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「わたしたち、何を探しているの?」「幸せをほんの少し。」

好きな映画トップ10に入ってる映画。
「歓びのトスカーナ」2016年イタリア・フランス制作。原題はLa pazza gioia。イタリア語で狂気の喜び。

イタリア・トスカーナ州の緑豊かな丘の上にある診療施設ヴィラ・ビオンディ。ここでは心に様々な問題を抱えた女性達が社会に復帰するために治療を受けている。
虚言癖でおしゃべりな自称・伯爵夫人ベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)はこの施設の女王様のような存在。
ある日彼女の目に留まったのは、自分の殻に閉じこもる、痩せ細った身体のあちこちにタトゥーが刻み込まれた若く美しい新参者ドナテッラ(ミカエラ·ラマッツォッティ)。
ルームメートになったふたりは脱走を図り、破天荒な逃避行を繰り広げる中、いつしか掛け替えのない絆で結ばれていく。
やがて心に傷を負ったドナテッラの脳裏にある痛切な記憶が蘇り、ベアトリーチェは病院に引き戻された彼女を救いだそうとするのだが……。
悲しくも可笑しい女たちの姿に、最後は温かい涙が溢れ出す人生賛歌。

初めて観たのが精神を病んだ時だったから彼女達に共感したし、彼女達の自由さや友情に憧れた。

ドナテッラは幼い子供がいるが、福祉課と警察に子供を連れていかれて引き離されている。「お前は病気だから子育ては無理だ」「親として不適格だ」と、唯一の歓びをくれる存在である息子を連れていかれた。
初めはだんまりしてたドナテッラだけどベアトリーチェに心を開いていく。

会っちゃいけないけど、ドナテッラの本当の姿を知ってるからこそ、息子に会えるように協力するベアトリーチェ。
言葉は見当違いで滑稽。理解されない。
「病気だ」って周りから言われる、同じ辛さを共有している彼女達だから分かり合えるのかも。

「死んでもいい。そうすれば母も皆も喜びそうね」
「バカね、私が困る」
「あなた? 」
「いてくれて良かった」
「私が?」

この場面を見たときに、生きててよかったと思った。誰からも必要とされないばかりか邪険に扱われる彼女だから、、出会えてよかった。。本当に。

この映画はすごく良い。
大女優ヴァレリア・ブルーニの演技がすごかったし、映像も綺麗だし、物語が良い。
監督がパオロ・ヴィルズィという名匠。彼の「人間の値打ち」もよかったなあ。。

とにかくこれは女の映画だし、女は自由で強くなきゃいけない。そう思った。

これを見るたびに私も強く生きなきゃって思うよ。

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