CASE MaaSに関わる最新海外動向 (11月)

~2020年12月7日

この期間の重要な動向

Uberが自動運転開発部門であるUber ATGをAuroraに引き渡す決定をした。これにより、自動運転開発の競争環境が今後大きく変わる可能性がある。また、Auroraはロボタクシーよりも先に、トラックの自動運転を実現させる意向であることにも注目する必要がある。

■ 現実的にBEVよりもハイブリッド(HEV)の方が販売好調であり、多くの従来の自動車メーカーは、内燃機関から完全に離脱するまでの今後の十数年間にどの技術が支配的になるのか選択肢を真剣に検討している。その中で、VWとGMは明確にBEVに社運をかけており、欧州は引き続きEVの拡大に邁進し、米バイデン政権でも補助金の延長や充電政策を含む強力なEV化推進が計画されている。

■ 日本政府も2030年代なかば迄に、ガソリン車の新車販売を段階的に廃止すると発表したが、ハイブリッドモーターが搭載されている限り、ガソリン車の販売が許可される。これは最近発表された中国のガソリン車禁止に似ている。

■ GMは、EV販売に協力的でないディーラーに対し、最後通牒として11月末までに最大$500,000の和解金を受け取りCadillacのディーラーを辞めることを提案。日本と米国でクルマ会社とディーラーの関係は大きく異るが参考になる動き。

■ LG ChemはEV用バッテリーの生産を急拡大しているが、LG Chemのバッテリーセルを搭載するいくつかの自動車メーカーで発火によるリコールが発生している事が懸念される。

■ 配達用バンのBEV化が進んでいる (例: Mercedes-Benz Sprinter、Ford e-transit、GMコードネーム「BV1」、Amazon/Rivian)。コロナウイルスの大流行により、より多くの人々が食料品やその他のサービスをオンラインで購入することを余儀なくされ、世界中の国々が内燃機関の車を制限する方向に動いているので、多くの自動車メーカーがより汚染の少ないEV技術に投資する必要性を検討している。

■ 2022年欧米で販売されるBMWのフラグシップEV iXでは当初コンセプトにあった自動運転レベル3機能が外された。車両がほとんどの運転を実行している状況で、ドライバーが注意を払い続ける必要があることで、レベル3は潜在的に危険であると見なされ、概ね1社を除きほとんどの自動車会社は法律、規制、ビジネス関連の課題がある中、レベル2+の向上とレベル4技術開発に取り組んでいる。

以下詳細です。

◎◎◎ 米国の動向 ◎◎◎

★ 主要な自動車メーカーと新興企業は、2025年までに米国市場で121モデルを提供し、バイデンの最初の任期中に合計で$230Bを費やし、数十車種のEVを市場に投入する100万台以上のEVを生産する予定。

◇ バイデンは、消費者にEVの購入に$7,500を与える税額控除の資金を補充する計画で、これらはすでにクレジットを使い果たしたGMとTeslaを助け、他の自動車メーカーが政府の支援を受けてより多くのEVを販売できるようにする。
◇ バイデンは気候変動と戦い、より強く、よりグリーンな経済を構築するために、2030年までに50万本のEV充電コードの設置を計画している。現在の米国のEVインフラストラクチャの約5倍となり$5B以上の費用がかかる公共投資にもなる可能性がある。
◇ 2030年までに米国のEVが必要とする充電の57%をカバーし、約2,500万台分のEVとトラックを賄う可能性がある。

★ EV産業は今や独自のロビー活動グループを持つ。

◇ Tesla、Uber、Rivian、Lucidなどが協力して、ワシントンD.C.に新しいZero Emission Transportation Association(ZETA)と呼ばれるEVのロビー活動グループを設立した。
◇ このグループの使命は2030年までに新車販売の100%を電気にするということ。
◇ 既存の自動車メーカーが特に含まれていないが、米国を拠点とする自動車メーカーはEV化計画に$数Bを注ぎ込んでおり、通常、独自のチャネルを通じて議員や行政当局に働きかけている。

◎◎◎ 中国の動向 ◎◎◎

★ 中国は水素燃料電池を動力源とする自動車、トラック、バスの開発を推進しており、導入目標を達成した都市に報酬を提供している。

◇ 但し、新しいインフラストラクチャはトラックやバスをサポートし、リチウムイオン電池が自動車の主流であり続ける可能性が高い。
◇ 中国では2019年末時点で約380万台のEVが走行しており、2030年までに8000万台に増加すると見込まれている。
◇ 一方、水素自動車の台数は昨年の約6,000台から2030年に100万台に達すると予測されている。

