いさけん

農業と教育の末端で、ふらふら漂う根無し草。プロフィールも徐々に追加予定。

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最近の記事

JUNDO/1st album『明暗』全曲レビュー

いきなり私ごとではあるけれど、FMラジオを毎日のように聞いて、そこから流れてくる新譜に胸を高鳴らせ、僕自身が10代20代はバンド活動もしていたはずなのに、アルバムをアルバムとしてほとんど聴かなくなったのは、いつからだっただろう。 最近では、サブスクやYouTubeがこれまでの音楽シーンを一変させて、ポップミュージックは聴きたいときに聴きたい曲を、いつでもどこでも気軽に聴くものになった。 もちろん僕も例外ではなく、積極的にアーティストを追いかけ、新譜を心待ちにするということ

    • 人権と正しさと自分らしさと(あるいはバリアフリーはどこへ向かうのか)

      Twitterを中心に、一時はかなり大きな波紋を広げた「車椅子の乗車拒否」の話題。 ことの発端は、2021年4月4日、コラムニスト伊是名夏子さんが、自身のブログに「JRで車いすは乗車拒否されました」という記事が掲載されたことでした(記事のリンクは以下の画像をクリック)。 コラムニスト伊是名夏子ブログ 「JRで車いすは乗車拒否されました」 この記事中の出来事については、ネット上でも賞賛と批判の声がどちらも多数噴出しており、個人的にも改めて障害者差別という問題の難しさを感じ

      • 「二行目」(ver.0.0.1 デモンストレーション)

        【0】 みんな違って、みんなバカ。 誰もがテレビで一度は見たことがあるだろう渋谷のスクランブル交差点の信号が青に変わり、黙々と歩く人並みが立てる雑踏の中へ、私もまた同じように心を閉ざして踏み出しながら、こうして交差点を渡る一人ひとりが、自分だけは正しいと思い、自分だけは違うと驕り、自分だけは特別だと信じて、そのくせろくに自分自身に向き合おうともしないバカばかりだと思っている私もまた、私だけは自分が無知だと知っている「特別な存在」だと勘違いしているバカなのだと自嘲気味な心持ち

        • 差別の海岸線

          先日、Twitterを通して親しくしていただいている「なんさん(@nankuru28)」と「桂木さん(@mayakima)」と僕でツイキャスをやらせていただきまして。 まあ言いたい放題しゃべくったのですが、その中で僕が「差別」について、最近どんな風に考えているかを話す機会があったので、せっかくなので文字起こししてみました。 これを読んでくれた皆さんに、僕の差別に対する考え方が少しでも伝われば幸いです。 以下 いさけん→【い】 なんさん→【な】 桂木さん→【か】 【い】

        JUNDO/1st album『明暗』全曲レビュー

          厳罰化に関する寓話(あるいは悪についての思考実験)

          なくならない犯罪を撲滅するため、世界の法律は厳罰化に次ぐ厳罰化によって、ついにあらゆる罪を犯した人間は、発覚次第「死刑」となった。 そんな世界に、二人の少年がいた。 少年たちはどちらも極度の貧困から飢餓状態にあり、今すぐに食べ物を手に入れなければ、明日にも死んでしまいそうだった。 一方の少年は、生きるために食べ物を盗み、そして死刑になった。 もう一人の少年は、死刑になることを恐れ、そのまま飢えて死んだ。 そして世界は物を盗んだ少年を「悪」と罵り、飢えて死んだ少年を「

          厳罰化に関する寓話(あるいは悪についての思考実験)

          いさけん「ヴァイオレットエヴァーガーデン」観たってよ

          作品の存在は、世に出たときから知っていた。放映されるやいなや、アニメファンの中でも、ここ近年のアニメ作品の中で圧倒的No.1だと推す人も多い作品だった。 その名は「ヴァイオレットエヴァーガーデン」。 とにかく「泣ける」という評判だったのだけれど、結論から言うと僕は「泣けなかった」。 僕が泣けなかったのはどうしてなんだろうとずっと考えていたのだけれど、その理由がやっと分かった気がしたので、今回はその話を書いてみようと思う。 物語のあらすじが気になる方は、公式サイトを見て

          いさけん「ヴァイオレットエヴァーガーデン」観たってよ

          チェンソーマンで描かれる「性と死」の彼岸(「性」編)

          チェーンソーマンがすごい。 昔ほど漫画を読まなくなり、新刊の発売日を毎週チェックすることもなくなった僕が、久しぶりにハマっている。 それなのに、誰かにチェーンソーマンという漫画は「面白いのか?」と聞かれたら、僕はうまく答えることができない。ただ、そこにはまだ僕たちが「見たことのない何か」が描かれているような気がしている…そんな曖昧な返事しか返せない。 そしてその「何か」が、最新刊の第9巻には、ある意味で分かりやすく描かれていて、今回さらに衝撃を受けた。できる限りネタバレ

          チェンソーマンで描かれる「性と死」の彼岸(「性」編)

          風が吹いたら桶屋が儲かるのか

          「風が吹いたら桶屋が儲かる」ということわざがある。 このことわざは 「風が吹く」と目にゴミが入る ↓ 目にゴミが入ると目を洗う必要がある ↓ 目を洗うためには水を溜める桶が必要になる ↓ 桶を買う人が増えて「桶屋が儲かる」 という、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩えである。 (なお、実際にはもう少し飛躍した理由なのだけれど、現代の表現としては若干の差別的要素も含むと考えて、今回はこのような流れにした) さてこのとき、風が吹けばどうなるか

