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カレーはおでん、である

カレーといえば、学生時代に姉妹を3年にわたって家庭教師をしていたKさんのお母さんが作るカレーが私には衝撃的でした。豚か牛バラで、肉、たまねぎ、にんじん、じゃがいも時にセロリも、全部が大きさ10センチ位に切ってあって、かつ全く煮崩れていないんです。

それまで自分が知っている家のカレーというのは、肉は塊ではなくスライスされていたし、野菜は煮込まれてすっかり角が取れていて、玉ねぎに至っては溶けて姿を確認しにくく、セロリなんて見たこともありませんでした。

Kさんのカレーは、ルーについてはまさにカレーは飲み物といった感じで、粘度の低いスープカレーっぽいもの。このカレーに出会ってから、私のカレーの嗜好が完全に変わりましたし、煮込み料理の概念が180度変わりました。写真はパリのポトフ屋のポトフですが、Kさんのカレーも見た目はだいたいこんな感じでした。

パリのポトフ専門店 Le Roi Du Pot Au Feu

ポトフって洋風のおでんじゃないですか。私はいわゆるおでん、関東煮は得意ではありませんが(練り物がダメ)、宮古島の島おでんはほぼポトフだったので大好きです。

宮古島の「島おでん たから」さんの島おでんはオニオングラタンスープのポトフ版に、練り物以外のおでんネタが入ってる感じで最高です


つまり、カレーはおでんなのですよ。カレー味のおでん。


とここまで書いていて、このコンセプトで差別化したらウケそうな気がします。スープカレーともちょっと違う。近いのは岐阜県庁の近くにあるこのお店でしょうか。私にはあまりにも野菜の甘味が強すぎますが、個性的でとても美味しいです。

辛さについては、辛いほうが個人的には好きです。CoCo壱番屋でいうと5辛くらいが好みです。ですが、おでん目線で言うのであれば、辛さよりも具材の味を感じることが重要なので、2辛くらいがちょうどいいかなと思います。


ということで、暑すぎて無性にカレー脳になったので、帰宅途中にアメリカンな豚バラ1.3kg買って、玉ねぎ一つだけ入れて煮込みました。じゃがいもとか人参は一切入れません。この家庭用ではない寸胴鍋は、義母が随分前に帝国ホテルのメインダイニングからもう古いのでということで貰ったんだそう。直径27センチ高さ25センチとデカいだけで、見た目ほどは肉厚は分厚くないアルミ製です。市販のルーを3種プラスアルファと、手元のスパイスを適当に入れてます。今回は暑さに勝つためにCoCo壱で言うと5辛くらいにしています。一般的には超辛いんだと思います。デリーのノーマルカシミールカレーみたいにはスパイスのレシピが不明でできないし、そもそもカシミールはチキンですがこれはポークです。ちなみにカシミールカレーはノーマル以外に「ホット」も作ってくれます。

家庭用としては異常に大きな寸胴鍋
イタリアのメーカーらしいです
この大きさ鍋だと3分の1くらいしか使っていません。

【材料】
・豚バラまたは牛バラ 1.5キロ位
・玉ねぎ 1個
・市販のカレールー 2箱(2種類)
・家にあるスパイス類を適当に
・黒糖 ゴルフボールの半分くらい

【作り方】
・豚バラ、または牛バラの塊をこぶし大くらいに切る(煮込むと縮む)
 ここでスライスされた肉は使わない。できるだけ大きな塊で使う
・玉ねぎを粗いみじん切り
・鍋に油を敷いて、豚バラを表面が焦げ目がつくまでじっくり焼く
 10分以上かかります
・同じ鍋に水を適当に入れる、同時に玉ねぎとスパイス類も投入
・弱火で15分くらい煮る
・火を止めてカレールーを投入
・弱火から中火で30分煮る
 野菜などの具材が入っていないのと、水分量が多いので全く焦げ付きませんから、煮ている間は火だけ気をつけていれば放置でOKです
・1時間なじませる
 この時間が重要だと思います
・再び30分弱火で煮込む
 やはり焦げ付かないので放置プレイです
・水分量(煮込み度合い)は好みで調整するが、スープくらいでちょうどいい

玉ねぎ以外は野菜は入れていませんが、市販のルーにはそういったものがすでに煮込まれているので、特に追加で入れない方が美味しいと思います。特にじゃがいもは煮込むとすぐに溶け出してしまい、ザラザラした食感になってしまいます。

自分でスパイス調合して作る場合を除いて、市販のカレールーを使うなら野菜は入れない方が美味しいです。野菜を入れるのであれば、一旦こうして出来上がったスープで、野菜は別に火が通るまで煮込んで、盛り付け時に合わせるくらいがいいと思います。

個人的には牛よりも豚バラ肉のほうが美味しくできる気がします。それも国産の豚ではなく、アメリカやカナダの一番安い肉が合っていると思います。

かなりスープっぽいです

ちょっと小腹が空いたときには、旧カトキチ、CACの冷凍うどんにこのカレーをかけて青ネギを入れるとすごく美味しいです。

カレーうどんには青ネギが必須


めちゃくちゃ簡単で、ある程度保存も効くし、スープだけを小分けして冷凍ストックしておくと色々他にも使えて、おすすめいたします。

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