見出し画像

はてしない石の物語#10~未来への希望「やんちゃなブレスレット」~

『はてしない石の物語#9~お母さんへの愛「勇気のペンダント」~』で小学生のサクラちゃんに『勇気のペンダント』をコーディネートしたことをお伝えしました。

その記事がこちら。

コーディネートをしている時、サクラちゃんのお母さんのアイさんは嬉しそうであると同時に「いいなあ」と羨ましそうでもありました。私には小さな女の子が素直に羨ましがっているように見えました。
 
アイさんは12月生まれとのことで「やっぱり誕生石を買うのがいいのかしら?12月だとトルコ石なのだけど、これまでいいなと思うものに出逢えなくて」と話していたので「誕生石にこだわることはないと思う。好きだな、と気に入ったものが一番良いのではないかしら」と答えました。
 
その時は思い出さなかったのですが、家に帰ってきてからトルコ石のペンダントを持っていることに気が付きました。トルコ石と淡水パールの組み合わせのアンティークのペンダント。K先生にあらためて見てもらってから身に付けようと考えていたもの。「これペンダントよりブレスレットにした方が素敵。そうしよう!」と思っていました。
 
そのペンダントがアイさんにとても合うような気がしてK先生に相談しました。面白いことに、そのペンダントを箱から出すか出さないかのうちに先生の手がスーッと伸びて、先生も「なんか面白そうだね、自然と手が出るよ」とおっしゃっていました。私はいつもそういうところが不思議で面白いと思っています。
 
でも「面白そうだね」と言って手に取ったきり、先生は黙り込んでしまいました。「この沈黙は何だろう?」とドキドキしながら言葉を待ちました。

先生は、机の上にペンダントを伸ばして置いてみたり、淡水パールの部分を触ってみたりしていました。そしてくるっと2重に丸めた途端「あ、これブレスレットの方がいいね!」と嬉しそうにおっしゃったのです。「ペンダントとブレスレットではまるで意味が違う」と・・・
 
でも、また沈黙が続きました。しばらくして「これから伝わってくる最初のイメージは「やんちゃ」なんだよねえ。どういう意味なのだろう?」と考え込んでいました。「アイさんの写真ある?」と聞かれ、サクラちゃんに「勇気のペンダント」をコーディネートした時に一緒に撮った写真があったのでお見せしました。写真を見た途端「あ、そうか!わかった!」と先生の顔がパッと輝きました。

「アイさんはもともとすごくやんちゃな人だったんだ。やんちゃに生きたいと願っていたんだ。でもそれができなかったんだね」と・・・その言葉を聞いて私の胸にはこみ上げてくるものがありました。アイさんはお母さんからあまり愛情をかけてもらえず寂しい子ども時代を過ごしたことを知人から教えてもらっていたからです。
 
「このペンダントはね、ペンダントのままだと全部がバラバラだけど、二重にしてブレスレットにするとトルコ石とパールが全部仲間になる。アイさんにぜひ伝えて。これからは仲間がいるから思い切りやんちゃに生きていいよ。あなたには仲間がいるから大丈夫だよ、って」そうおっしゃるK先生も心がふるえているように見えました。こんな素晴らしいメッセージがあるでしょうか?「これからは思い通りに生きていいんだよ、あなたには仲間がいるのだから」と・・・
 
そうアイさんは本当に仲間に恵まれているのです。アイさん母娘を心から愛しく想い、大切に想い、家族同様に想ってくれている友人たちに恵まれているのです。まさに、本当にぴったりではありませんか!そんなコーディネートができるなんてご褒美以外のなにものでもないと、本当に胸がいっぱいになりました。
 
以前K先生に「あなたがアクセサリーを選ぶとき、アンティークの場合は無意識に自分が役立たせてあげられるかどうかで線引きしているらしい。」と言われたことを思い出していました。こうしてみると、確かに役に立てるものを選んでいるらしい。でも私には当時も今も全くそんな自覚はないのです。この「やんちゃなブレスレット」も、「ブレスレットの方が素敵だわ」ということには気が付いていましたが、自分で身につけるつもりでいたのだから。これから先、自覚が芽生えてくるのだろうか・・・?なんだか心もとなさは募るばかりです。
 
さて、いよいよ「やんちゃなブレスレット」をコーディネートする日が来ました。
本人には内緒で準備を進め、共通の友人宅に一緒にお呼ばれした、という設定にしていました。そんなこととは夢にも知らないアイさんは無邪気にいろんなものを食べています。どのタイミングで切り出そう・・・とずっとタイミングを見計らっていたのですが、なかなか言い出せず。「今かな」と思って箱から取り出した瞬間と、アイさんはまた何かを口にいれた瞬間が重なり、ブレスレットを見せた時には驚きのあまりアイさんはむせてしまいました。感動のシーンを思い描いていたみんなは拍子抜けするやら可笑しいやら・・・でも、まさに「やんちゃ」に相応しい展開だったのでは、と思いました。

ブレスレットはアイさんの華奢で白い肌にとても似合っていました。後からこんなメールをいただきました。「とても素敵なサプライズをいただきました!これからは、ブレスレットとともに、やんちゃに生きていこうと思います。十分素敵な仲間に出逢えておりますが、まだまだこの先も出会っていける気がします」と。
 
もちろんですとも!これまでも、周りの人がアイさんのために手を差し伸べずにはいられなかったのは彼女のピュアな人柄のため。ブレスレットは「自分には仲間がいる」という心強さを思い出させてくれて、思い出すたびにまた引き寄せの法則を発揮してくれることでしょう。素敵な仲間の輪が広がっていく未来を私も楽しみにしています。

一緒に渡した「やんちゃなブレスレット」のものがたりがこちら。aikoさんに絵を添えていただきました。

「やんちゃなブレスレット」の物語


 
仲間と一緒に内緒で設定したコーディネートが行われたのは2023年10月15日のことでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?