言うこの流れだけは、大体の人が答えられる名アルバムでございます。
知ってる人ももう一度頭から聞いてみて、すごい速さの32分をもう一度味わっていただきたい名盤でございます。
レコンキスタ【Bacho】
姫路出身の4人組バンド、Bachoのレコンキスタでございます。
俺がバンドをしていた大学生の頃、俺の周りでBacho大ブームが起きましてですね。その時の思い出補正も正直あるとは思いますが、ただこのレコンキスタはやっぱり名盤なんですよ。ただただ熱い曲ばっかりなんですよ。
まず一曲目の決意の歌から、凄い熱量なんですね。
バンドマンとして売れない現実、理想とのギャップ、劣等感、悲哀。それでも諦めきれない熱い思いを乗せて歌い上げる決意の歌に、気が付いたら両腕を振り上げてしまいます。カッコイイ、かっこ悪いとかじゃないんですよ。エモいとかでもないんです。ただ、熱いんすよね。
火傷するほどの熱量を持った神アルバムが、このレコンキスタでございます。みなさんも火傷するほどの熱量とはどんなものなのか、聞いてみてはいかがでしょうか。
現代にアルバムはいらないのか
一曲ずつ聞ける現代にアルバムという形態のものは、必要ないのかもしれません。
一発ギャグのように単発の面白さが評価の主流になっている中で、漫才や落語のように流れを作って曲を引き立てるアルバムという形態は、時代遅れの代物だといわれれば、納得できないこともないと、個人的にも思います。
それでも流れでわかる魅力、今まで知らなかった名曲との出会いが、アルバムにはあると思います。
アルバムは廃れていく一方なのかもしれません。
ただ古参の音楽好きの為にも、アルバムという文化だけは、無くさないでいただきたいと切に願う次第でございます。
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