『FACTFULNESS』

著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
訳者:上杉周作、関美和
日経BP 2020年33刷

話題になった時から気になっていたけれどもだいぶ経ってから途中まで読んで、図書館の返却期日が来てしまったので返して、そしてまたしばらく経ってから借りて読んだ。

なんで、1回目読むのにそんなに時間かかったかな?と不思議なくらい、分厚いけれども読みやすい内容。メイン著者のハンスが剣飲み芸人になろうとした話とか、今だから言えるようになった間違った判断の結果とか、とても人間味がある具体例が書かれているのも、読みやすい理由の一つだろう。
ハンスは医者で、途上国などでの治療にも当たり様々な経験をしたようだ。その結果、事実に基づく世界の見方を広めるための活動を始め、各国の要人と話したり研修会を行ったりしている。その様子も興味深い。

私自身が、データを読むのに疎く、分析力に自信がないので、間違った情報に流されないようにと思いながらも流されていない自信が全くない。
世の中にはたくさんの情報があふれているけれども全体的に扇動的なニュースが選ばれているような気もする。AIによる合成は素人では看過できなさそうな気がするし、何が正しいのか考えすぎたら精神的に病んでくるような気もする。

でも、間違った情報を信じた結果でネガティブになるのは嫌だし、間違った判断をしてしまうのも嫌なので、「もしかしたら自分は思い込んでいないか」とたまに考えることは続けたいと思う。

この本は、以下の本能による思い込みに対しての警鐘になっている:
1.分断本能
2.ネガティブ本能
3.直線本能
4.恐怖本能
5.過大視本能
6.パターン化本能
7.宿命本能
8.単純化本能
9.犯人捜し本能
10.焦り本能


ステレオタイプに陥らない。
世の中は変化し続けている、しかもたぶんいい方向に。

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