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「老い」を恐れない生き方

みなさん、こんにちは。
最近、仕事をしていたり、日常生活を送る中で、「老い」を意識する場面が急に増えてきました。白髪の数だったり、疲れやすくなったり。
昔だったら「一日寝たら治るだろう」と思っていた症状が治らず、病院への通院の回数も増えてきています。
そんな「老い」を感じていたタイミングで、よい本に巡り合えたので、皆さんにご紹介したいと思います。


今回参考にした書籍は、谷本 真由美さんの「世界のニュースを日本人は何も知らない」です。本書は、谷本さんご自身が、元国連職員という立場で「世界の中の日本」を知り、そして得た知見を、わかりやすく伝えてくれている良い本です。何より読みやすい。お勧めです。

ヨーロッパの「老い」に対する価値観

日本は、ヨーロッパに比べて、若いことをよしとする考えが極めて強い国だそうです。たしかに、「いかに若さを保つか」という関心は、私の周りの、特に女性の間でもよく話題になり、化粧品売り場ではアンチエイジングという言葉を見かけます。

30~40代の人が「私は中年だから」、「もう年だし」とよく言いますが、そのような発言は「ヨーロッパでは驚かれてしまう」らしい。
欧州では若い人の立場の方が弱く、年を重ねた中年以上の人は、引け目だと感じず、堂々としているそう。
ヨーロッパでは、歴史の長い建物が大事にされることが多いのですが、これは人間に対しても同じだそうです。

さらに昨今では検査機器やデータ処理技術の発達でより多くのことが判明しています。心理学者のレイモンド・キャッテルによる「知性は結晶性知能と流動性知能に分けられる」という発見も、そのうちの一つです。
結晶性知能は長年にわたる経験及び教育や学習などから獲得していく知能で高齢になるほど高まっていく。
一方、流動性知能は瞬発力や記憶力、集中力といった能力であり、こちらは加齢とともに衰える。そのようにキャッテルは述べています。
つまり、知性や社会的スキル、語彙力といった結晶性知能は、加齢とともに高まっていくので、意思決定や外国語学習には、実は中年以降の方が有利なのです。
真の知能というのは決して一面的なものではなく、周囲との関わりや会得の積み重ねなど、様々な経験を組み合わせたものであり、単なる知能検査で計測できるようなものではない、極めて総合的で複雑だ、と指摘しているのです。

世界のニュースを日本人は何も知らない より

「外国語取得は中年以降のほうが有利」とは知りませんでした。
歳を取る=様々な能力も衰えていく、と思われがちですが、事実はそうでもないらいしい。日本人に刷り込まれた思い込みなのかもしれません。

何でもかんでも若ければいい、新しい方がいい、という日本人の価値観が
いかに視野の狭い、馬鹿げたものか、お分かりになったことでしょう。
年を重ねていくことを、ネガティブな感情でとらえて、人生を楽しめない
なんて、もったいないと思いませんか?

世界のニュースを日本人は何も知らない より

私も年齢を重ねることに、漠然と恐れを感じていましたが、ヨーロッパの価値観を知って、人生の後半戦をどのように生きるかを考えるようになりました。「老害」にはなりたくないですが、若い人に遠慮して、人生を楽しめないのは嫌ですよね。

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