CASEに関わる最新海外動向 (2021年4月)

~2021年5月5日

この期間の重要な動向

■ 上海モーターショー(4月19日~28日)では、全てのユーザ向けの主たる企業のほぼ全てのEVが展示された。特に、欧州と中国系から高級EVが怒涛の如く発表・出展された。

■ 今後も伸び続ける年間3000万台規模の中国自動車市場で、2035年に50%がEVとなるという見込みの上、中国の新興EVスタートアップやICT系企業からの新規参入者の間に、中国国内だけでも事業が成立するという認識が生まれ始めている。

■ 中国でEV用バッテリー交換事業が拡大している。Nioも始めているが、今後各都市で浸透するEVタクシー向けにバッテリー交換事業の拡大が見込まれる。

■ 自動車産業に対する半導体不足の影響は第2四半期に更に拡大し、来年にかけても影響が残るものと見られている。今後、車のインテリジェント化も見据え、半導体企業と自動車産業の間でアーキテクチャレベルからの直接的議論が重要になる。

■ 米国では2030年から2035年を目処に、燃料機関系自動車の販売禁止を決定する州が増える。

■ 欧州市場では、2030年までに、域内半導体の生産を20%に拡大する計画が動いている。特に、20nm以下の最先端半導体技術を強化する。

■ Tesla、VWに続き、GM、Ford、BMW、Stellantisにも自社内でバッテリー技術の開発、製造能力を拡大する方向性が見られる。

■ Teslaの”誰も運転していない車で2名が死亡した事故”に対する調査が入り、疑似自動運転(運転支援)機能に対する市場への説明のあり方を是正する議論や動きが年内拡大するものと予測される。

以下詳細です。

◎◎◎ 中国の動向 ◎◎◎

★ 中国自動車工業会(China Association of Automobile Manufacturers)によると、第1四半期の中国でのBEVとp-HEVの売上高シェアは8%だった

★ かわいらしい車から最先端まで上海モーターショーではすべての人向けのEVが展示された

◇ $4,230のHongguang Miniや、裕福層むけMercedes-BenzのEQSまで、上海モーターショーにはあらゆる年齢と予算に合わせたEVがある。
◇ 多くのモデルに共通する視点は、より大きく、より多くのディスプレイと自動運転機能を持つビークルテクノロジー。

★ 上海モーターショーの初日NioとXpengのCEOがお互いのブースで盛んに話し合っていた

◇ NioのLi氏は、3月は「EVが新車販売の初めて10%以上を占め、中国のスマートEV市場にとって画期的な出来事になった」、「ますます多くの個人ユーザーがEVを購入しており、これは非常に良いスタートだと思う。今年は下半期も含めて非常に楽観的だ」と語った。
◇ XpengのHe氏は、その間、市場は2023年に急速な拡大段階に入り、中価格帯のEVが多く必要になると予測した。

★ XiaomiがNioとX-pengへの投資を通じて、EVへのさらなる成長と進出の可能性を見越し$10Bの投資を決めた

◇ 中国EV市場は将来的に$1T規模の市場になる。そこに不動産開発業者から検索エンジン事業者まで、数百社のプレーヤーが市場参入を計画している。
◇ $10Bは多額のお金だが、スマートEVビジネスを開始し成功させるには十分な金額ではない。Evergrandeは、3年間で$7.2Bを投資し、最近量産出荷の開始を2022年まで再び延期した。

★ Huaweiは、自動運転とEV技術の研究に$1Bを投資し、世界最大の自動車市場でTeslaおよびXiaomiと競争する

◇ Huawaiは、これまでに北京汽車グループ、重慶長安汽車、広州汽車集団と提携することに合意しており、最初にこの3社とHuaweiの名前をサブブランドとして付けた自動運転車を製造する予定。
◇「中国は毎年3000万台の自動車を出荷しており、その数は増え続ける。中国以外の市場を開拓しなくても、中国で販売される各車から平均10,000元を稼ぐことができれば、それはHuaweiにとって非常に大きなビジネスだ」(Huawei)

