新解釈『殺し屋1』第1回~待っていた…オマエみたいな変人を…

どうも、一石城(いっせきじょう)と申します。Wikipediaで殺し屋1の項目を更新している変人です。ちなみに「一石城」は『殺し屋1』の項目専用のWikipediaアカウントで、別のアカウントでは気が向いたときに他のまともな項目の編集をやっています。

ペンネームの元ネタはお分かりのとおり、主人公で変態サディストの殺し屋「城石一」のアナグラムです。

Wikipediaの方はネタをあらかた書きつくしちゃったので、これからはnoteで新しい視点からの解釈などを行っていきたいと思います。そもそも、Wikipediaだと「百科事典的な記述以外は書けない」という制約があるので。裏垢とはいえ捨て垢ではないので、Wikipediaの個人ページなんかに変なこと書いてWikipedia運営から垢BANくらうの嫌ですし。

その意味で、個人の立場で自由な意見を書けるnoteの方に感想を書いていきます。

若い世代だと知らない人も多いと思いますが、『殺し屋1』は今は廃刊となった「週刊ヤングサンデー」誌(小学館)で1998年から2001年まで連載された変態バイオレンスアクション漫画です。原作は鬼才・山本英夫さん。

自分で『殺し屋1』の項目のWikipediaをさんざん加筆編集しといてなんですが、まあひどいひどいひどいひどい残虐シーンのオンパレード(故・淀川長治さん風)。

世界広しといえども、女性キャラ2名の乳首を切断したり、男性キャラ2名のTNKをサクッと真っ二つにするシーンがしつこく出てくるのは間違いなくこの作品だけでしょう。マジキチ

たまに『殺し屋1』ファンを公言している一般人がいますが、正直なところドン引きしますよね。実写映画版を作られたグロ巨匠・監督の三池崇史さんとか、実写版イチシリーズの脚本をすべて手掛けられた佐藤佐吉さんのような特別な人は例外ですが。三池さんや佐藤さんは天才なので許されます

ちなみに私は『殺し屋1』マニアですが、決してファンではありません。(変人ですが、変態扱いされてたまるかい!)

驚くべきことに先日、NHKの『おはよう日本』で垣原Tシャツ(略称「垣T」)を着てる姉さんが出てたんですよ…(2022/6/22放映分「あなたの”推し活”をサポート スポーツジムや結婚相談所など新サービス続々」)

垣原Tシャツを着てジムでトレーニングに励む垣原推し姉さん。
痛いのに…この人おかしい
(垣原の絵の著作権は山本英夫氏に帰属します)

姉さん、あんた「佐原推し」やなくて「垣原推し」やないかい!カーッ!
(※「佐原」は福本伸行先生のカイジのキャラクターです)

姉さんが着てる垣原Tシャツはこのバージョンですね。

作品を知らない方に補足しておくと、「垣原」はこの作品の事実上の主人公とも言える変態マゾ組長(略して「変マ組」)です。そして、マゾのくせに虐待もやるというとんでもないド変態なおっさんです。恐ろしいことに、作中で垣原は自らの手で少なくとも2人を殺害しています。もっとも、垣原は最後の方でとんでもない死に方をしますが…。バ  カ  ッ(TNK真っ二つ)

わたくし、こんなおかC姉さんとは正直、怖くてお付き合いどころか接近すらできません。それにしても朝早くから公共の電波で垣原を見るとは思わなんだ…痛いのに…この人おかしい。(ちなみにこの姉さん、Twitterのアカウント持ってます。同人誌系の方のようです。一般人なのでリンクしませんが)

実写映画版の脚本を書いた佐藤佐吉さんは、映倫の規定に引っかからないように随分頑張られたそうですが、映倫の判断は見事に「R-18指定」。残当。映倫の良識に乾杯。

それでも日本はまだ寛容な方で、英語で検索したらBBCの記事によるとドイツ、ハンガリー、マレーシアでは上映禁止扱いになってたことが判明し、大草原不可避(詳しくはWikipediaを見てね)。

香港映画は結構グロ表現が多い気がするんだけど(日本じゃ映倫から上映禁止食らった『八仙飯店之人肉饅頭』(1993)とか)、『殺し屋1』はその香港で17分近くもカットされたって、どんだけ~って感じですよ

いかんのか?
そりゃ、あの内容じゃ世界中の誰が見ても
いかんでしょ

ヤクザを天井からカギ針で吊るして熱した天ぷら油ぶっかけたり(カラッとな)、舌をドスで斬るとか、世界的に見てもグロ映画ど真ん中。

ただ、あのシーン外しちゃうと、確実に「イチ」ではないものになるんだよなあ…監督の三池さんや脚本の佐藤さんの判断も難しかったと思いますよ。

でもそのおかげで伝説となり、世界中のグロ映画ファンから高い評価を得たらしい。佐藤さんによると、恐るべきことに世界中に「Ichi the killer」ファンが多いとのこと。一連の実写版『イチ』シリーズの製作に関わった方がおっしゃってるんだから間違いないでしょう。海外では、映画版垣原の刺青を入れちゃう人まで出てくる始末

ある意味、『殺し屋1』は「サディズム」という言葉の語源になった変態貴族作家マルキ・ド・サド (1740-1814) の一連の作品を超えたかも知れない。日本政府の後押しもないのに勝手に世界に羽ばたく変態漫画。クールジャパン万歳!

