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ノーギャラの仕事は悪なのか?

SNSでよく見かけるこの話題。そしてほぼ100%の割合で「ギャラ無しの仕事は引き受けるな!」「やり甲斐搾取だ!」という正論で埋め尽くされます。あたりまえといえばあたりまえな話なのですが、あたりまえな話がなぜ話題になるのでしょう?あたりまえな話なら話題に上るわけがないですからね。

そこにはやはりそれでも繋がりを求めて、つい引き受けてしまうビギナーの受注者さんたちがいるからです。

今日もネットニュースで話題になっていたのですが、「学校行事などの写真撮影をする業者は、日給2万円で5000枚ほどの写真を撮影しなければならなくなっていて、仕事として成り立たず人材不足」というニュース。ここで問題なのは、「人材不足」が問題になっているところ。勘違いも甚だしい。正気を疑ってしまうほどの勘違いです。

ここで問題にすべきは、そのブラックさ。こんなブラックな案件が普通にまかり通っているところを、消費者庁なりがメスを入れるべきなんです。

ちなみに私がお引き受けするなら、交通費と機材費、日当あわせて55,000円。宿泊費別。納品物としてSDカード現場渡し(当然レタッチ無し)でカード1枚につき1500円計算。印刷現像して写真として納品なら写真1枚につき50~100円程度。60,000円前後がベースとなって、その他生徒さん1人につき30枚ほど写真をお買い上げいただけるとして、3,000円×生徒数が、次回次々回お引き受けするかどうかを判断する基準となります。

こう考えるとけっこう高額な感じもしますが、実際問題としてこのくらいはないと、機材の減価償却ができず、薄利なうえに機材が壊れたりしたら大赤字になってしまいます。

なので、「日給2万円で5000枚ほどの写真を撮影」という案件を受注してしまっている段階で、その業者は動けば動くだけ赤字まっしぐらなわけです。シャッターを押せば押すほど壊れるまでのタイムリミットを刻むわけで、明日の事よりもまずは今日の晩御飯代を稼ぐことで必死な状態というわけです。そこに付けこんだ悪質な案件が普通にまかり通っているということですね。

さて、話を戻します。

このようなニュースを聞いてしまうと、「ギャラ無しの仕事」はどう考えても「悪」でしかないようにも思えますが、実はそうではないんだよ…というお話しを今回はしたいと思います。

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鉄の扉を開けてみた

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