★ バッテリー交換が中国で戻ってきた

◇ 多くの中国の都市は、タクシーフリートを完全にEVに変換するための準備が順調に進んでいる。北京でEVタクシーの多くを供給しているBAICは、Aulton New Energyと提携して220以上の交換ステーションを設置し、2021年に中国全土にさらに100を追加する予定だ。
◇ 一方、バッテリーのコストが下がり、バッテリーのエネルギー密度が向上し、充電時間が短縮され、公共の充電ネットワークが急速に拡大すると、バッテリー交換へのニーズは下がる可能性がある。

◎◎◎ 米国の動向 ◎◎◎

★ ワシントン州は2030年までに内燃機関自動車を禁止する

◇ ワシントン州議会はモデルイヤー2030以降のすべての小型車にEV (FCVを含む)を義務付けるという目標を設定した法案「クリーンカー2030」を可決した。
◇ ただし、法案は厳格な規制というよりも一連の目標として書かれており、今後実施にむけ微調整される可能性がある。

★ 民主党はバイデン政権のプライオリティであるスクールバスのEV化に$25Bの支援を要請

◇ 民主党議員は、バイデン大統領の$2.3兆のインフラ計画に基づき、ガソリンとディーゼルを動力源とするスクールバスをEVに転換するために$25Bを投資する法案を発表。
◇ スクールバスは、全米のバス車両の90%を占め、毎日2,500万人近くの子供を乗せて走り、ディーゼルエンジンからの排出ガスは、子供の呼吸器疾患の一因となる可能性があり、学業成績の低下と関連していることがわかっている。

★ トヨタは半導体戦略のおかげで4月に最大の出荷を記録した

◇ 他社の多くが半導体不足で生産を削減するなか、トヨタの米国での販売台数はレクサスブランドを含めて、前年比183%増加し239,311台となった。
◇ トヨタは、昨年多くの半導体を手元に置いておくことを決定していたと話した。

◎◎◎ 欧州の動向 ◎◎◎

★ 欧州の市場回復とともにEVの販売シェアが急拡大している

◇ 欧州自動車工業会よると、第1四半期のBEVとp-HEVの販売は新車の約15%を占めた。
◇ p-HEVの販売がBEVよりも急速に増加した。p-HEVの市場シェアは3.2%から8.1%に上昇し、BEVは昨年の4.2%から6.6%への増加だった。

★ 欧州の自動車メーカーは$13Bの穴を埋めようとしている

◇ AlixPartnersは、自動車メーカーは半導体不足により今年の売上高の$61Bが失われると予想しており、そのうち$13Bが欧州で発生すると予想している。
◇ 自動車業界は電動化を進めており、バッテリー駆動の自動車は、燃焼エンジンを搭載した自動車よりもはるかに高価な半導体を詰め込む。加えて、エンターテインメントと自動運転機能の比率が高まっており、自動車メーカーは半導体企業と直接話しをする必要性が高まっている。

★ 欧州は長年にわたってシェアが低下した半導体供給能力の再拡大を検討、2030年までに最先端半導体を生産する

◇ EUは、データ処理、通信、インフラストラクチャ、人工知能に計算能力を供給する半導体の設計と製造を取り戻し、2030年までにチップ生産を2倍にして世界供給の少なくとも20%にすることを計画している。
◇ 20nmから10nmのチップの設計と生産をどのように後押しするか検討すると伴に、2030年までに5ナノメートル未満から2ナノメートルまでの生産を目標としている。

★ フランスはEVシフトに伴う雇用危機にある15,000人を支援する

◇ フランスは、鋳金属自動車部品を製造する労働者を再訓練するために、€50M($60.5M)の基金を発表。
◇ 政府が基金の5分の3を拠出し、RenaultとStellantisが残りを支払う。

★ ライバルは復活したにも関わらずRenaultの売上は予想外に低下した

◇ BMWとDaimlerは、四半期の予想を上回る暫定結果を報告している一方、Renaultの売上は1.1%減の€10B($12.05B)で、アナリストの予測平均€10.14Bを下回った。
◇ 世界的なパンデミックからの立ち直りの中、Renaultの欧州市場依存と、主にマスマーケット向け車両のポートフォリオが、回復の足を引っ張った。

