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ライムとダンス

ジェフリー・ディーヴァーのミステリーは本当に「ひっくり返し」の頻度が高くて飽きない。リンカーン・ライムの『ウォッチメイカー』に続いて、キャサリン・ダンスの『スリーピング・ドール』を読んだ。名作だ。

このシリーズは登場人物の「密集度」が高い。けっこう大人数がまとまって登場する。警察サイドの身内、容疑者サイドの身内。それが裏切り裏切られ、仲間と思えば実は敵、撃つと思ったら撃ってない、「いや、確かにそこ言い切ってないけど」「うわーそこでその人が…」という展開の連続で、特に下巻の展開のめまぐるしさは見事としか。

「鑑識」のリンカーン・ライムとアメリア・サックス。「キネシクス」のキャサリン・ダンス。いずれも1つの武器を徹底的に突き詰めて真実に迫る圧倒的な「プロフェッショナリズム」が描かれる。この「強さ」が好き。当然ストーリーは途中で「困難さ」を迎えるんだけど、最後には綺麗に逆転する。

自分の場合、推理小説でも「推理する楽しみ」はあまり味わっていなくて(笑)、ぼんやり「犯人誰なんだろうなー」「こいつ悪いやつだなー(安直)」とずんずん読み進め、オチが分かってから「もう一回最初から」っていう読み方が多い。でも良いと思っている。シリーズを揃えないと気が済まなくなる。娘がシリーズもの好きなのは父の影響だろうか?

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