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大人だって褒められたい【歯医者の話】

3ヶ月ぶりの歯医者。

前回は7月上旬だった。
そこで治療していくうち、自分の普段の歯磨きによって口腔環境が悪くなっているという指摘を受けた。

〜7月〜

歯科衛生士さん「歯茎が赤く腫れてるの分かる?」
私「はぁ(そう言われても…これが普通だと思ってたからなぁ…これあかん状態なんか…)」
歯「汚れを取ろうとしても、今の状態だとすごく痛いのよね。だから次回は3ヶ月後くらいで、歯磨きの仕方を優しくするようにしてね。毎日のことですごく変わってくるから」

3ヶ月前に歯磨きのやり方(主に力の入れ方)を教わってから、家で実践はしていた。
思えば、自分は歯磨きの正しいやり方を教わったことはない。
「おかあさんといっ〇ょ」の中の歯磨きソングに合わせて磨いてはいたが、力加減がどうのとか、奥の磨き方が難しいだとか、奥は歯ブラシを立てて磨くとか、全て22歳以降に知ったことである。
そのせいで、小さい頃はよく虫歯になった。
しかし、母からただただ「歯医者行くわよ!」と強く叱られ、車で40分以上かけ遠い歯医者に行き、挙句の果てに無愛想な怖い先生(腕は良かったらしいが)にまで嫌味を言われる始末。
ちなみにそこでも、歯の磨き方を習った覚えははない。
小さいながらにじゃっかんのトラウマを抱えることになった。これでは歯医者どころか、歯磨きに関心を持たなくなったのも仕方がないのではないか。

そのツケが20歳を過ぎて回ってきたのであろう。私は虫歯になり、あやうく歯の神経を1本失うところだった。
20歳過ぎてからは、どんな育て方をされようと「自分の体は自己責任…!」と奮起し、今の歯医者に通うこととなった。
無痛治療の歯医者で、先生をはじめとしたスタッフさんが皆さん優しい。
自転車で15分の場所にあるのも嬉しい。

3ヶ月ぶりの治療。
しかし大人になろうと、歯医者は怖い。何歳でも痛いものは痛い。
普段の歯磨きを優しめにマイナーチェンジしていたものの、自分の歯茎がどうなっていっているのか、私にはよく分からない。
力を入れてゴシゴシ歯をこすっていたので、「こんなんで汚れ落ちてるのかな〜」と心配してしまう。

全然良くなってなかったらどうしよう…!
また痛い治療かなぁ…
てか嫌味とか言われたらどうしよう…

人からのマイナス評価にとことん敏感なので、歯茎や歯の状態よりも、歯科衛生士さんの評価が気になるというネガティブっぷり。
その意識を、日頃の歯磨きに回せたらどんなに良かったか。

歯科衛生士さん「はーいじゃあ見ていきますね〜」
私「ふぁい(ドキドキ)」
歯「…あら、だいぶ歯茎の腫れ引いてますよ!」
私「ふぉおへふか(マジ?良くなってる!?)」
歯「あーでもフロスあんまり使えてないでしょ笑」
私「ふぁぃ」
歯「フロスはもう習慣にしちゃった方がいいよぉ〜続けてればそのうち、やらなきゃ気持ち悪いくらいになるから」
私「ふぁあ」

〜治療後〜

歯「歯茎の状態がだいぶ良くなってますよ!虫歯もないし、よく磨けてますね!」
私「あ、良かったです…」
歯「歯の間もフロスで磨けるようになれば、次の治療はもっと痛みが減りますよ。毎日のことで全然変わってくるし、若いから回復も早いと思います。頑張ってください!」
私「はい」

良かった…虫歯もないし、前ほど痛くなかったし、歯茎良くなってるんだな…

それにしても、歯磨きを褒められるなんて、
まるで虫歯治療に来た子どものようだ。
少し恥ずかしい気もするが、褒められたことによって「また今日からちゃんと磨いていこう」と思えているので結果オーライだろう。

子どもの頃の歯医者で、もし褒められる経験があれば、歯の神経を1本失う寸前の虫歯になんてならなくて済んだかもしれない。

大人と言われるこの年齢になってから、歯医者さんに歯の磨き方を褒められるという、
人類史上でも稀な経験をすることになったので、世の中何が起こるか分からないものだ。

ただどんな理由であれ、大人になっても褒められるのは嬉しい。
これからは歯磨きする時、自分の歯茎に
「よく回復してくれたね、ありがとう」と心の中で唱えてから、優しく磨くことにする。

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