◎◎◎ 日本の動向 ◎◎◎

★ ホンダは2040年までにガソリン車の販売を停止すると発表

◇ 今後、2030年までに世界の売上高の40%をBEVとFCVで構成し、2035年80%、 2040年100%とする。
◇ ホンダは今後6年間でEV化を含む先行研究開発に約5兆円($46.3B)を投資する。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla) ◎◎◎

★ Teslaは新型Model SとModel Xの遅れにも関わらず、最高利益を出した

◇ Model SとModel Xを1台も製造せず、中国上海での工場からのModel 3とModel Yの製造および販売が増え続け、第1四半期に$10.4Bの売上を生み出し、これまでの最高利益となる$438Mを記録した。
◇ ただし、記録的な$518M相当の規制クレジットを販売したと述べており、これがなければ四半期は赤字であった。ビットコインの売却益、約$101Mも含まれている。

★ Teslaは新しい材料の製品適用を加速する部門を起こした

◇ Appleの合金専門家であったCharles Kuehmann氏を雇用し、TeslaとSpaceXの両社で同時に材料工学を主導している。
◇ Tesla車両でより大きな部品を鋳造するためのアルミニウム合金や、SpaceXの宇宙船やTesla Cybertruckの外骨格用の新しいステンレス鋼合金など、製品の新しい合金の作成に注力してきた。今後それを商品展開する。

★ Teslaは電力給電を助けるために、カリフォルニアで夜間のスーパーチャージを半額にする

◇ カリフォルニアの主要な大都市圏のすべてのスーパーチャージャーで、ラッシュを避け、午後7時から午前10時前の間に充電すると、料金が半額になる。日中の使用量と待ち時間を減らすために夜間に充電するよう奨励することを目的としている。
◇ Teslaは四半期ごとに20万台近くの新車を出荷しており、より多くの充電ストールを備えたスーパーチャージャーステーションを拡大構築しており、より速い充電速度で平均充電時間の短縮と充電総容量の増加に役立て、充電ネットワークを最適化しようとしている。

★ Teslaの誰も運転していない車で2名が死亡した事故に調査が入る

◇ 米国国家運輸安全委員会(NTSB)は当初調査する計画はないと述べていたが、月曜日「車両の操作と衝突後の火災」に焦点を当て、調査を計画していると発表した。

★ Elon Muskはだれも運転席に居らずに死亡事故となったTesla車はAutopilotを稼働していなかったと述べた

◇ 事故はAutopilotが使用されることを意図されていない住宅地で起こった。
◇ TeslaのFSDベータ版はこれらの一般道路でも機能するが、Musk氏は所有者がベータ版を使用していないことを確認しているようだ。

★ コンシューマレポートによると、Tesla車はドライバーなしでも走れる様に騙せる。

◇ コンシューマレポートのテストによると、Autopilot機能を利用して運転席に誰もいない状態で簡単にTesla車をだまし運転する事ができる。
◇ 同社の評価では、システムはドライバーが注意を払っているかどうか以上にドライバーがいるかどうかも認識していない。

★ 米国民主党上院議員はTesla Autopilotの誤用に対する原因調査を求めている

◇ 現在、NHTSAの特別な事故調査チームとNTSB(国家運輸安全委員会)は独立して調査している。
◇ Teslaの所有者は、Autopilotが車線のない道路でも使用できることを証明している。

★ 上海モーターショーの初日、Zhang氏がTeslaの展示車両の1つに登り、彼女の父親の事故に関する抗議はソーシャルメディアにアップロードされ口コミで広まった
◇ Teslaは中国国内EVでNo.1だが、自動車所有者に対する傲慢さで非難されている。
◇ 衝突が発生した河南省鄭州の市場規制当局がTeslaの支店に事故前の30分間の完全な運転データを無条件に提供するように命じ、Teslaは態度を改めリリースした。

