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noteの「お題」をやる力が、仕事の役に立つとき

我々noteクリエイターは日々、 #旅する日本語 やら #ヨーグルトのある食卓 やら、さまざまな「お題」に触発されて、多彩な切り口から創文する活動をしている。

お題は、視点(松岡正剛流に言うと「注意のカーソル」)をぐりぐり動かす作用がある。日常を、記憶を、未来を、どんな風に切り取って書くのか。

そんな修行の日々が、つたえる仕事にめちゃくちゃ役立っていると感じた瞬間があった。

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あるWeb制作案件で、クライアントの経営者が「ビジョンをうまく言葉にできない、だけどWebを通じてビジョンを伝えたい」というので、同僚のディレクターが困っていた。確かに、言語化されないことを表現に落とし込む作業は、一筋縄にはいかない。

そこで、「その経営者がこだわっているキーワードを組み合わせて、実現したらよさそうな未来のストーリーを独自に書いてみるのはどうか」と提案した。


たとえば、参考に見ていたルミネのコーポレートサイトでは、「都市」と「女性」という切り口で、この会社が見ている社会の光景が語られる。

都市で暮らし、都市で働く女性たちが、もっとも「自分らしい」と思える時間はいつでしょうか。彼女たちは今、オンとオフの境界さえ越えて、自由な時間や愉しみを自らの基準で見いだすスタイルを確立しつつあります。「今」を生き、自分の「やりたいこと」に素直で、器用さも持ち合わせた彼女たちによって、「わたしらしさ」は変化し続けています。
※TARGET / IDEA / PROJECT。大企業の公式サイトの構造をここまでメッセージ性に振っちゃうのは、大胆だなと思う。

同じように、核となるキーワードを定めたとき、そこからどんな風景を描けるだろう。たとえば弊社ロフトワークの創業以来のミッションに『クリエイティブの流通』というフレーズがある。この言葉を「お題」として紡ぎ出せるストーリーにはどんなものがあるだろう。

こうしたキーワードに自分の経験を重ねて語ることもできるし、相手に憑依する勢いでたくさん話を聴き、大量のインプットをすれば、他者にかなり近い視点で書くこともできるかもしれない。それを提示したら、たぶん、「そう!」と言ってもらえる。違ったとしても、その物語がたたき台になる。

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「お題」を触媒としてnoteを書き続けることが、社会をいろんな角度から記述する力を磨いている。エッセイクラスタの人は、自分の経験と社会をつなげて。小説クラスタの人はもっと広い「かもしれない」の幅をもって。

これができるってことは、確実に「つたえる」仕事を前に進める力、動かす力を持っているということだと思う。自分はあんまり腰を入れてコンテストに出したりしていないけど、一球入魂で応募する人、何本も挑む人、「お題があるから書ける/続けられる人」、いっぱいいる。


だから、つたえる仕事をする人はぜひ、お題をやろう。そうしてすこしずつ、目指していく未来の解像度を上げられる人が増えていったらいい。

↓きょうはこれの続き。


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