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経験ゼロから戯曲を書くまでのこと4&上演もしちゃった。

かれこれ2か月前のことだけど、昨日のようです。初めて書いた戯曲を上演することになった一大事。どうしたら自分の作品がイメージに近い感じで立ち上げられるのか、悩んだ。人を動かして演劇をこしらえる技量はない、断言はできないけど、演出家というのは、人の間に入って何をかをなす仕事なので、多分、できそうにない。だから一人でやる方法を考えることにした。講師の篠田氏の助言で、リーディング形式、読むことで戯曲の世界を感じてもらうことにする。ただ読んでもいいんだけど、幕間のKZの対話は字幕にして、観客に黙読してもらうことに。黙読だけだと飽きちゃうので、音読を呼び掛けたり、一部自分との掛け合いにしたりと、読むバリエーションを増やしてみた。

犬とのエピソードのシーンは作者朗読会みたいな感じ。よく欧米の作家がやるじゃない、あれ。(” Before Sunset”というリチャード・リンクエーターの映画で主演の作家ジェシー(イーサン・ホーク)がパリのシェイクスピア&カンパニーでやるやつね。終盤のニーナ・シモンの「Just In Time」が泣かせる、熱く再会したのに別れる、オトナかあ、そうかあって思ったよね。ホークの未練タラッタラの顔芝居が続編予告みたいだった。)

はじめは脚立の上で読むだけのシンプルな朗読だったけれど、お客様が退屈するかもしれないしと思って、囁いたり、ソプラノで歌ったり(15年声楽を学んでいるので聞き苦しくはないかと、一応レチタティーヴォで)ブルースにしてギターつけて唄ったり、変化をつけることにした。なかなかにバカバカしくて受けた気がする、3回公演、必死でやったけど。

歌とかブルースのところは、セリフとして覚えると言う事にも挑戦した。3分くらいのシーンを二カ所、楽勝だと思ったけど甘かった、自分で書いたのに、覚えられない。一旦自分から出てしまったら、もう他人が書いたも同然なんですね。俳優として演じるならば、作者だろうが、なんだろうが、一定の努力を強いられるのが、作品を立ち上げるということならしい。

人前で演技も歌も経験がない。ラジオの仕事をしていたとき、番組でしゃべることはあったし、仕事柄コンペでプレゼンとかもあるので、人前でしゃべるのは嫌いじゃないけれど、演じるとなると。よくやったと思います、本番前日は極度の緊張でお腹が痛くなりました。

発表会は5人の作家が複数回公演を組んだのでスケジュールが3日で20公演以上になって、それぞれの切り替えが地獄だった。他の4人は経験も実力もあって、堂々たる公演。それぞれお客さんがついていて、圧倒された。素人はアタシだけ、せめてもとみんなの裏方もやらせてもらって面白かった。自分の面倒も見て、もうほんとうにスリル満点だったのでした。