◎◎◎ EVの動向 (VW Group) ◎◎◎

★ VWは上海オートショーでID.6 electric SUVを発表: VWでこれまでで一番広いEV

◇ ID.6はまず中国市場に注力。
◇ ID.6で、2030年までに中国で販売される自動車の少なくとも50%をEVにするための基盤を築く。

★ Audiは上海オートショーで新しいEVプラットフォームを採用したA6 e-tronコンセプトを公開

◇ AudiがPorscheと共同開発した「Premium Platform Electric (PPE)」と呼ぶ新しいプラットフォームを採用し、2022年後半に発売される。
◇ Porscheの最初のPPEモデルは新しいEV Macanになる。

★ Audiはエントリー価格のEV SUV (Q4 e-tron)でTakesのModel Yと対抗する

◇ Audiの新しいQ4 e-tronは、急成長するコンパクトクロスオーバーSUV市場でTeslaと直接対決し、VWがTeslaとのEV販売のギャップを狭めるのを助ける。

★ Porsche Taycanの売上はアイコニックな911の売上を凌ぐ

◇ Porscheは第1四半期に9,072台のTaycanを納入し、911に拮抗した。
◇ Taycanは、PorscheのEVシフトのリトマス試験だったが、成功したことになる。


◎◎◎ EVの動向 (GM/Ford) ◎◎◎

★ GMは300マイル走行するCadillac Lyriqの生産バージョンを公開した

◇ Ultiumバッテリー技術を搭載した最初のGM車であるCadillac Lyriqは元のデザインとスペックを維持している。
◇ 開始希望小売価格が課税あるいは補助金抜きで$59,990になる。2023年モデルイヤーとして発売さるが、2022年第1四半期後半に生産が開始される予定。

★ GMはテネシーのバッテリーセルギガファクトリーに$2.3B投資

◇ 2023年後半に生産を開始するためにすぐに建設が開始される予定。

★ GMとSESが作るはリチウム金属バッテリーはゲームチェンジャーになる可能性がある

◇ GMとそのパートナーであるバッテリースタートアップSESは、2023年からリチウム金属バッテリーを量産すると述べた。
◇ リチウム金属セルは、GMのUltiumバッテリーに走行距離の拡大とEVをガソリン車と同程度のコストにする可能性を与える。

★ SESはGMが主導するファンディングで$139Mを調達

◇ SESはLi-Metalセルが、今日のほぼすべての自動車メーカーが求めている低価格で、急速充電と長距離の両方を提供できると考えている。
◇ GMとSESは、2023年までに大容量の試作バッテリーを実現することを目指している。

★ Fordは半導体不足のコストを$2.5Bと見積もり、売上予測も下げた

◇ Fordは現在、第1四半期の生産減17%から拡大し、第2四半期は生産の約50%を失うと予想している。半導体の不足により今年の生産台数は110万台減少する可能性が高い。
◇ 今四半期の終わりに44日分の部品しかなく、通常業界で健全であると考えられている60日をはるかに下回っている。

★ Fordは独自のバッテリー開発にむけた最初のステップを踏んだ

◇ Fordは、EV用の独自のバッテリーセルを社内で構築するために、ミシガン州に新しいバッテリー開発センターを立ち上げることを発表した。
◇ GMはパートナーのLG Chemとともに米国に2つのバッテリー工場を建設中で、VWは最近、2030年までに欧州に6つの「ギガファクトリー」を設置するという独自の計画を発表している。

★ Fordは欧州で2車種目のEVに対してVWからライセンス受けるかそろそろ決定する

◇ Fordは、2023年からドイツのケルンでMEBを使用して自動車を生産する計画をすでに発表しているが、今回「それはまだ検討中だ」とFord欧州はe-メールで声明で述べ、VWはコメントを控えた。

