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#274 自分の人生の「Entrepreneur(起業家)」になる心意気

 Entrepreneurship(アントレプレナーシップ)とは「起業家精神」という意味で、「仕事」を自身で生み出す意欲のことを示します。

 現在の私の活動は、世間から見ればentrepreneur(起業家)と定義されるのかもしれませんが、世間が思っている起業家のイメージのような大それた存在では決してありません。教員という職業の記号的要素に自分自身の心の限界を感じ、その後自分がやりたいことを追い求めていった結果、行き着いた場所に過ぎないのです。

 日本においては、「起業」と聞くと、とてもハードルが高いと感じるのではないでしょうか。実際、私もそう思っていました。しかし、実際には、ある意味自分の心と同居するものであり、一番身近な感覚であるとも言えます。

 もちろん起業をするために困難があることも事実。経済的スタミナも必要だし、精神的な不安と常に向き合う必要があります。しかし、前述したように「起業」は、自分の心のありようそのもの。自分のやりたいことが出発点になり、だからこそ、嫌なこと・苦手なことがあっても、自分自身で引き受けるべきものと納得できる。「自分のありたい姿を追い求めること」と「起業」が同義であると考えるならば、それを阻むのはむしろ心理的ハードルであると考えます。

 東京都と法政大学が、笹塚十号坂商店街(東京都渋谷区)の夏祭りで実施した「かき氷屋」を通じて、中高校生向けのアントレプレナーシップ教育(起業家教育)を実施したという記事を見つけました。

 起業家教育は、起業する人を増やそうという目的があると思いますが、私個人としては本質はそこではないと感じています。起業は自分自身の「生き方」を模索し多くの学びを得る作業。自分が好きなこと、得意・不得意、戦略立案、人間関係など様々な要素を含んだ「起業」は、自分のありたい姿を徐々に明確にしてくれます。

 中高生が「起業」という経験をすることで、それ自体がキャリア教育になるし、その中で自分に必要な知識・技能・思考を獲得することができます。お客さん(相手)の目線にたち、相手が何を考え、どう行動するのかを分析する中で、相手への思いやりを育むことができるでしょう。

 私たちは自分の「人生の起業」をしていきます。ビジネス的起業家を増やすためではなく、人間的起業家を育てる起業家教育が大切です。


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