あぁ、救われたい。

私は救われたい、救われてるはずなのに、
救われたい、満たされたい。

今まで私は、
ずっと自分を医学で、救って欲しかった。

親の助言を基に、今日（正しくは昨日）、名医と言われる人の病院へ初診にむかった。

MRIを撮り、異常がないか、検査をしたところ、小脳（平衡感覚を司る場所）に梗塞が見つかり、
そのせいで目眩や立ちくらみの症状がでてしまっていること、
海馬（記憶を司る場所）が萎縮してしまっていることを知った。

目眩や立ちくらみの原因について知りたかったので、海馬の萎縮はまた違う問題だから今回は調べないことになったが、どうしても私は海馬の萎縮がとても引っかかってしまった。

海馬の萎縮の原因は虐待や、虐めなどストレスが溜まることにあるらしい。

そこで私は過去を思い返そうとした。

確かに、辛くて、苦しかった夜があった。
でも、海馬が萎縮してしまうほどだとは思わなかった。

悲しいことに、人生の中で湧いてきた疑問の答えが出る時はだいたい手遅れだ。

ごめんなさい、被害者意識が強いかもしれないです。十分恵まれている子供ですよね。ごめんなさい。
でも、私には何かが欠けていたと感じてしまったんです。泣いてたんです。皆が寝静まった後に。

両親の愛情の厳しさは裏目に出てしまったのかもしれない。
でも。
私には、どれだけ親を恨んだとしても、親のことを悪くいうことや咎めることなどできない。
きっと、親は彼らなりに反省している。と信じたいし、そこに悪意はない。

そもそも私は悪口によって傷ついた側の人間だ。
私たちの身体も心も見えないけれど、小さな腫瘍ひとつで人格さえ変わるほど、繊細なつくりをしている。
私の一言で取り返しがつかなくなる前に。

ああ、だから、私は。

自分の欲しい言葉をかけて欲しい。
好きな人に｢あなたは大丈夫｣だと抱きしめて欲しい。
哲学もあの美しい詩や文章も、音楽も、
ぜんぶ、ぜんぶ、私のためにあればいいのに。

そして、
私も人を救える人間になれればいいのに。
誰も傷つかせず、傷つかずに生きて行けたら。

人の話を聞くのは退屈だと思います。
でも、聞いてくれたあなたが好きです。