★ Fordのハンズフリー機能BlueCruiseがF-150とMustang Mach-Eに搭載され、今年後半からOTAでアップデートされる

◇ Fordの「ハンズフリー」先進運転支援システム(ADAS)BlueCruiseで、「Hands-free Zoneと事前認定された中央分離帯がある北米の100,000マイル以上に及ぶ高速道路のセクション」でハンズフリー運転が可能になる。
◇ アダプティブクルーズコントロール、自動緊急ブレーキ、車線維持支援、死角検出、歩行者監視、一時停止標識検出など、多くの機能と連携して機能する。

◎◎◎ EVの動向 (Mercedes-Benz、BMW) ◎◎◎

★ Mercedes-Benzの利益率が過去数年間で最高になる

◇ 中国は同社最大の市場であり、今年第1四半期の売上高が60%急増した。中国での強い需要は第2四半期も続くと述べた。
◇ 半導体不足により、Daimlerは最も収益性の高いモデルの製造を優先するようになった。これにより、第1四半期の自動車部門の収益性は前年の2.2%から15.2%に上昇した。

★ Mercedes-Benzは上海モーターショーを前に、2022年EQS EVセダンの外観を明らかにした。

◇ Sクラスとして、高級EV市場を定義するものになる。

★ Mercedes-Benzは上海モーターショーでEQBと呼ばれる新しいEV SUVを発表

◇ Mercedes-Benzは、EQCの米国出荷をキャンセルしたため、米国向け最初のSUVになる。
◇ EQBは2021年末までに中国と欧州でデビューし、現地生産される予定だ。最終的な米国モデルは欧州から輸入される。

★ Mercedes-Benzは新しいEQT EV minivanをチラ見せした

◇ これまでバンパッセンジャーバンセグメントは、DaimlerのEV化プライオリティになかった。5月10日、「エントリーレベル」のEVバンとなる新しいMercedes-Benz EQTを発表する。
◇ Mercedes-Benzバンは個人向けのポートフォリオを拡大し、家族やレジャーでアクティブな個人顧客に新しい魅力的なエントリーセグメントを提供する。

◎◎◎ EVの動向 (Stellantis) ◎◎◎

★ Carlos Tavares CEOは、EVシフトをスピードアップすることを約束し、バッテリー付きの車は2025年までに欧州の売上高の3分の1以上を占めると誓った

◇ Stellantisは、VWやGMなどと同様、Teslaに匹敵するEVを展開するため、2030年末迄に250GWhのバッテリー容量を確保することを望んでいる。
◇ StellantisはEVプラットフォームでこれらの目標を達成することを目指し、欧州と北米に追加のバッテリー工場を開発する事を年内に決定する可能性がある。

◎◎◎ EVの動向 (中国系) ◎◎◎

★ Geelyは新しいEV部門 (Zeekr EVユニット) でAppleやXiaomiなどビッグテックを競合相手とする

◇ 自動車がますます自動化しコネクテッドになるにつれて、自動車はソフトウェアのアップグレードによって絶えず改善されるハードウェアになり、ソフトウェアのノウハウを使用できると確信している。
◇ Geelyは、最初のZeekr 001の開発に4年を費やし、9月に納車を開始し、第4四半期に最大8,000台の販売を目標としている。

★ 中国の$87BのEVの巨人(Evergrande)はまだ一台も車を売っていない

◇ 上海オートショーのど真ん中、最大級のブースで9つのモデルが展示した不動産開発業で成功したEvergrandeはこれまで1台の車も販売していない。
◇ 株主は、過去12か月間でEvergrandeの株価を1,000%以上押し上げ、$数Bの新規資本を調達することを可能にし、現在の市場価値はFordやGMを上回っている。

★ FoxconnのMIH Open Platformに基づくEVはFoxtronと呼ばれ、10月に新しいEVKitを発表し同時にFoxtronの製品がリリースされる。

◇ Foxconnが生んだMIH Allianceのオープン性により、EV業界は「投資の重複を回避し、開発コストを削減し、開発時間を短縮し、EV製品をより早く市場に投入して競争力を高めることができ」、「標準化、モジュール化、およびプラットフォーム化により、EVの開発における参入障壁が大幅に削減される」。
◇ 最初のリリースはEVバスで2022年に出荷され、EV自動車としてFoxtronの最初のリリースはCセグメントのEV SUVになる予定。