          風が吹いたら桶屋が儲かるのか

          ボールペンは自前で買え!【社員の経営者マインドを育てる経営論】

          「社内で使うボールペンが慢性的に不足しており、事務経費による購入に対して決裁をいただきたい」 このような稟議書に、企業はどのように対応するのが正解なのか、あなたは考えたことがあるだろうか。 社員想いの経営者なら、労働意欲の向上のためには社内環境の整備は必須だと考え、即座に了承の決裁を下すのだろう。少なくとも理想としては、社員がわざわざ稟議を上げてくるような意見には、例えそれが社内の瑣末な備品についてのことであっても、真摯に対応するべきだというのが世間一般の感覚なのではない

          ボールペンは自前で買え!【社員の経営者マインドを育てる経営論】

          豚の生姜焼きのレシピ(滝沢カレン憑依バージョン)

          やっほ〜😋😋😋突然だけど🤯みんなはどんな人と恋してるのかな〜♥️♥️♥️オシャレでイケメンの実業家🤑さんだったらちょっと憧れるかも⁉️⁉️⁉️ てゆっか今日の私は長くお付き合いするなら、ちょっと控えめなのに芯があって安定したお仕事してる人もいいかななんて思ってるよ〜🤗🤗🤗 そんな人ってきっと「豚の生姜焼き」を喜んで食べてくれそう😍って思ったから、今日は簡単な作り方をラブラブなみんなとシェアしちゃうね🤩🤩🤩🤩🤩🤩🤩 材料は豚肉とタマネギと、タレを作る調味料🧂あとはもちろん

          豚の生姜焼きのレシピ(滝沢カレン憑依バージョン)

          さっきの雑記 5(オモイツキ備忘録)

          【今回のテーマ】 どうせ好きになってもらえない症候群(DSMS) 先に言っておきますが、今回のテーマはつい先ほど思いついた僕の造語なので、心理学的にとか精神医学的な根拠などは一切ありませんのでご了承ください。 さて、どうして僕がこういう造語を作ってまでここに何かを書き残そうと思ったかというと、Twitterでこんなつぶやきを見つけたんですね。 まあこれ、世間一般にはミソジニー(女性嫌悪)が匂う立つツイートなわけですが、それについてツイートしているうちにふと思い浮かんだこ

          さっきの雑記 5(オモイツキ備忘録)

          TOKRASさんへ

          TOKRASさんへ まず初めに、リプライでの謝罪も考えたのですが、これまでのことの経緯と、あなたが説明を求めていらしたことも含め、きちんと謝罪をしようと思うとどうしても長くなってしまうと考え、こうしてnoteでの謝罪になってしまったことをご理解ください。 そして、Twitterでのやり取りであった以上、TOKRASさんだけではなく、あのやり取りを見ていた方々にも納得のいく形できちんと謝るには、少し遠回りになりますが、これまでの経緯を確認するところから始めることをお許しくだ

          TOKRASさんへ

          さっきの雑記 4(オモイツキ備忘録)

          【今回のテーマ】 「進次郎ポエム」を考える 「反省をしていると申し上げましたが、反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思いますが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない。というご指摘は、私自身の問題だと反省をしております。」 読んだ瞬間、度肝を抜かれた。 2月20日付け、これを書いている段階で小泉進次郎環境相の最新発言の一部抜粋である。僕はこれほど純粋に「中身のない反省の言葉」を聞いたことがなかったからだ。 とはいえ、僕はネット上などでしばしば「

          さっきの雑記 4(オモイツキ備忘録)

          寅さんはどこに帰ってきたのか

          〜さっきの雑記(オモイツキ備忘録)特別編〜 【今日のテーマ】 映画「男はつらいよ おかえり寅さん」 2019年の暮れ、僕は久々に実家にかえることにした。 理由はいろいろあるけれど、その一つが約25年ぶりとなる映画「男はつらいよ」の公開であったといってもいいかもしれない。 僕がまだ幼い頃から、母親が大好きだったこともあって、正月には必ず家族揃って「男はつらいよ」を観に行っていた。僕と同世代(アラフォー)の人にとっては、もしかしたらそれは割とよくある家族の風景だったのでは

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          寅さんはどこに帰ってきたのか

          さっきの雑記 3(オモイツキ備忘録)

          【今回のテーマ】 AI美空ひばりにみる未来 2019年の大晦日、NHK紅白歌合戦の目玉のひとつが「AIによる歌姫美空ひばりの復活」だった。 結果から先に言うと、これまでの音声合成ソフトなどとはちがい、この日のために用意された「新曲」を、生前の抑揚も見事に再現しながら歌ってみせたと思う。 ただ、個人的にはそこに「感動」はなかった。 わざわざ「AI」と言ったからには、過去の美空ひばりの音声データを元に、単にメロディの譜割りにあった音声を拾い上げて当てはめた訳ではないんだろう

          さっきの雑記 3(オモイツキ備忘録)

          英BBC NEWS「どうしてこれほど多くの日本の子供たちが、学校へ行くことを拒むのか」記事全文訳

          Twitterで見かけた不登校に関する「BBC NEWS」の記事を全文訳してみました。 教育関連では先進的なご意見をお持ちの内田良名古屋大学准教授(Twitterアカウント:@RyoUchida_RIRIS)の見解が大きく取り上げられており、このような形で日本の不登校の現状が世界に発信された意義は大きいと思います。 拙い翻訳ではありますが、「karoshi(過労死)」や「hikikomori(引きこもり)」に続き、世界から向けられた日本の「futoko(不登校)」への眼差

          英BBC NEWS「どうしてこれほど多くの日本の子供たちが、学校へ行くことを拒むのか」記事全文訳