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『トヨタの会議は30分』(山本大平)ブックレビュー

ずいぶん前から知っていた、『トヨタの会議は30分』。日本が世界に誇る自動車メーカー、トヨタの経営骨子を記載した本ですな。いろんなビジネス本を読む中で、“やっぱり『いい会社』はいい!”って思ったし、直近でも身の回りの会議に対し“この会議よかったわぁ~”とか思ったり、逆に“なんか今の会議意味あった?”って思うような進め方・終わり方の会議もあったので、ついに読んでみた。

曰く、今の時代は『ギガ速で成果を出すためのコミュ力が必要』(P4)であり、『会議の冒頭5分での認識合わせ~議論~解決案策定スキルが重要』とのこと。「とにかく無駄を嫌う」文化のトヨタの意思決定速度の速さの秘密がちりばめられていました。レビュー行ってみましょう。

第1章:極限まで無駄を減らす「時短会議術」

・ほとんどの会議は30分の設定→延長30分に備え、次の会議の予定は最低30分空けていれる(P36)
前もって議題を主催者が展開し、各参加者も必要データを“勝手に推測して”用意する(P37)
・会議の最後には「次はなにを打ち合わせるか」を決めて終わる(P38)
・会議ではホワイトボードを活用し、そのまま議事録に(P50)
┗トヨタビジネスプラクティス(TBP)・・・会議の中で真因を探り、対策を決め、実行すべきものを定めるという問題解決の型(P53)
・会議の冒頭、参加者の様子を観察→不十分なようなら手短に前回までの内容をおさらいして認識合わせ(P61)
・理解に集中するため、会議中のメモは禁止(P69)

→そうそう、こういうのを知りたかったのよ!!笑
会議のセッティングは敢えて30分にする、予め議題を明示する、認識合わせをしてから打ち合わせを開始する、議事録を共有しながら進める、今後のタスクを整理したうえで会議を終える―――どれも気持ちいいわぁ!ただ、会議中の『メモ禁止』は意外だったなぁ。僕的にはメモを取ることは相手への聞いていますよアピールになって、結局いい情報を得る手段になるから肯定派なんだけどね。

第2章:確実に相手を仕留める「コミュニケーション術」

・上司の承認を1分で得るため、ペライチの資料にまとめる(P79)
・迷子にさせないプレゼン→①冒頭に何を話すかの明示 ②章立て通りに説明 ③章ごとのポイント整理と不明点の確認(P91)
・「口2耳8」がコミュニケーションスタンス。発言ゼロの「空気さん」になるな(P101)
・意見のラリーにはメールではなく電話を活用せよ(P106)
・メールの返信の催促には電話もしくは相手の上司を含めてメールを出すことが有効(P116)

→発言ゼロの「空気さん」、結構なりがちだから耳が痛かったです苦笑
メールと電話の使い分けについてはまさにその通り!!社内でも結構じれったいやり取りを見たり聞いたりして、むずむずしていたけど、まずは自分がうまく活用しよう。

第3章:トヨタ魂の根幹「本質思考」

人間関係の維持を仕事の本質の上位に置くな(P124)。必要な直言を行ない、かつ不要な人間関係の破綻を避けよ(P128)
・目先の利益ではなく、社会への貢献で利益が後からついてくる、というのがトヨタの考え方(P137)

→不要な争いは避けるけど、マジで『人間関係の維持を仕事の本質の上位に置くな』、は響いたわぁ・・・。僕も今後も『やることはやる』、を意識していく。

第4章:スピリットをつなぐ「トヨタの教育」

・現場のオヤジさんたちは自分都合ではなくお客様の代弁者として若手を全力で叱る(P152)
・業務内容については初期判断を急がず、多少時間をかけて取り組むことで可能性を広げよ(P160)

→著者である山本さんの、現場のオヤジさんへのリスペクトの感じられた章。

第5章:良好な人間関係を築く方法

・直球のコミュニケーションは人間関係のわだかまりになる可能性。飲み会を活用し、解消せよ(P176)
・人間は不合理。他人に期待しすぎるな(P190)

→読めば読むほど、トヨタっていい意味で昔ながらの、泥臭い会社なんだなと思った。厳しく叱り、飲み会でコミュニケーションを補填する。でも結局、こういうのが大切よね。

第6章:人間力を嵩上げする「配慮」のつくり方

ほとんどの人が凡人。才能の足りない部分は助けを求め、力を最大化せよ(P202)
・ご縁に感謝し、毎日を懸命に生きよ(P206)

→最後の章、めちゃめちゃ好き。渋沢栄一さんの『蟹穴主義』、稲盛和夫さんの『足るを知る』に通じる部分だよね。結局、自らの至らない部分を見つめ、日々成長することを目指し、周囲に支えられていることに気づいて感謝することが大切なんだよな。

 はい、というわけで『トヨタの会議は30分』。なんとなく頭に描いていた理想の会議の姿が具現化されたし、最後の方は人間関係や人間力の高め方まで書いてあって、読みやすかったけど中身が充実していましたわ。

実は次に読みたい本も決まっていて。。。意外や意外、ビジネス本を一回離れて、会社の先輩に勧められた本にチャレンジします!


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