★ Beetleに似たOra Punk Cat EVがVW法務部の目に止まっている

◇ 長城汽車のOra小型EVブランドから発表されたPunk Catという新しいEVは、古典的なVW Beetleに似ていることでVWの法務部門の目に止まった。
◇ 4ドアであること以外はよく似ている。VWは2019年にBeetleの生産を停止したが、似ている事を問題視している。

◎◎◎ EVの動向 (日系) ◎◎◎

★ トヨタは新しいEVを発表し、今後EVへの掛けに参加する

◇ 月曜日2021年上海モーターショーで、新しい「e-TNGA」プラットフォームに搭載されたEV SUV「bZ4X」をプレビューした。
◇ トヨタはbZ4Xを日本と中国で生産し、2022年半ばまでに世界中で販売する予定

★ トヨタはインディアナ工場を電動車向けに切り替えるために、$803M投資する

◇ インディアナ州のプリンストン工場の一部を改造し2車種の新しい「電動」SUVを生産するために$803Mを費やす予定で、そのうちの1台はLexusブランドとして販売される。
◇ トヨタはエンジン車なのかEVなのか、モデル名やタイプに触れなかったが、HEVかBEVになる可能性は示唆した。

★ トヨタは投資家からの圧力を受け、気候とEVに反対するロビー活動を再考する

◇ トヨタは反気候変動対策のロビー活動を行い、最近はBEVを推進している米国政府への警告を行っていた。
◇ トヨタへの投資家である大規模な基金ファンドがこの戦略を変更しない場合、トヨタの株式を売却する準備ができていると圧力をかけている。

◎◎◎ EVの動向 (韓国系) ◎◎◎

★ Hyundaiはバッテリーリコール後に、Kona EVの韓国での販売を中止する

◇ 2019年以降、Kona EVはバッテリーパックの火災で12件以上の報告が記録されており、Hyundaiは$1B近くを費やし、韓国で76,000台のKona EVをリコールすることを決定した。
◇ Hyundaiは代わりに次のIoniq 5(およびその後継のEV)に焦点を合わせるが、米国では引き続きKona EVを販売する。

◎◎◎ EVの動向 (全般) ◎◎◎

★ EVへのシフトは自動車会社とって生きるか死ぬかのリスクがある

◇ 現在、自動車メーカーは$200BをEVに注いでいると推測される。これは、NASAが、人を月に届けるために費やした金額(インフレ調整後)を上回っている。
◇ 「新しい支配的な地位が築かれ、古い帝国が崩壊する可能性がある」。EVへの切り替えは、自動車業界に「大規模な構造変化」をもたらし、成功に簡単な公式はない。

★ 何故一部のEV所有者はガソリン車に戻ったか - 理由は驚くべきものではなかった

◇ カリフォルニア大学デービス校の研究者が、カリフォルニアでEVを所有している、あるいは所有していた4,000を超える世帯を調査し、p-HEVの所有者の約20%とBEVの所有者の18%がガソリン車に戻ったことを確認。
◇ 理由は、家庭にレベル2(240ボルト)の充電がない事、家庭用車両の数が少ない事に関連しており、車種にも依存する。


◎◎◎ EVバッテリーの動向 ◎◎◎

★ パナソニックは$25,000のEVを実現するTeslaのビール缶型バッテリー(4680セル)に掛けている

◇ パナソニックは、Teslaがより安価で普及する$25,000のEVを実現する鍵としている製造困難な次世代バッテリー(4680セル)を製造する準備ができていると確信している。
◇ 4680セルの利点は、既存の1865セルと2170セルの5倍以上のサイズであり、個々のセルをつなぎ合わせるために使用されるボンディングピースなどの部品が少なくなる。ただし、サイズが大きいと、粒子汚染の影響を受けやすく、微小な金属片がセルの中心に侵入して短絡し、EVバッテリーの火災の原因となる。

