問題を単純化しない
企業等の組織の慢性疾患はなかなか対処方法が難しいものです。
まず、突発的な問題への対処だけで終わらせず、
実際の業務レベルまで下りて、多面的に確認する必要があります。
この時、気を付けなければならないことは、問題を単純化しないことです。そして、上司がよく犯す過ちは、メンバーの管理を厳しくすることです。
上司やマネージャーは、自分の経験や知識の中で、
色んな手立てを講じて、事態の改善に努めると思いますが、
期待通りの効果は得にくいのではないでしょうか。
そして最悪なのは、
「みんなのやる気が無いからだ」と考え、問題を単純化しすぎることです。
単純化して管理を厳しくしてしまうと、
メンバーはますます受け身になり、自分から動こうとしなくなります。
メンバーが自分から動かなくなるのは、
管理職側の問題である場合が殆どです。
(タチの悪い管理職の場合、会社側の問題に転嫁する人もいます)
おそらく、メンバーの方々は状況はある程度分かっていると思います。
ただ、自分たちで現状を変えれるとは思っておらず、
「それに気付いて行動を起こすのは管理職側の仕事」
と思っているのかもしれません。
このように思わせるのも、管理職側の責任だと思います。
メンバーの方々は、
意見は持っているけど、上申したときに
「どうやって?、具体的には?、ちゃんと提案してくれ」
などと言われるのは面倒と思っているならまだマシですが、
「この上司は、何言ったって、否定から入って、自分の良い様にしか進める気が無い」
と思っていたら、これこそ、組織の慢性疾患の根源と言えます。
最初に書いたように、
管理を厳しくして、メンバーのできていない事ばかりがあぶり出され、
「なぜできないか分析して、改善策を出してください」
などと言われたら、
モチベーションは下がり、さらに現状を変える気もなくなってしまいます。
更に管理者側が「やっぱりまだわかっていない」と、
もっと管理を強化すれば、この悪循環は続き、必ず退職者が出るでしょう。
このような認識のズレが続いている状態が慢性疾患の正体です。
組織側がこうした認識のズレに気づき、自覚することが重要ですが
実際にはこれがなかなか難しいのです。
このように、
・問題の単純化
・管理強化による対応
といった状態を変えていくためには、適切な対話が必要になります。
上司側は、自分の認識や意見を一旦置いておいて、
相手の意見や考え方などを傾聴し、受け止め、認識のズレを解消していく
必要があります。
これは、管理者側の意見を言って聞かせて、説得することではありません。
もちろん、管理者側が優位に立つような対話であってはいけません。
ここに、コーチング的コミュニケーションが重要になってきます。
慢性疾患の悪循環の原因が、お互いの認識のズレであることに気が付き、
お互いの想いや考え方を理解した上で、メンバーと力を合わせられるポイントが見つかれば、
状況は少しずつ好転するでしょう。
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