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#446 測定「値」に踊らされてはいけないと言う話

 アメリカの作家ジェームズ・クリアー氏の著書で、ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラーに「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣(Atomic Habits)」という本があります。

 この本は人の潜在能力を発揮するための実践的手段として「習慣化」に注目し、自己改善を目指して自身が起こした最小単位の習慣化(atomic habits)が複合的に機能することによって、その人自身の大きな変化に繋がることを生物学、神経科学、哲学、心理学などの観点から書いたものです。

本書の中で私の目に止まったのは

「測定が目標になれば、 それはもう良い測定ではなくなる」

という一節。

 本書では、行動の記録をつける負の側面として、背後にある目的よりも、数字自身を優先することであると指摘。本来、測定値は、大きな目標にガイドとして役立つはずが、その測定値自体に一喜一憂し、結果として人の心を消耗させ、本来の目的を見失ってしまう(=「グッドハートの法則」)と指摘しています。

 私たちは何かを始める時、そもそも「測定値」を目標にしてしまう傾向にある。その時点で、何かをすることの本質的な意義は失われているのかもしれません。

 学校教育においても、人はなぜ学ぶのか、という問いを真剣に考えず、テスト・資格・受験といった、ありとあらゆる「測定値」を出発点として学習がスタートし、結果、その本質を見失っている人たちが大勢いるのではないだろうかと思う(そういう私も今でも時々測定値に支配されてしまうこともある)。

 測定とは何かという問いを一度しっかり考えようと思った次第です。

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