★ BMWも次のレベルのバッテリー技術の開発に参加

◇ BMWは、2025年までに全固体電池車のプロトタイプを作成し、EVの出力と航続距離を拡大する技術の競争に加わる。
◇ BNEFは、業界が今後15年間でEV市場が拡大するにつれて、全固体電池のコストも電解液Li-ionバッテリと同等の価格まで下がると予測。

★ SKのバッテリー材料部門がEV用部材の不足を予測

◇ SK Innovationの電池材料部門は、EVの主要部品であるウェットタイプのセパレーターの世界市場が、EVの「爆発的な」成長により、2023年に供給不足に陥ると述べた。
◇ セパレーターは、リチウムイオン電池の出力と安定性を向上させる。ウェットセパレーターはドライセパレーターよりも薄くて丈夫で、より高い容量を蓄電できる。

★中国への依存を低減するためのインドで最初のバッテリー工場が出現

◇ インドには電池の製造に必要な専門知識があり、電池の重要な要素であるアルミニウム、銅、電解質、ニッケルなどの原材料が豊富にある。多くがリチュウムの話しをしているが、原材料全体からみれば、ほんの一部に過ぎない。
◇ 3月、インドのNitin Gadkari運輸相は、包括的なバッテリー政策を「間もなく」発表することを約束した。

◎◎◎ EVモーターの動向 ◎◎◎

★ ヤマハ発動機は、業界をリードする出力密度を誇るインバーターと減速ギアボックスを組み合わせた新しい油冷電気モーターを発表

◇ 内燃機関自動車とは異なり、EVは2つ以上のモーターをドライブトレインに簡単に組み込むことができ、全体的な出力を簡単に高めることができる。
◇ 1つ350kW、2つで700 kW(938 hp)のパワーを持つTesla Model S Plaidの領域、3つで1,050kW(1,408 hp)世界最速のICEプロダクションカーであるBugatti Chironに相当、4つで総出力1,400 kW(1,877 hp)となり、独自のRimac Concept2が作れる。

◎◎◎ MaaSの動向 ◎◎◎

★ UberとArrivalはライドヘイリング専用EVを開発

◇ 2015年に設立されたArrivalは、現在EV配達用バン(UPSを顧客とする)とEVバスも開発しており、またHyundaiとKiaからの支援もある。
◇ Uberは、2030年までに米国、カナダ、欧州でのサービスを100%EVで行うという約束している。

★ VolvoはDiDiの自動運転部門に車を供給

◇ DiDiは、中国政府によって承認されたパイロットの一環として、2019年から上海で自動運転のテストを行っている。
◇ DiDiは、商用ロボタクシー事業を開始するときに、VolvoのSUVを使用すると述べた。

★Nuroは、KrogerとCVSからの荷物の配達に加え、今週ヒューストンでDominoを配達し始めた

◇ 「これまでは食料品や処方箋などの商品の定期配達を中心としていた」、「ピザははるかにオンデマンドであり、我々がフリートを拡大するにつれ、それは我々に運用上の学習を追加した」、「時間を厳守する事が重要になり、注文はディナータイムや大きなスポーツイベントがある時に集中する」、「人々はすべてをより速くより手頃な価格で提供されることを望んでいる」(Nuro)

★ GMが支援するCruiseは2023年からドバイでドライバーレスタクシーを運行する

◇ Cruiseは、2029年までアラブ首長国連邦最大の都市でサービスの独占的運営者になる。
◇ Cruiseは、2023年までに少数車両で運行を開始し、2030年までに首長国連邦で4,000台の無人のOrigin Shuttleを運行させる。

◎◎◎ CASEの動向 ◎◎◎

★ 車はサブスクリプションなど色々と含むソフトウエアプラットフォームになる

◇ ほとんどの主要な自動車メーカーは、OTAアップデートを介してアップグレードを販売するための戦略を具体化してきており、高級車から始まり、今後数か月で急拡大する。
◇ 最初の購入時に選択した機能を後からアップグレードする事が可能となり、また中古車になる度に価値を上げる可能性もある。

