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売上拡大<製造原価の見直し


自己紹介

初めまして。
石塚工業株式会社の小柳郁弥です。

現在、栃木県足利市にあるプラスチック射出成型工場を経営しています。
父が4代目の社長になり、順当にいけば私が5代目社長になる予定です。

栃木県足利市出身の1992年生まれ31歳。奥さん1人、愛犬1匹(ポメラニアン)で生活をしております。

石塚工業の仕事は
メイン:「メーカーからの下請け業」
サブ:「再生素材を使用した製品開発」
で経営をしております。

仕事の受け方

前回の記事で述べたように、石塚工業では、単価が未確定の仕事を短納期で受注することが多かったです。
※全ての業者がそういうわけではありません。

私たちは「現在の位置」を把握せずに事業を進めていました。
そこで、「現在の位置」を把握するために、製造原価や利益率などの数値を精査し、製造原価を下げ、利益率を上げるための
行動をしていました。

① 単価の整理

② 取引先への価格提案

③ 内製化

順に説明していきます。



【① 単価の整理】

この作業は、多くの下請け業者が取り組まないと思われますが、製造原価と利益率を考慮して、どの程度利益が出ているかを把握することが重要です。

一般的には当然のことと考えられるかもしれませんが、石塚工業ではこの考え方が欠けており、利益が上がらない状況が続いていました。
そのため、全ての単価を見直し、利益が出ない製品については金型を返却しました。


ここで、金型を返却すると売上が減ってしまい、利益が下がってしまうと考えると思いますが、
私の考えは、「売上を上げる」ことではなく「製造原価を下げる」ことを優先しました。
理由は
「利益=売上-製造原価」なので、「製造原価」が下がれば利益が出ます。

今までは、「売上拡大」をメインでしたが、「製造原価を見直す」にフォーカスした経営を意識しました。

金型返却には抵抗がある業者もいるかもしれませんが、私は製造業に新たに参入したばかりであり、利益を上げられない金型は積極的に返却しました。
※「金型を返却すると仕事がなくなる」という製造業の当たり前が分からなかったです笑



【② 取引先への単価提案】

正直に現在の材料費や人件費などから製造単価を計算し、取引先に希望価格を伝えました。全ての単価が承認されることはありませんが、一部は値上げしてもらえる製品もありました。

多くの下請け業者は、価格交渉によって他社に仕事を奪われると考えがちですが、私のスタンスとしては、「価格交渉に応じない取引先とは関わらない」という考え方をしています。前提条件として、納期や要望をこちら側が十分に満たしていることが条件です。

製造業では、単価を下げるために別の業者に仕事を分けることもあるかもしれませんが、
「価格交渉に応じないと仕事を奪われる」という考え方は少し異なると考えています。
将来的に、価格交渉ができない企業との付き合いは、自分たちを疲弊させ、業績不振につながる可能性があると考えています。


【③ 内製化】

石塚工業は内製化が可能でありながらも、これまで進めてこなかったため、内製化を早めに進めました。
理由は、石塚工業では利益率が低い製品(2次請け、3次請けなので)を扱っており、外注先に仕事を回すことで利益がさらに減っていたからです。

この点に関しても、製造原価や利益率を考慮せずに業務を進めていた結果だと思います。

以上の①から③までの取り組みにより、利益を生む要素や無駄な作業について考えるようになり、石塚工業の製品ラインアップも徐々に変化してきました。

「一気に利益が上がる仕事が舞い込んでくる」という考えではなく、「製造原価をどう下げるか」「在庫を適切に管理するか」「適正な単価を設定するか」といった具体的な要素に焦点を当て、地道な作業を続けました。

この初期段階では毎日12時間以上働いていましたが、会社を軌道に乗せるためにはこの努力が必要だと考えていました。笑

次回は、製造原価や売上について詳しく述べます。


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