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140字小説【男が売ろうとしたもの】

蚤の市を見にきた私はある店の前で足を止めた。商品は何一つなく、意味不明な言葉を呟く男が座っている。男の前には魔法陣のような模様の古びた絨毯が敷かれていた。私は暇で油を売っているのかと思ったが、突如、絨毯の上に悪魔が現れ「私を呼んだのはお前か?」と言った。男は魂を売ろうとしていた。

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