◎◎◎ 欧州の動向 ◎◎◎

★ EUは2030年までに道路上のEVを3000万台にする事を目指す。

◇ 現在欧州で走行しているBEVは約140万台であるが、Bloombergは2028年までに2800万台のp-HEVとBEVが走ると予測している。
◇ クルマのみならず、2030年までに高速鉄道の交通流を2倍にし、300 km未満の都市間の移動はカーボンニュートラルにすることが求められる。更に、2035年までにゼロエミッションの大型航空機と船舶が「市場投入される準備ができている」事も目指す。
◇ また、今世紀の半ばまでに鉄道貨物輸送量を2倍にし、高速列車輸送量を3倍にすることも含まれる。

★ EUは補助金と販売禁止でEVシフトを加速している。

◇ 欧州は、ガソリン車とディーゼル車を段階的に廃止し、ほぼ150年にわたる内燃機関の時代を終わらせるために前例のない措置を講じている。

★ ドイツは自動車産業の再出発のため、$5.9Bの計画を提供。

◇ EV車両の購入に対する補助金を2025年まで延長し、充電ネットワークを拡大し、バッテリーの充電の支払いを容易にする。
◇ ドイツで自動車メーカーと部品サプライヤーは80万人近くを雇用しており、パンデックは大規模な自動車メーカーよりもむしろコンポーネントを製造する中堅企業に深く影響し、政府の支援を必要としていると認識している。
◇ EVインセンティブを延長するための€1B、トラック用に下取りプログラムに€1B、サプライヤーによる技術投資支援の基金に€1B、サプライヤーによる生産ライン適応支援に既存の刺激基金から€2B、2021年末までに50,000箇所の新しい公共充電ステーション設置、2022年末までにガソリンスタンドの25%、2024年末までに50%、2026年末までに75%で急速充電設置。

◎◎◎ 日本の動向 ◎◎◎

★ 経済産業省は約15年間で「100% Electrification」を目標とし、ガソリン車を新車市場から徐々に排除する計画。

◇ 年末までに公式目標を発表することを目指している。
◇ 但し、ハイブリッドモーターが搭載されている限りガソリン車の販売が許可される。即ち、実際にはガソリン車を禁止しておらず、最近発表された中国のガソリン車禁止に似ている。
◇ JAMAのデータによると、昨年はp-HEVとEVの両方の登録が前年比で減少した。

★ 日本の主要企業は、事業とポートフォリオをクリーンにする動きを見せており、40以上の主要な日本企業が、事業運営に100%再生可能電力を利用することを約束しているが、その大元の電力源をクリーンなものに変更しなければ、産業を失うリスクがある。

◇ 日本はほぼすべての燃料を輸入している一方、運輸、産業、生活に於ける二酸化炭素排出が減っているにも関わらず、発電部門の排出量は増加している。
◇ 日本は、政府のエネルギー環境政策が間に合っておらず、某かのクリーン発電を見つけないと、産業を失うリスクがある。たとえばソニーは、日本の行政改革大臣にクリーンな電力を調達できない場合は工場を日本から移転する必要があると語った。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla) ◎◎◎

★ ベルリンギガファクトリーの労働者確保にドイツの労働組合はTeslaと戦う準備をしている。

◇ ドイツ最強の労働組合であるIGメタルは賃金と労働条件の集団的規制についてTeslaに連絡しているが、Teslaは対応していない。
◇ Teslaは、ドイツでの製造に最終的に10,000人以上を雇用する予定。
◇ 米国でTeslaには従業員組織があり、誰もがストックオプションを提供され、ベンチャーの一部の所有者になると信じているため、従業員にとって組合がない方が良いと主張している。

★ 株価が記録更新を続ける中で、Elon Muskは他自動車メーカーを買収する事にも議論の余地はあると述べた。

◇ TeslaはかつてトヨタとDaimlerから投資を受けており、彼らのために電動パワートレインを製造していた。
◇ Daimlerは2014年に、トヨタは2017年にTeslaの株を売却し、それ以来、Teslaは他の自動車メーカーと規制クレジットを販売する以外にいかなる種類のパートナーシップも持っていない。
◇ Elon Muskは「(積極的に)敵対的買収を開始するつもりはないが、誰かがTeslaと合併するのは良い考えだと言ったら、Teslaとしてはその会話をするだろう」と述べた。

