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日本でもブーム到来か?酸っぱくて痺れる酸菜魚 (深セン 太二酸菜魚)

酸菜魚(スァンツァイユー)という料理があります。

白身魚、酸菜、唐辛子、山椒を中華スープで煮込んだピリ辛の煮込み料理です。ラー油は使用しないため、水煮魚のように激辛ではないので、辛いのが苦手な人でも難なく食べることができます。でもポイントは山椒です。山椒の痺れをぜひ堪能していただきたいです。

白身魚にはハクレンやソウギョなどを使います。日本だとタラで代用されることもあるようです。

私は5年前の深センではじめて酸菜魚を体験しました。その美味しさに取り憑かれてしまい、 今回の深セン出張ではできるだけ酸菜魚を食べてみようと思っていました。

今回の1軒目は深センに限らず、中国全土でかなりブームになっているお店、「太二酸菜魚」に行きました。深センだけで4店舗くらいあるようで、私が今回行ったのは金光華広場店です。地下鉄1号線の国貿駅に直結しているモールの6Fたっだでしょうか、にあります。

ルミネの上層階みたいな感じのロケーション

土曜の午後に予約無しでお店まで行きました。するとどうやらスマホで予約というか順番待ちをするような雰囲気です。ちなみにこうした場所では英語はほとんど通じないと思ってください。それは店員さんも、近くにいるお客さんもです。

このサイネージディスプレイを見てスマホから予約するんだと理解

上の写真の右上にあるバーコードのようなものを、WeChatで読み込んでみます。すると人数とテーブルの希望を聞かれるので入力します。すると順番待ち登録が完了して、私はA247です。

ちなみにこのバーコードは普通のカメラアプリでは読み込むことができず、WeChatでスキャンします。日本で今スキャンしても、位置情報を見ているようで予約はできません。まあ当然ですね。

私は1,2名用の小さいテーブルを予約しました。次がA229なので18組待ちという感じです。たぶん1時間くらいかかるんじゃないかな
お店の前で待っている人たち


ということでずっと店頭の椅子で待っていても仕方がないので、モール内を適当に散策しました。とにかく本当に沢山の人がいます。それも圧倒的に年齢が若い。深センの平均年齢は31歳と聞いていまして、私は間違いなく最最長老とまでは言いませんが圧倒的に少数派の老人カテゴリーです。ここのモールは以前にも来たことがあって、あまり変化はありませんでした。

最終的には50分くらいで順番が来て席につくことができました。通知はスマホの通知、現場でのディスプレイ表示、中国語アナウンスの3つです。

テーブルには当然ですが紙のメニューなど一切なく、テーブルに貼ってあるコードを読み取ります。すると注文メニュー画面が表示されます。

ここのお店ではアルコール類が提供されません。なので回転は早いです。

注文が完了しましました、と書いてあるようです。

何が書いてあるかわからなかったので、Googleレンズで翻訳すると、お茶はセルフサービス、テーブルに入っているもの(箸とかです)は自由に使っていいよ、わかんないことがあったらアプリから呼んでね、ということのようです。とりあえず便利だわあ


えっと、中国国内からはGoogleなどのサービスはグレートファイヤーウォールに阻まれてアクセスすることはできません。SNSも全滅です。

しかし、日本のキャリアのローミングであればそこを回避しているので、これらは日本と全く同じに使えます。私はahamoなので、国内外共通で20ギガまでが定額の範囲内です。SNSなどへのアクセスも全く問題ありませんでした。ただし時々アクセスが非常に遅くなると時があって、しばらくすると解決します。これは中国政府が何等かの流量制限をしているからだと思います。

国内で契約しているキャリアのローミング料金次第ですが、中国に行くときは日本の契約のローミング一択で、それが高い場合は、香港などのSIMか現地でファイヤーウォールを超えられるWiFiルーターをレンタルすることになります。でもahamoは1月単位で契約できるので、イモトとかのWiFiルーターを借りるくらいなら、ahamoを一本追加で一ヶ月だけ2980円で通すのが正解です。eSIM対応のスマホであれば10分くらいで開通できます。


周辺のテーブルの様子
サイドでオーダーした豆腐の揚げたもの

はい、こちらが酸菜魚です。山椒が山ほど入っていますが、これは辛さではなく痺れです。食べなければスープに溶け出している分であればその痺れもそれほどではありません。また赤唐辛子も辛さは非常に少ないと思います。

もちろんこうした味覚には個人差がありますけど。

黄色いのは菊の花びらではないかと思います
魚の頭の部分
プリプリの魚はたぶんソウギョです
山椒の実が枝ごと入っています。

心地よい酸味とプリプリの魚がマッチします。スープは結構濃厚です。時々山椒を食べると口の中が痺れます。私はこの痺れがとっても大好きです。小ライスと一緒にいただきました。

料金はおよそ3000円くらいです。こちらの水準で言うとちょっと高い料理ということになります。

料理と同時に紙の明細書を持ってきますが、支払いは言うまでもなく、自分のスマホでWeChat PayかAriPayで支払います。レジはありません。決済のタイミングは注文時かと思っていたら、ここでは帰るときでした。店員さんを呼ぶ必要はなく、自分のタイミングで決済します。決済が完了するとすぐに店員さんがやってきて、ありがとうと言いながら片付けを始める感じです。

酸菜魚、豆腐の揚げ物、小ライスで3000円くらい
テーブルにおいてあったポケットティッシュのデザインがおしゃれ


オンラインにはいくつか酸菜魚のレシピが上がっていました。一番のポイントは酸菜です。これは白菜と酢でも代用できなくはないと思いますが、本来は白菜を発酵させたもので、唐辛子の入っていないくキムチみたいなものです。ザワークラウトなんかも近いです。

作り方
・魚の頭とウロコと内臓を取り、3枚におろす。
・鍋に中骨と水を入れて火にかけ、骨のダシを取る。
・その間に漬物を絞って漬け汁を別容器に取り、漬物を細かいザク切りにする。
・魚を皮つきのまま一口サイズより大きめに切ってボウルに入れ、酒、こしょう、片栗粉を加えて全体に均一にまぶす。
・にんにくと生姜を薄切りの千切りにし、鷹の爪を1 cm長さに切って種を取り出しておく。
・フライパンか中華鍋にサラダ油を入れて熱し、にんにく、しょうが、花椒を加えて炒め、鷹の爪の輪切りを加えて炒める。
・鷹の爪がカラっと炒められたら取り出しておく。
・刻んだ漬物を入れて炒める。
・漬物がしんなりしたら、中骨を煮た汁、漬物の漬け汁を大さじ1程度、カイエンペパーパウダー、醤油、酢、塩を加えて煮立てる。
・魚の身を加えて3分ほど煮て、味の素少々を加えてから味見をし、酸味加減や塩加減などを好みに調える。特に酸味はぼやけずくっきりと分かるようにする。
・盛り付ける器に、尾がはみ出るように魚の中骨を入れ、スープと具を注ぎ、鷹の爪の油炒めを乗せ、パクチーを飾って出来上がり。



酸菜魚が気になった方に、東京周辺の酸菜魚のお店をリストアップしておきます。順次訪問したいです。

まず最初は成都娘酸菜魚が高田馬に進出しています。中国では900店舗も展開しているようです。

近くの池袋のお店です。

こちらも池袋。

横浜中華街です。

続いて野毛のお店です。

あの陳麻婆豆腐にもいつの間にか酸菜魚がラインナップされているようです

こうしてみるとすでに結構の数のお店が酸菜魚を提供しているようですね。いわゆるガチ中華のお店が増えているのもあるのではないかと思います。

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