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ひろゆき、DaiGoの「折り鶴」発言は、事実誤認、障害者差別 ~1~ そもそも彼らはアルバイトはできない

 ロシアの侵攻で大変な状況にあるウクライナの人々の心に寄り添おうと、埼玉県行田市]の障害者就労移行支援施設「レイズアップ」の利用者が、同国国旗の色の青と黄で折り鶴を作った。25日に東京都港区の同国大使館に届ける予定という。

 この朝日新聞デジタルが4月12日に配信した記事が波紋を広げた。これを受け、「ひろゆき」こと西村博之氏が16日、Twitterで、

 千羽鶴とか『無駄な行為をして、良い事をした気分になるのは恥ずかしい事である。』というのをそろそろ理解して貰いたいと思っているのは、おいらだけですかね?

と投稿。

 さらに投稿に反応した自称メンタリストことDaiGoが、これまたTwitterで、

 ひろゆきさんの言う通り、ウクライナに折り鶴送るは狂気。実際は誰と助けないのに、いいひとぶりたい人のエゴでしかない。結局、口だけで誰も助けず、いい人振りたいだけの愚者の行動。そんな暇あるなら、バイトでもして、ウクライナに海外送金してあげなよと。(※原文ママ)

と述べた。

 しかし、そもそも、この二人の投稿には大きな事実誤認がある。

 折り鶴を送る人たちが、「障害者就労移行支援施設」に通う、障害を持つ方々であり、さらに折り鶴の送る先が、「ウクライナ大使館」であること。

 また「就労移行支援施設」とはいえ、日々、障害者雇用を含め、障害者が就労するために日々、ビジネスマナーやさまざまなスキルを学ぶ場所。そもそも、バイトなど原則、行くことができないのだ。

 さらにいえば、そこに通っても交通費は出るところもあるが、原則、「訓練」なので収入などもらえない。そのため、海外送金もできない。

 日刊ゲンダイには、施設関係者の言葉として、

 今回の一件はウクライナ大使館も『ありがたい。是非お願いします』と言ってくださったことからスタートしているものと聞いています。

 確かに迷惑だという意見があるのも重々承知ですが、武力ではない平和の大切さに気づいて欲しいという思いは文化や国を超えて伝わることも中にはあると信じたいです。

 実際にウクライナから避難して日本に来た人の中には『平和の象徴である鶴を自分も折ってみたい』という方もいらっしゃいます

 千羽鶴の寄付を申し出た施設では今、誹謗中傷の電話が鳴り止まず、職員も折り鶴製作に協力してくれた一般の方々も、心を痛め、怯えながら暮らしていると聞きました

との声がある。まさにこの二人のTwitterの投稿など、言語道断、阿保まるだしで始末におえない。

 インターネット空間では、なぜ彼らのような連中がもてはやされるのだろうか?

 筆者自身、長年の精神疾患の持ち主である、前述のような障害者就労移行支援施設に通った経歴を持つ。そうでなくでも、今の時代、インターネットで少しググれば障害者就労移行支援施設の実情など知ることができるだろう。

 しかし実際には、彼らのような”大バカ者”がこと日本においては蔓延り、結果、さらに彼らの”被害者”として多くに障害者が途方に暮れてしまうが実情だ。

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朝日新聞はどう伝えたか?


 そもそも、肝心の朝日新聞はどのように伝えたのだろうか。記事は、デジタルの無料記事で4月12日18時30分に配信。猪瀬明博記者名義の記事だ。

 記事は、

 「頑張っている人に届けたい」 ウクライナの人々へ折り鶴4200羽

という見出しのもと、

 ロシアの侵攻で大変な状況にあるウクライナの人々の心に寄り添おうと、[埼玉県行田市の障害者就労移行支援施設「レイズアップ」の利用者が、同国国旗の色の青と黄で折り鶴を作った。25日に東京都港区の同国大使館に届ける予定という。

 40人ほどの利用者が3月中旬から、作業の合間に約4200万人の人口にちなんで4200羽を折った。その後、鈴をつけた根付け風の折り鶴も作り始めた。ウクライナの人一人ひとりに届けるもので、千羽が目標。一番精緻(せいち)な折り方をするという塚田真帆さん(23)は「頑張っている人たちに届けるため、頑張って折っています」と話す。

 実際に記事をよく読めば、「ウクライナ大使館に届ける」と書かれている。

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