◎◎◎ 自動運転の動向 ◎◎◎

★ 完全自動運転は引き続き幻滅の谷に入っている

◇ ガートナーは「コネクテッドカーとスマートモビリティのハイプサイクル」を毎年アップデートしているが、自動運転はまだ「幻滅の谷」にある。 (Gartner)

★ トヨタはApex.AIとパートナーを組み、自動運転プラットフォームを作る

◇ ソフトウェアシステム開発企業のApex.AIは、Woven Planetと量産実装環境に対応した自動運転スタックの開発と展開を支援するパートナーシップを発表。

★ LyftはLevel5と呼ばれる自動運転部門を$550MでトヨタのWoven Planet Holdingsに売却する

◇ トヨタはLyftの10,000台以上の車に貸し出している強力なセンサーからの情報にアクセスできるようになる。

◎◎◎ 再生可能エネルギー/ESG関連の動向 ◎◎◎

★ 世界で最もパワフルな風力タービンが台風テストに通った

◇ GEの高さ248mのHaliade-Xオフショアタービンは、220メートルのローターを1回転させると、概ね1世帯(1日)分の電力を供給することができる。
◇ 今回、Haliade-Xの12MWおよび13MWモデルは、独立認証機関のDNVからクラスT認定として知られている台風認証を取得し、台風やハリケーンなどの異常気象でも効果的に機能することができる。

★ Covidが世界的に自動車の販売を拡大し、原油需要を拡大させている

◇ Covidから身を守るために、世界中の人々が電車やバスを遠ざけ、代わりに、それらは自動車販売を急増させ、石油と金属の需要が拡大している。
◇ 中国、ロンドン、ニューヨーク、デリー等での通勤に車の需要が拡大している。日本では運転免許申請が増加した。

★ 衛星からドローン、クルマ、カメラ、感知犬に至るまで、科学者、活動家、規制当局が世界中の有害なメタン漏れを取り締まるための装置がある

◇ 無色無臭のメタンガスは、大気中に放出されてから20年間CO2よりも約80倍強力であり、近年、すべての気候対策リストのトップに躍り出ている。 ◇ 3月に発表された中国の5か年計画では、メタンガスを封じ込めるという初めての公約が含まれていた。国連と欧州委員会は、世界中でこの問題への取り組みを加速するために、今年後半に国際メタン排出観測所(International Methane Emissions Obsevatory)を公的に立ち上げることを検討している。

◎◎◎ 半導体不足の動向 ◎◎◎

★ 半導体不足により車の世界出荷量は250万台落ちるという

◇ Infinionは、最善の見積もりでも、第1四半期には約150万台の自動車が製造されておらず、第2四半期には100万台の自動車が製造されない。

★ 世界的な半導体不足は、Teslaに大きな打撃を与えていない

◇ 「新しいマイクロコントローラーに迅速に切り替え半導体上のファームウェアを開発し半導体供給不足の問題を乗り越えることができた」。

★ 半導体会社(Globalfoundries)から自動車産業へのアドバイス

◇ EV化と自動化に伴い、自動車メーカーはこれからはアーキテクチャから議論する必要があり、これからは自動車と半導体の間のこの直接的な関係が拡大する。
◇ Globalfoundriesでは「最近、自動車メーカーと自動車部品サプライヤーとの話し合いが増えている」、「自動車業界は、半導体技術が彼らの将来にとっていかに重要であるかを認識している」という。

◎◎◎ その他 ◎◎◎

★ IEAは各国政府はバッテリー用金属の備蓄を検討するべきと指摘

◇ 国際エネルギー機関(IAE)は、(化石燃料から)グリーンエネルギーへの転換に伴う地政学的リスクを厳しく警告し、新しい供給リスクに備えてコバルトやリチウムなどの重要な電池用金属の備蓄を検討する必要があると述べた。
◇ リチウムやコバルトなど一部の希土類元素などの鉱物の生産と生産は上位3つの生産者が世界の供給量の75%以上を占めている。
◇ 中国と日本は重要な金属の戦略的備蓄を行っているが、西側諸国ではそのような備蓄は広く保持していない。

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