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白のパズルに宇宙を見る

白いパズルの存在を知ったのはフリーホラーゲームの”Ib”でした。

美術館が舞台のホラーゲームでして、作中で”ミルクパズル”という芸術作品が出てきたんですね。
で、世の中には白いパズルがあるんだ、と認識しました。
(それはそれとしてIbはリリースからもうすぐ10年か~~)

自分なりのライフハック

いつからかは忘れましたが、少なくともメンタルが病みやすくなった頃からでしょうか。
「頭の中がゴチャゴチャしたら、真っ白なジグソーパズルがグチャグチャになっているイメージをする」
ということを頭の隅に入れていました。

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「思考がぐっちゃのごっちゃになったら、頭の中のジグソーパズルがごっちゃになっているイメージを浮かべる」
これは客観的に「あ、今、頭の中ごちゃごちゃだな~。ちょいと頭の中を整理しなきゃいかんなコレ」と見るためである。

ふと気づく。「実際にやったことが無いわ」

3年前だったでしょうか「実際に白いパズルをやった方が、イメージがより鮮明なるのでは?」と思いました。
ネットで調べたらダイソーで売っていると知り、近場で探したらあったので即購入。

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120ピースで、完成形はポストカードサイズ。
謎の深夜テンションでやった記憶がある。

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素材はボール紙で、所々ボロボロだったり表面が剥がれそうになっていたり、正直「100均ならしゃーない」というクオリティ。(品質悪くても「まぁ、100均だし」で買っちゃいますよねぇ)
これは確か2~3時間くらいで完成させた記憶。
とはいえ、あまりの低品質に「うわぁぁあぁ表面が剥がれるぅぅぅ折れるぅぅぅぅ」「...これ...合ってる...よな...?」という不安とストレスが多かったので、完成しても喜び半分/商品の品質に対する嘆き半分という、なんとも絶妙な結果になったんですよね。
今度白パズルやるなら、もう少しお金を出して品質いいやつ買おうって心に誓いました。

”宇宙パズル”という商品を見つける

白いパズルの初挑戦から時は流れ、色々あって人間リハビリ状態になった2020年、「時間あるなら白いパズルやってみようかなぁ。頭の整理したい」と思い、Amazonのレビューをチェックして「宇宙パズル」という300ピースの白いパズルを購入した。

商品説明からちょこっと抜粋。
忍耐力と集中力を鍛える、真っ白のジグソーパズル。
宇宙パズル、実際の宇宙飛行士選抜試験に使われているそうで、”宇宙兄弟”でも取り扱われて知っている人は知っている商品のようです。
(ちなみに僕は宇宙兄弟は未履修でどのような内容かは分かりませぬ...)

作業療法にも使われるらしい

”いかに速く完成させるか”というスピード勝負ではなく、”きちんと完成させる”という着実に作業を積み重ねていくことに重点を置いて挑戦。
(メンタル病んでいるのにスピード勝負にしたらストレスマッハで投げ出す気がしてならないし余計に病みそう)
とにかく、大事なのはコツコツと作業を進めるということ。
一種の脳トレですかね。

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外枠は割と簡単。
しかしこの先から商品説明にもある”忍耐力と集中力”を試される。
己の作業効率が可視化されるので、客観的に自分の作業方法といいますか...作業の効率の良し悪しを嫌でも痛感します。

煩悩を滅却し、いかに目の前の事へ集中できるか。
実際にいらん事を頭に浮かべていると進まない。
もはや修行僧のそれである。

ああ、しかし、綺麗で頑丈な素材のパズルは良いものだ...。

上下左右の概念はない

くるくる回して見方を変えて、ピースがハマりそうな箇所をひたすら探す。
時間を置いて合致箇所を探す。音楽を聴きながらテンションを上げてみる。似通った形をなるべく近い場所にストックしておく。

「宇宙飛行士の訓練に使われていたから宇宙パズルという名前なのかしら」という先入観がありましたが、作業をしていて思った。

「上下左右が無い。まるで無重力の宇宙だ」

真っ白なパズルに宇宙を見出した瞬間である。

真っ白で、何も描かれていない。上も下も右も左も無い。ただただ白いパズルがそこにあるだけ。上下左右を決めるのはパズルを見ている者だけである。

だから宇宙パズルという名前だったりするのかな?
ぼや~っとそう思いながら軽快にパチパチとハマることは無いけど、確率でパチッとハマっていくパズルを進めていく。

宇宙パズル

そうして時間をかけてできた真っ白な宇宙。
なかなかピースがハマらない焦燥感、ピースが合致したときの達成感。
これらを直に自分の感覚として刻む。
そして、自分のライフハックを以下へ上書きする。

「頭の中がぐっちゃになったら、あの作業を思い出せ」

冷静にピースを探せていた自分、全然ピースが合致しなくて落ち込む自分、それでも、時間をかけて白のパズルを完成させた自分。実際にやらないと分からない、ということをやった自分。

脳内であれこれただ考えるだけより、体験から得る情報の大きさを痛感する。

頭の中を整理する訓練としておすすめ

実際やってみると全く同じ形のピースは無くて、僅差で異なる形で成り立っていることがよ~~~く分かる。
形のクセが強くてすぐ見つかる欠片もいれば、ほんの少~しだけ大きさ諸々が違くてしらみつぶしに探さざるえを無い欠片もある。

思考の整理を物理的・感覚的に叩き込むにはいいパズルだと思います。
心を無にする訓練にもよき。

もしもこの記事見てやってみようかなぁって思う方がいらしゃったら、作業場の確保だけは大事であることをお伝えします。
うっかり腕が当たって机から落としちゃったり、猫ちゃんが遊びまわってしまって大崩壊したりする可能性がありますからね。

用法・用量守って安全第一でやりませう。

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