知財技能士の活躍:中小企業診断士理論政策更新研修講師
2018年12月15日、中小企業診断士を対象とする研修の講師として、知的財産管理技能士の大久保国明さんが登壇しました。
この研修は一般社団法人 中小企業診断協会が企画・開催するものです。
理論政策更新研修(4時間の研修)は、更新要件のひとつである「新しい知識の補充に関する要件」として実施する研修です。登録有効期間5年間で5回修了することが必要です。
(一般社団法人 中小企業診断協会ウェブサイトより引用)
当日は約250人もの中小企業診断士の方が参加するという大規模な研修。第一部では国家施策と企業支援について、そして第二部では知財について学ぶという構成でした。この第二部のパネラーとして、中小企業診断士協会さまから企業で活躍する知財技能士のご紹介依頼をうけ、知財技能士会から大久保さんをご紹介して登壇したという経緯です。
大久保さんはじめご登壇者は以下の方々。写真右から、
・ののじ株式会社 代表取締役 高部夢宙さま(ウェブサイト)
・株式会社TJMデザイン 特許グループマネージャー 大久保国明さま(ウェブサイト)
・インフォストラテジー特許事務所 代表 尼崎浩史さま(ウェブサイト)
・特許庁 産業財産権専門官 鈴木隆久さま(ウェブサイト)
この研修では、企業として、弁理士として、特許庁としてというそれぞれの観点から、現場で起こりうる知財の課題や専門家に求められる役割などを語っていただく企画で、参加者によるワークショップなども交えた研修でした。
ご参加の中小企業診断士のみなさんの中で知的財産管理技能検定を知っている方はごくわずか。クライアントから知的財産に関する相談を受けたことがある方は大体1割程度いらっしゃったようで、相談経験の有無問わず、知財を検索できる特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を使ったことがあるという方はやはりそれ以上に多くいらっしゃいました。中小企業診断士の試験範囲には「経営法務」の科目があり「知的財産権に関する知識」も問われますが、実際にコンサルティングで活用しているという場面はまだ少ないのかもしれませんね。
知財技能士の大久保さんからは知財技能士になるとなにができるのか、どんなメリットがあるかという価値についてのご紹介のほか、知財技能士と中小企業診断士との協業の可能性についてもお話しいただきました。
知財技能士はどうしても知財中心で考えてしまうという方も多いところ。知財という共通言語をもつ中小企業診断士が知財技能士のいる企業にコンサルティングに入ることで、知財も経営もどちらもバランスよく見ることができ、企業の経営に大きく貢献できる可能性が高まりますね。
特許庁産業財産権専門官の鈴木さまからは、知財技能士の皆さんなら一度は観たことがある中国経済産業局の学習コンテンツ「もうけの花道」のご紹介のほか、海外、特に中国などの参入の激しい中で中小企業が知財を武器や防具にすることのメリットなどをご解説なさっていました。
この研修を機に知財技能士と中小企業診断士が協力して企業を強くする事例が増えたり、また中小企業診断士の方が強みの一つとして知的財産管理技能士の資格を取得していただくなど、知財がより経営に役立つ機会が増えるとよいなと考えます。これからも知的財産管理技能士会ではこのような講師派遣など知財技能士が活躍する場を増やしてまいります。知財技能士の社内外での活躍にご興味がある、または知財教育に課題を感じている企業・団体の方はお気軽にお問い合わせください。
※この記事は知的財産管理技能士会事務局(知的財産教育協会)が執筆・編集しています。
※この記事でご紹介した研修は中小企業診断士を対象とした研修です。一般の方は参加できません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?