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ぼくは北九州高専の卒業生です。
いま、市民活動に携わりながら、「入門さんって、いつからそんな活動してるんですか?」ってよく聞かれます。
よくよく考えてみると、自分のルーツは高専時代にあるなと感じます。

また、不思議なことに、ここ数日で、高専に関する話題が重なって、「今日も高専の話題!?」という感じで驚いています。

せっかく気持ちが高まってきましたので!(笑)
母校、高専のことを書いてみたいと思います。


①自由な学校

少子化の波か?高専に限ったことではなく、大学でも課題になっているそうですが、今は少しずつ、過保護教育になりつつあるようですが、、

ぼくたちの頃は、
そりゃもう『自由』!!(笑)
フリーダム!!!

高専は、高校生1~3年と、大学1・2年にあたる5年生の学校です。

先生たちは、先生ではなく教官。
生徒たちは、生徒ではなく学生。

そう、大学のような感じです。
一応、高校生は制服を着ています。

でも、制服の着方が悪いからといって、特に注意されるでもなく、青春時代に違う髪の毛の色が生えてきても、とやかく言われるでもなく。当然、宿題や課外授業なんてありません。

まぁ、自由。
授業を出席しようが欠席しようが、個人の自由です。
何で休んだの?とかありません。

代返なんて当たり前。
ぼくたちは出席の返事だけしたら、ドアや窓からそ〜っと抜け出して、カラオケに行ってました(コラッ)


でも、そんなこんなでも、
成績をちゃんととれば良いんです。
欠点がひとつでもあれば留年です。

大学生4年間分までを含んだ7年間分の、勉強や研究も5年間でやってしまうから、まぁハードですよ。

毎年1割ぐらいの人が留年していきます。
成績至上主義です。
毎年、涙ながらに留年していく人たちに手を振っていました泣

各クラス40人ぐらいですが、4人ぐらいが留年し、進級したら、上から同数ぐらいが降ってきます(笑)
自由には責任がつきものです。


今でも鮮明に覚えていますが、
ぼくの推薦入試のときの課題作文が
『自由について書きなさい』でした。

中学生だったぼくは、自由に関する『権利と義務』について書いたことを覚えています。

とにかく自由。
何でもありなんだけど、
責任が伴います。
実力や成果が伴わないと落されます。
誰も世話してくれません、自分次第です。
恐ろしい学校でした(笑)



②『学生会』での活動

高校で言う生徒会ですね、『学生会』という組織がありました。

全学生は学生会の会員でありながら、学生会の活動に携わるのは、ごくごくごくごく一部。
イベントごとなどを取り仕切る学生会は超少数人数でやっていました。

高専は自由な学校だけあって、各イベントが面白い。

例えば体育祭(運動会)
徒競走でよーいドン!と鳴れば、反対向きに走る人がいたり(笑)
騎馬戦や棒倒しをしようものなら、登録している人数の倍ぐらいの人がスタンドからなだれ込んできたり(笑)
少数派の女子がセクシーなショーをするとなったら、男どもがその目前に寝そべり重なり(笑)退場して引き上げていく際には後ろから追いかけていくという、今ならNG?なのは、お約束の流れでした(笑)
運動会のメインイベントは、相撲(笑)
グランドの真ん中に土俵ができあがっています。

高専祭(文化祭)も面白い。
みんなやりたい放題。
ステージではバンドが演奏しまくっています。
各部活は出店を出して、部費を稼ぎます。

そんな各種行事を取り仕切っていくのが学生会です。
先生たちはほとんど関わりません。
基本的には最後の承認をするだけです。
企画して実施・運営するのは全て学生自身です。
もちろん、経理や広報も全てです。

ぼくも、高校3年生の野球を引退してから、学生会に引きずり込まれました。


③当時の学生会の課題

当時の学生会の課題は大きく2つ。
(根本的には1つなのかもしれませんが。)

まず、
学生たちがこの学校への愛着が薄いこと。

次に、
学生会への協力者が少なすぎること。

体育祭や高専祭をしても、
学生自体の参加が少ないんです。

平日にやっていた体育祭は出席の返事だけしたら帰る人多数。
土日に実施する高専祭では、そもそも来ない。

イベント行事では冷めた目で見る学生も多く、母校愛なんて無い。という感じだったでしょうか。

そんな雰囲気だったため、
学生会での活動も少数であり、
少数であるが故に、参加・協力者も出てこないという悪循環です。

あれ?いまの町内会やPTA問題と同じですね。

これを打破していくのが、ぼくたちの課題でした。
野球部の恩師が学生主事でしたので、この辺りを打破せよというのが、ぼくに与えていただいた使命でした。



④みんなを巻き込んでいく

ぼくたちの学生会活動では、
より多くの人を、プレイヤー、内側の存在として巻き込んでいくことを意識していました。

まず、仲の良い友達から一緒にやろうぜって引きずり込みます。
同じアホなら踊りゃな損という感じで、
内側にいるほど楽しいものです。

より内側にいる人が増えるほど、そのまた仲の良い学生の輪が拡がっていきます。
今まで、ツーンとして、こんな活動に関わらないようなヤツをキーパーソンとして狙いを定めて、交渉して、役割や責任を与えて、引きずりこんでいきました(笑)

