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元コンサルが本当におすすめする戦略的思考を高める書籍/Web

今回は前回の論理的思考力を高める書籍の紹介に引き続き、戦略的思考力を高めるために役に立つ書籍を紹介していきたい。戦略的思考力とはその名の通り、企業の競争戦略を立案し実行していく上で最低限必要となる思考力である。

ある企業がどのような戦略に基づいて日々の事業を行っているのか、またある企業はどのような戦略をとるべきなのか、等コンサル、特に戦略コンサルにとっては日々自身の思考を問われる場面が多くある。

そういった場面において、まずは戦略とは何なのか、理想的な戦略とはといったものを自身で構築していくことが必要不可欠だが、書籍をじっくりと読むことでそういったもののヒントをもらえることができる。

今回は私が読んできた戦略的思考を高められる書籍を紹介していきたい。
他投稿と同様、少しずつ更新していく予定である。

戦略プロフェッショナル

企業の戦略立案、戦略実行を語るうえで外せないのが元BCGの三枝さんによる「戦略プロフェッショナル」シリーズである。

本書は主人公の広川がある医療系ベンチャーに出向し、大きな競合と立ち向かい、新たな商品戦略を立案、展開することで大きく売上とシェアを伸ばしていく、というフィクション仕立てのストーリーである。

本書がおすすめなのは、まず戦略をどのように立案していくか?という本質的なプロセスを小説という形を通して追体験できるところにある。戦略コンサルを目指す人にとってはある程度フレームワークを知っていることはもはや常識となっているものの、それらを実際にどのように使うべきかは必ずしも一般化していないだろう。

そうした中、本書は広川による企業変革を通じて、PPMや市場/プロダクトライフサイクルといった戦略的なフレームワークを用いて、実際に戦略を考案しておりそのプロセスを追体験することで、どのようにフレームワークを戦略へと昇華させるかが理解できるだろう。

またプロフェッショナルとしての心構えやあきらめない心のようなものも本書から学び取れることができる。ぜひプロフェッショナルを目指す皆様は手に取っていただきたい書籍である。

また三枝氏の著作はいずれも企業の変革に立ち向かうストーリーであり、いわゆる三枝シリーズの書籍がある。これらすべてが企業の変革に違う角度から切り込む良書のため、いずれも一読の価値がある書籍である。

中川先生YouTube

次は書籍ではなく、YouTube動画の紹介になる。というのも戦略的な思考をシンプルに誰にでも実際に使えるような解説動画を紹介してくれている。
「アカデミーの力を社会に」といったコンセプトのもと、戦略的思考のいわゆる学際化(社会の問題について学問として研究していく)を進めている。

私が感じる最大の魅力は何といってもよく知られているフレームワークを実際にどのように使って戦略の構築をしていくのかといった実行プロセスを丁寧に解説してくれることにある。

例えば、みんな知ってるけど使えないフレームワークランキングNo1のSWOT分析なんかはきれいに当てはまる。例の動画を紹介しよう。

ちなみに中川先生の経歴を抜粋して紹介しておく。

1982年生まれ。
2004年 東京大学経済学部卒業
2008年 東京大学大学院経済学研究科 修了(2009年、経済学博士)
2008年 駒澤大学経営学部 講師
2012年 大阪大学大学院経済学研究科 講師
2013年 大阪大学大学院経済学研究科 准教授​
2021年 やさしいビジネススクール設立、学長就任

https://yasabi.co.jp/teacher/nakagawa/

企業参謀 戦略的思考とは何か

Mckのレジェンド大前研一氏による「企業参謀」を紹介する。
本書は大前研一氏が30歳の時に、自身のプロジェクトにおける経験を明文化、体系化された書籍である。

本書はまず普通に過ごしていれば見過ごしてしまう日常のある一コマから始まる。それはまさに戦略的思考であると思われる、プロセスの分解、定量化、再統合による示唆出し、といったプロセスを経るわけであるが、そのあまりの自然さに見落としてしまう読者も多いのではないだろうか。

この本は戦略の構築を具体的なプロセスに分けて解説しているため、本書の考察プロセスをたどればある程度の戦略ができてしまいそうなところに特徴がある。他の専門書は事実の羅列や要素の羅列(後々紹介するが、マイケルポーターの書籍も個人的にはこのような印象を受けた)ではなく、統合された戦略プロセスが書かれている本書は、世界でも類を見ないだろう。

このレベルまでの明文化、体系化がコンサルになるために一つの目指すべき姿であるため、ぜひコンサルを目指す若手の方は読んでみていただきたい。


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