★ Elon MuskはTesla社員に利益に集中するように、さもなければ 株価はすぐ簡単に押しつぶされると警告した。

◇ Teslaの株価は、財務ファンダメンタルズを反映していない。市場は、Teslaが目覚ましいペースで成長し続け、将来的に強い利益をもたらす事に賭けている。
◇ しかし、いずれかの時点でそれが起こらないと株式市場が判断した場合、株価は一気に下落する。
◇ Teslaは過去5四半期連続で利益を出したが、それはわずかであり、多くの場合、規制からの排出権クレジットに依存している。
◇ バッテリーデーイベントで、新しいバッテリーセルを搭載した$25,000のEVを市場投入する考えを表明したが、約3年先の安価な車両に至るまで、MuskはTeslaに社内でセントレベルまでコスト削減に注力してもらいたいと考えている。

◎◎◎ EVの動向 (VW) ◎◎◎

★ VWのCEOも労働組合と対峙している。

◇ CEOは大規模な自社をより機敏に動けるようにすることに対して労働者代表が会社に強い影響を与える点を非難した。
◇ CEOは古い皮殻で覆われた内部構造を解体する。創業者ファミリーの一部や、20%の株式を保有する同社の2番目に大きな株主であるドイツのLower Saxony州など、労働組合を擁護する圧力グループが存在する。
◇ 労働組合との新たな戦いは、今後5年間で記録的な€73B($87B)をテクノロジーに費やすVWのTeslaへの挑戦を無にする可能性がある。

★ VWは内燃機関のクルマを淘汰させるために、小型EVの開発を急ぐ。

◇ 排出ガス規制の強化と多額の補助金がEVの販売を後押ししている背景から€30,000($35,800)未満の小型EVの開発を加速している。
◇ Covid-19のパンデミックが依然として市場に影響を及ぼしているにもかかわらず、大量のGolfとPassatのHEVモデルの需要が急増していることから、VWの受注は高くなっている。

★ VWのID.3の売上が欧州EV市場で急伸している。

◇ VWのID.3は、市場に出てから数か月後に欧州のEV販売チャートのトップに上がり、Renaultのモデルをわずかに上回り、TeslaのModel 3をModel 3を大きく打ち負かした。
◇ Teslaは9月に他のすべてのEVを大幅に上回ったものの先月Model 3の登録がわずか834台であった。

★ VWは$177Bの投資計画の中で、テック向けの比率を拡大する。

◇ VWは、今後5年間で、EVとソフトウェアへの投資のために€150B($177B)の予算の大部分を確保し、Covid-19のパンデミックが市場を襲う中、構造型産業の変化を乗り切るための技術支出を強化する。
◇ EV、自動運転、および関連する将来の技術への投資は、約€73Bに上り、2025年までの予算の半分を占める。これは、1年前に計画されていた投資の40%だった€60Bからの増加。
◇ デジタル化への投資を2025年までに約€27Bに倍増する。

◎◎◎ EVの動向 (GM) ◎◎◎

★ GMは予算を35%拡大し車種を30に増やし、EVへの賭けを拡大する。

◇ GMはEVにより大きく賭け、2025年までに$35,000以下のEVを含む10モデルを追加し、30車種のバッテリー駆動モデルを導入するためにEVへの支出を$7B増やして$27Bにする。
◇ GMはLG Chemと共同開発した電力密度を高めた第2世代のUltiumバッテリーパックの製造コストを60%削減して、5年以内にEVがガソリン車とほぼ同等の価格を達成できることを目指している。
◇ 一方、VWは先週、新技術に約$86Bを費やす計画であり、そのほとんどがEVに向けられると語った。

★ GMはEVを売る気が無いディーラーに最後通牒を出した。

◇ Cadillacブランドは2030年までに完全に電気化する可能性があると述べ、いくつかのディーラーから反発を受けている。
◇ 一部のディーターはGMが必要とする充電器、工具、トレーニングに少なくとも$200,000を費やす準備ができていない。彼らは11月30日までにその投資をするか、Cadillacのディーラーを止めるかを決める必要がある。
◇ すでにCadillacブランドの規模に対してディーラーが多すぎると考えているため、この問題を解決策に変え、GMはEV販売に投資したくないディーラーに、月末までに最大$500,000の和解金を受け取りCadillacのディーラーを辞めることを提案している。

