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著者も編集者も全部ひっくるめて、箱推しできる”百万年書房”

かっこのよろしい本をつくっている一人出版社「百万年書房」の代表・編集者の北尾修一さんの日記シリーズ。

第二弾「調子悪くて当たり前日記」

一言で感想を述べますと、二十数年生きてきた私の最も暗黒だった時代を思い出すことになり、
「あれ、思ってたのと違う感情が溢れすぎて、揺さぶられ過ぎてるぞ」でした。
(ん? これ一言で収まってる?)

前作の「自分思い上がってました日記」は今年の6月にがん宣告を受けたところから、手術前までの日記。


今回の続編は手術直前から今年10月までの日記です。

よって、術後の経過や、編集者という仕事をしながら闘病しているシーンが多くなり、私自身がOLをしながら家族の看病や介護をしていた20代前半の記憶が呼び起こされました。
私が病気になったわけではないので、烏滸がましいかも知れませんが...

家族にほぼ末期がん患者が二人いたので、闘病している姿を間近で見ていたし、患者仲間の皆さんのお話も聞いていたので、それがフラッシュバック。

長くなりすぎるので詳細は省きますが、一つだけ。

一番堪えたエピソードは、患者仲間さんとその娘さんのお別れ。
高校生の娘さんの成人式の晴れ着姿が見れない可能性が高いから、少し早いけど晴れ着姿で一緒に写真を撮っていたお母さん。

そのお母さんのお葬式に行った時、大雨の中、
高校生の娘さんは泣き喚くこともなく、少し猫背気味で、ちゃんと自分の足で立って、歩いている姿を見た時に

「この子に少しでも喜んでもらえるような、楽しんでもらえるような仕事をしよう」

と思いました。たぶん昨年の5月。

「お世話になった方のお葬式に行きたいので明日、半休ください」と当時の会社の上司に連絡したら、

「もう少し早めに言ってほしいですね」とだけ返ってきたので、全休しました。

こんな会社では、あの子に喜んでもらえる仕事は出来ないと思い、3ヶ月後に退社。

こんな感じでいろんな記憶が蘇り、「おおおおおおあ」と唸りながら読みました。

ここまで読むとちょっと重い内容なのかな......と不安になられた方、ご安心ください。

声を出して笑ってしまう箇所もあります。

ピリつくような場面でもユーモラスな逃げ道をつくる北尾さん、最高だなと思いました。
知人Jの部分です(苦笑)
※知人Jは私ではありません。もう一度言います、私は純子ですが、知人Jは私ではありません。

北尾さんがこれまで生きてきた中で培った哲学的な要素も入っていて、これはもう非常にいい本だと思いました。
1,320円(税込)は安いなと。

(最後のページとか泣いてもうたもんな……)

共感できる部分も多々あって、滅多に本に付箋を貼らない私ですが、今回は貼りまくりました。

あと、見どころ?  というか、読みどころは百万年書房の著者さんのいい人率の高さ。
そして、著者さんや編集仲間や書店から慕われている北尾さんの人望の厚さ。

私がこの本の帯を書くとしたら、
「著者も編集者も全部ひっくるめて、箱推しできる"百万年書房”」です。

まだまだ、かっこのよろしい本つくってほしいと心から思います。

ということで、微力ではありますが、箱推しできる百万年書房さんをこれからも応援していきたいと思いますので、皆さまもぜひ、よろしくお願いいたします。

※最後のページの投げ銭、心よりお待ちしております!
※私にマージンは入りません。


タイトル:調子悪くて当たり前日記
著者:北尾修一
装幀:木庭+角倉織音(OCTAVE)
仕様:A6/並製/本文10208p
定価: 1,200円+税
発行所:百万年書房
送料:180円

ご注文は各種SNSのDMで承ります。

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