これを繰り返していくうちに、学生会じたいの協力者が増えていきました。
「学生会に入る or 入らない」というような垣根もなく、
学生会の運営への協力者が多くなっていきました。

現在でいう、『協働』なんて言葉は当時は知りませんでしたが、
感覚的に、大切なことを学び得て、実践していたように思います。

体育祭では、企画を産み出す段階から色んな人に任せたり、
より盛り上げれるように、各学科の団長はじめ、多くの人に葉っぱをかけていきました。
土曜日開催にして、地元の友達や保護者も見に来れるように変えました。
外部にも見られるから、その分、ちゃんとしなければなりませんよね。

高専祭では、多くの人がステージに立つと、その分、取り巻きの観客が増えます。
全クラス、全部活がステージに立つようなステージイベントに内容を変えました。
全クラスの展示イベントを回れるようにスタンプラリー形式も取入れました。
各部活が出している出店は全て200円以下にしてもらいました。

クラス展示が充実したものになるように、企画段階から各クラスを労っていき、応援しました。良い企画には、良い場所や予算を追加したりして、頑張ってもらいました。

体育祭も文化祭も大成功。
みんなそれぞれで頑張ってくれ、手を抜くようなことはありませんでした。

徐々に、
着々と、
学校の雰囲気が変わっていくのが分かりました。

『文化が変わる』っていうと大袈裟すぎるかもしれませんが、
その様子を目の当たりにしてきました。

とても達成感のあることでした。


⑤象徴的な『手形文字』

高専祭の準備を進め、
仲の良い友達から仲の良い友達へ。
ステージやクラス展示や部活バザーに関わる人が増えたら、その取り巻きが増えていき・・・という作戦も着実に進ませました。

でも、、、、

全員じゃないよな?

『全学生が参加できる何か?』
は、できないものだろうか・・・。

夜な夜な、みんなで議論した末に実施することとなったのは
『手形文字』!!

1m幅のロールの布を買ってきて、
9m×9mの一枚の布にします。
女子学生を中心にせっせと縫ってくれました。

バレーボールコートと同じサイズです汗

これに、『祭』という文字を書きます。
まずは、ビニールテープで縁取っていきます。

字の上手いヤツが上から見て、地上の字が下手なテープを持ったヤツに指示をします。
もうちょい上!もうちょっと右!
微調整の末、テープでの『明朝体』の文字が仕上がりました。

全クラス、強制的に動員して(笑)
昼休みなどで順番に、墨で手形を付けていってもらいました。

1,000人の学生だけじゃなく、専攻科の先輩方、教官、事務方の皆さん、掃除や学食のおばちゃんたちにも声掛けしました。


高専祭の日、
4階から、『せーのっ!』で降ろしました!

1階の天井部分まで来る『祭』の手形文字。

学校の坂の下からも見える位置にしました。
当時は目にした新聞記者さんからも取材を受けました。

約1,200人による手形文字『祭』

よくよく見ると手形になってるでしょ。

自分のはアソコだって、みんなが見上げてくれました。

土日の高専祭もみんなが来てくれました。


半ば強制的な動員だったかもしれませんが、
こうして『祭』や学校をつくる一員として、
みんなに参加してもらって、

携わったことが、次の参加する動機になります。

こんなアイデアを、自分たちで主体的に実行していき、
学校の雰囲気、文化をつくっていくことができたと思います。


今の活動から照らし合わせると、
当時の自分を褒めてやりたいほど、
全く同じようなことをやっています。

何か戦略をうって巻き込むきっかけをつくって、
声をかけて、ともに主体的な『協働』を生んで、
最終的な目標としては、自分の学校への愛着を深めていくこと。

ぼくの今の活動などの『ルーツ』はここにありました。


誰かがしてくれるでもなく、
自分たちが主体的にすること。

自分たちが主体的に行動することで、
変えることが不可能なような、文化さえも変えていくことができること。

そんな素晴らしい成功体験を学生の頃に学びました。
今の、市民活動、地域活動に活かされています。


とりとめもない思い出トークになりましたが、
ここに書き落すことができて良かったです。

今年の高専祭も楽しみです。
地元の子ども達がいっぱい来る、とても楽しい学園祭ですよ。


今日もご覧いただきありがとうございます。


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