★ GMはトランプ政権のカリフォルニア州の燃費効率基準設定に対する戦いから離脱する。

◇ 大気浄化法(Clean Air Act)のもと、カリフォルニア州は歴史的に独自に排出基準を設定することが許可されてきた。
◇ GMは現在、気候変動と戦うためにEVへの移行を早めるというバイデン次期大統領の計画に沿っている。

★ GMがEVでFordに先行している5つの理由。

◇ 長年に渡るGM対Fordの抗争において、EVではGMがFordよりも下記5つの理由で優位に立っているとMorgan Stanleyは述べた。
 1.GMはEVに全てを掛けている、
 2.GMはEVと自動運転(AV)に$27B費やす一方、Fordは2022年までにEVとAVに$11.5B費やす。
 3. GMは、HEVをバイパスして、BEVに直接移行する。
 4. GMは、EV戦略に「より垂直統合されたアプローチ」を採用した。
 5. 2030年までに、EVはGMのボリュームの27%、収益の40%、および利息と税金を差し引く前の収益の54%を占めると予測している。一方、FordのEVは、販売台数の17%、収益の22%、利益の32%を占めると予測している。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla、VW、GM以外、及び一般情勢) ◎◎◎

★ ハイブリッド(HEV)は純粋なEVより売れている。

◇ 2019年の米国でのHEVの販売は、2018年から17%増加、欧州連合では22%上昇した。中国では、日本ブランドがHEVの販売を約30%増加させ、市場で最も急速に成長しているセグメントの1つとした。
◇ 対照的に、EVの売上高は、2018年から2019年に6%増加したのみで、前年の2桁の成長を大きく下回った。
◇ 2022年までに500を超えるEVモデルが世界中で利用可能になると予想されており、多くの従来の自動車メーカーは、現時点から内燃機関から完全に離脱するまでの数十年間にどの技術が支配的になるのか選択肢を検討している。

★ BMWはフラグシップのiX EV SUVを300マイルの走行距離で市場投入。

◇ 第5世代スケーラブルEVテクノロジーを搭載した最初の車両となる。
◇ 2019年にこの前身であるiNEXTコンセプトを発表したとき、車両にレベル3の自動運転が装備されることを示唆していたが、今回の発表から欠けている。これはレベル3の運転を取り巻く法的および規制上の泥沼状態を考えると、おそらく賢明な動きだ。
◇ ミュンヘンの主要工場にEVアセンブリを追加するために€400M($475M)を費やすと発表。2022年末までに、BMWのドイツのすべての工場で少なくとも1車種のBEVが生産される予定。

★ トヨタがBEVの第一歩として、新しいSUVを”発表する”と発表。

◇ 今後数ヶ月以内に、欧州市場向けに次期e-TNGAプラットフォームをベースにしたBEVの新しい中型SUVを発表する。

★ 日産も、トランプ政権のカリフォルニア州ルールに対する訴訟から離脱。

◇ これはジョー・バイデンが2020年の大統領選挙で勝利して以来、急速に変化する燃費規則の政治の最新の兆候である。
◇ かつてGM、トヨタ、FCAはトランプを支援したが、GMは既に抜けた。
◇ EV化が遅かったFCAも2025年に欧州では約1500万台のEVとp-HEVがあると予想しEVシフトを真剣に考えている。

★ 日産はピックアップトラックのEV化の為に米国スタートアップと話をしていると言われている。

◇ 匿名の関係者によると日産は、Titan Pickup用にHercules EVからバッテリー式パワートレインを購入し部品を共有する事を検討している。
◇ 日産は、競争の激しい米国のフルサイズトラック市場で成功したことはなく、Titanの需要は昨年38%急落し、今年は9月までさらに24%減少して19,403台になった。(業界をリードするFord Fシリーズが同期に11%減少し589,034台)
◇ FCAのMike Manley CEOは、かつてバッテリー駆動のRAMピックアップを製造する可能性をほのめかしたが、今年初めには売れるかどうかまず市場を見てから決めると言った。

★ Nioが成長速度を上げ、株価が1000%上昇した。

◇ 1年前、Nioは現金と売り上げの減少により、壊滅の危機に瀕していた。これが2020年の株価は11倍上昇しGMの市場価値を超えた。
◇ EVのテクノロジーの実行可能性に対する懐疑論は、NioやTesla等の勝者を選ぶ競争に変わった。
◇ Nio ES6 SUVの販売開始価格は約$54,000で、Teslaの人気のあるModel 3より約1/3高い。しかし、Nioはバッテリーオプションで革新を続けており、リースやアップグレードなどのサービスを提供してNioの所有コストを削減する。