映画『殺し屋1』に出演した複数の俳優さんも、この映画のファンだったクエンティン・タランティーノのおかげでハリウッドの『キル・ビル』(2003年)の仕事Getできたし、めでたしめでたし。(ええんかこれで…)

まあ、歯医者での拷問など凄惨な残酷シーンが多数出てくる、世界の北野武監督の名作『アウトレイジ』(2010年)がR-15指定だったのを考えると、この作品がR-18指定というのは多少不公平な気がしないでもありません。R-15とR-18では興行のビジネス面で多大な相違があるようなので。

ちなみに最近気づきましたが、巨匠・北野監督はおそらく『殺し屋1』の映画版にかなり影響を受けて『アウトレイジ』シリーズを作っていると思います。その考察も今後行っていきます。『アウトレイジ 最終章』で大森南朋さんが出てきた理由がようやく理解できました。そういえば役名も「イチカワ」でしたね。

Wikipediaにも書いたけど、『殺し屋1』実写映画版は、佐藤さんや三池さんを始めとする制作陣の努力で、あれでも原作漫画と比べてだいぶマイルドになってるのよ

映画版のファンだったタランティーノが原作漫画見てドン引きしたという話があるけど(ネット上ではソースが見つからないけどおそらく事実だと思う)、そりゃあんなイカれた漫画見たらグロ好きな人でもドン引きしますわ。

私が『殺し屋1』を初めて読んだのは学生時代ですが
なんという むせきにんな ざんぎゃくまんがだ!!
フニャコフニャ夫先生風)
と思いましたもん。

こっちは同じヤングサンデーに連載されていたサイクロン猿橋先生の『ときめきヒルズ高校白書』が読みたかっただけなのに…おれはようやくよみはじめたばかりだからな このはてしなく遠いヤンサン沼をよ…車田正美先生『男坂』風)

しかも恐ろしいことに私の『殺し屋1』の初見のシーンは、垣原の指示で井上(加納)の死体に藤原が…グエーッ!!(フニャコフニャ夫先生『オシシ仮面』風)。これ以上書くとnoteのAIで強制的にアダルトカテゴリ扱いされちゃうので御勘弁を…詳しくはWikipedia見てね♡

漫画でネク○フィリアやス○トロを堂々と描写したエグい作品って、国内外問わず、後にも先にも『殺し屋1』だけなんじゃなかろうか。今でもワイのトラウマやがな。ほんっとイカれてるな、この漫画は。(批判とともに、ある意味褒め言葉。ヘヘ…)

ちなみに、私が住んでるところのブックオフ(地域どころか、おそらく地方でも最大の店舗)には『殺し屋1』が一冊も置いてないんですよ

どうも私が住んでるところでは『殺し屋1』が有害図書指定されてるみたいなんですね。古い作品なので自治体の公式発表がネットで見つからないんですが、隣県のブックオフには『殺し屋1』がしっかり置いてありましたので、私が住んでる地域での『殺し屋1』の有害図書指定はおそらく間違いない。まあ、あの内容じゃ残当でしょう。

本来、有害図書指定は新刊書籍だけを対象としたもので、中古本は関係ないはずなんですが、ブックオフではどうやら中古本でも有害図書指定をしっかり守ってるようです。コンプライアンスバンザイ
(追記:ググったところ、ブックオフの場合は東京都内の店舗かそれ以外かによっても違いがあるようで、やたらと「有害図書」にうるさい割には市場が大きい東京都内では、どうやら中古本でも有害図書を売っているらしいです。コンプライアンスはともかく、合法ですので。お金バンザイ!)

同じブックオフに『殺し屋1』と似たような内容の『闇金ウシジマくん』(作・真鍋昌平氏、2004~2019年)はいっぱい置いてあります。

しかし、ウシジマくんと『殺し屋1』は同じようでいて、完全に似て非なるものです。東京都内の裏社会と暴力を描いている点だけは共通していますが、主題が根本的に異なります。ウシジマくんや滑皮(なめりかわ)は決して変態ではありません。その点についての考察もおいおいやっていきたいと思います。ちなみにどっちも小学館の連載漫画。何という有害出版社。

『殺し屋1』はコンプライアンスガバガバの20年前だったから青年誌枠で連載可能でしたが、現在のコンプライアンス規準では、おそらくどこの出版社でも連載不可能ではないかと思われます

現在、『殺し屋1』は単行本の増刷もかからない(というか、おそらくかけられない)ためか、むしろ恐ろしいことにネットで合法的に無料入手できるようになっています(Amazon Kindle Unlimitedや「スキマ」など)。

コンプライアンスとは一体何だったのか。

ちなみに、『殺し屋1』の現在の配信元は『ブラックジャックによろしく』作者の佐藤秀峰氏が運営する「電書バト」ですね。

『殺し屋1』の魅力は何か、と問われるとファンでもない(マニアではありますが)この私がハッキリいいましょう。

世界における残虐表現の新たな地平を開いた。

noteには既に『殺し屋1』ガチ勢の皆さんがいるのですが、これだけははっきりと真実を伝えたかった。

『殺し屋1』ガチ勢の方が既に『殺し屋1』の影響を受けた漫画を挙げてくださっていますが、タランティーノのように海外でも影響を受けた人がたくさんいます。

その中で、おそらくもっとも影響を受けたと見られるのが、イギリスの鬼才・マシュー・ヴォーン(Matthew Vaughn)が制作した映画『キングスマン』(2015年)です。この点についての考察は別項にて。

さらに、かの大リーガーが学生時代に出演したことで伝説となった、アジアのネットサブカルの歴史的特異点でもある、あの伝説のホ○ビ(もしくは「聖遺物」)『真夏の夜のINM』1章(2001年)の最後にも何と『殺し屋1』のオマージュシーンが…!たまげたなあ。いいよ!来いよ!

あと、『殺し屋1』の描写には随所に『北斗の拳』の強い影響が見られるんですよね。不思議なことに、ネットではこの点に誰も言及していないのでこれも考察していきたいと思います。テ~レッテ~♪

ではでは~


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