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140字小説【それが聞けてよかった】

「元気なうちに聞いておけばよかった…」病室のベットで娘の私に見守られ、いつ息を引き取っても不思議でない容態の父。急に目を見開き、何かを訴えるように口を動かし、力尽きた。咄嗟に口元を注意深く観察した私はニヤリとした。「座布団」確かにそう言った。父愛用の座布団から出てきたヘソクリ。

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