◎◎◎ EVバッテリーの動向 ◎◎◎

★ Teslaの需要によりLG Chemはバッテリー生産を2倍以上に拡大する計画。

◇ LG Chemは来年$500M投資して、Model 3とModel Yで使用する特定フォーマットの2170形円筒バッテリーセルの年間生産能力をTeslaギガファクトリー上海の近くの南京工場で8GWh増加させる。
◇ 少なくとも100,000台のModel 3およびModel Yの車両の生産台数に相当。
◇ LG Chemは、中国の他に、ドイツと米国でのTesla車の生産をサポートするために、韓国での生産能力を増強することも計画している。

★ GMは発火の危険性からLG Chemのバッテリーを積んだ68,000台のChevy Boltをリコールする。

◇ バッテリーが完全に充電された、あるいはほぼ完全に充電されたBoltで火災が少なくとも5件発生し、そのうち3つは、NHTSAによって調査中。
◇ バッテリーは韓国OchangにあるLG Chemの工場で製造された。
◇ EVが内燃機関の車より発火しやすいという証拠はないが、より多くのEVが道路に展開されるにつれて、このトピックはますます精査されている。

★ LG Chemは発火の報告をうけ、家庭用バッテリーシステムをリコールする。

◇ LG Chemは、過熱して発火する可能性があることを懸念して、米国の家庭用エネルギー貯蔵バッテリーの一部モデルを自主回収している。
◇ LG Chemは昨年爆発により数人の負傷者を出したアリゾナの電力会社にバッテリーを供給している。その電力会社は、火災の原因はセルの欠陥にあると述べているが、LG Chemは異議を唱えている。
◇ LG ChemはEVでもいくつかの悪い報道を受けた。そのバッテリーセルは、バッテリー火災としてGM以外にもHyundai Kona EVとChevy Bolt EVの2つのリコールに関連している。

◎◎◎ 自動運転の動向 ◎◎◎

★ Uberがかつて利益を出すための鍵であると信じ、数億ドルを費やしてきた自動運転車プロジェクトをAuroraに引き渡す。

◇ UberがAuroraの26%の株式を取得した上で、$400Mを投資し、UberのKhosrowshahi CEOがAuroraのボードメンバーになり、自動運転技術が実際に展開可能になったときに、Uberが市場で利用可能とする道を残す。
◇ 一方、AuroraのChris Urmson CEOは、Auroraの最初の製品はUberの配車サービスに役立つロボタクシーではなく、トラックになると述べており、Uberとの今回の契約でそれを変えることはないと言った。
◇ Auroraは2020年7月にテキサスに拡大し、FCAのPacificaとクラス8トラックを組み合わせてダラスフォートワースエリアで商用ルートをテストすることを計画していると発表している。

★ Elon Muskは来年「一部の管轄区域」で完全な自動運転を提供出来ることを「非常に確信している」。

◇ 最近のTeslaのFull Self Driving βのアップデートにより、完全自動運転システムのリリースに関するMuskの予測の信頼性は増している。
◇ Muskは、規制の状況が複雑であることを明らかにした上で、「少なくとも一部の法的に許可された地域では、来年完全自動運転が許可されると思う」と述べた。

★ ホンダは2021年Legendセダンが渋滞の高速道路を自動走行すると発表。

◇ ホンダは今週、レベル3として定義される、特定の条件下で100%の運転タスクを実行できる自動運転車を2021年3月までに大量生産すると大胆に主張した。
◇ 車両がほとんどの運転を実行している状況で、ドライバーが注意を払い続ける必要があることで、レベル3は潜在的に危険であると見なされ、ほとんどの自動運転開発企業は、レベル3をスキップし、レベル4技術のみに取り組んでいる。
◇ レベル3は、法律、規制、およびビジネス関連の課題の泥沼の中に存在する。

★ カリフォルニア州でロボタクシーの有料サービスに青信号が出た。

◇ 先週、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は、自動運転オペレーターが州内で独自のロボタクシーを起動できるようにする2つのプログラムを承認した。
◇ 2つの新しいプログラムとは、ドライバーの居る自動運転車配備プログラム (Drivered Autonomous Vehicle Deployment Program) とドライバーの居ない自動運転車配備プログラム(Driverless Autonomous Vehicle Deployment Program)。
◇ 現在、60社がカリフォルニアで安全運転者と自動運転車をテストするためのライセンスを持っており、Cruise、Waymo、Nuro、Zoox、AutoXの5社のみ、公道で人間の安全運転者が運転していなくても、完全自動運転車をテストできる追加の許可も取得している。

★ Hyundaiが支援しているMotionalがラスベガスで完全自動運転車を投入。

◇ HyundaiとAptivの合弁事業の完全自動運転車オペレーターMotionalは、ラスベガスで完全無人運転車のテストフリートを展開する認可を受けた。
◇ 合弁事業としてのMotionalは、2020年3月にHyundaiが自動運転車の分野でライバルに追いつくために$1.6Bを費やすと発表した際、同時に発表された。
◇ Motionalは「私たちは公道での無人運転は最短最速のルートをとるわけではない」、「私たちは安全なルートを選び、横断歩道を超えるにはまだいくつかの追加手順が必要だ」と言う。

◎◎◎ MaaSの動向 ◎◎◎

★ 中国のDidi ChuxingとBYDが世界で初めてライドヘイリング専用のD1と呼ばれるEVを設計した。

◇ DiDiは、5億5000万人の登録乗客と3100万人のドライバーから収集したデータを使用してD1を設計したと述べている。
◇ ダッシュボードには中型のディスプレイがあり、両方のヘッドレストの背面には、乗客がナビゲーションやその他の情報にアクセスするための2つのタッチスクリーンがある。
◇ 車線逸脱警報、自動ブレーキ、歩行者衝突警報を含むレベル2の運転支援システムが付属する。また、ドライバーがハンドルを握り、道路に集中し続けることを保証するドライバー監視システムもある。

★ CruiseとWalmartが無人配達で提携。

◇ 来年初めからアリゾナ州スコッツデールのWalmartから、Cruiseのロボカーが、顧客の家に注文を運ぶ実験をする。
◇ 世界最大の小売業者であるWalmartは、WaymoやスタートアップのNuroとも同様の自動運転車のテストを行っており、買い物客が店まで車で行く必要がない未来に備えている。
◇ Walmartは、最近自動運転車のスタートアップであるZooxを買収したライバルの小売大手Amazonと市場シェアを争っている。

★ SoftBankはE-ScooterのスタートアップTierへの$250Mの投資をリードしている。

◇ SoftBankのVision Fundは、米国の巨人であるBirdとLimeの最大のライバルの1つであるドイツのeスクーターレンタルスタートアップTier Mobilityへの$250Mの投資を主導している。
◇ Tierは、欧州の80の都市に約60,000台のe-スクーターを設置した後、利益を上げていると述べている。
◇ Northzone、RTP Global、White Star Capital、アブダビの政府系ファンドの1つを含む既存の投資家も資金調達ラウンドに参加した。

◎◎◎ その他 ◎◎◎

★ 多くのLiDAR企業がSPAC(Special Purpose Acquisition Company:特別買収目的会社)を利用して上場する可能性があり、現在SPAC企業自身の株価も上がっている。

◇ SPACのGores Metropoulosを逆合併した後に上場した先進的LiDARのスタートアップLuminarの株価は数日で2倍になった。
◇ 今後、多くのLiDAR企業がSPACを利用して上場する可能性があり、Collective Growth CorpやInterPrivate Acquisition CorpなどのSPAC企業の株価も上がっている。
◇ 同時にLiDAR企業の老舗Velodyneの株価も月曜日に16.5%急上昇し、3か月間の平均ボリュームの2.5倍を上回った。

★ Consumer ReportsはTeslaやTaycanにダメ出しをし、EVにとって挑戦となる。

◇ Model YとModel Sの両方の平均以下の信頼性評価となり、TeslaはCosumer Reportのランキングで最後から2番目になった。
◇ Porsche Taycanは、難しい接続性とインフォテインメントのために推奨を得られなかった。Audiのe-Tronも、ドライブシステムと電源装置の欠陥のために「平均よりはるかに悪い」と評価された。
◇ マツダは、トヨタやレクサスと同様、控えめな変更のみを行ったことで、初めてランキングでトップとなった。

★ Jeff Bezosは684億ドル分のAmazon株を非営利団体に寄付。

◇ Bezosは2月に、気候変動と戦うための$10Bの地球基金を発表した。
◇ ブルームバーグ億万長者指数によると資産$183.6Bと見積もられる彼の財産から、今年に入って$856M相当の株式を譲渡した。
◇ Bezosは今年Amazonを景気よく売っている。今月初め、彼は$3BのAmazon株を売却し、今年の売却益は$10Bを超える。


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