創作大賞2024に投稿したエッセイの話(1)異世界

人生初エッセイ
人生初投稿(しかも公開)
今年の目標をすでに終えた私としては、やりきった感はありますが(笑)

当初の目的のブログライフを充実させるべくコツコツ書いていこうと思います。
はじめまして。の回にも記したように、「創作大賞2024」に投稿したエッセイで書ききれなかった話を綴っていきます。


第1回なので投稿作の『題名』について私語りをしたいと思います。


子どもの頃からマンガは好きでした。今はスマホがあるのでより身近になりましたね。
でも私はいわゆる「異世界モノ」には興味がなく「転生」が流行ってるらしいことは知ってたけど、テンプレで量産される中から掘り出し物を見つける気力はなかった。文章のように長い題名にも抵抗があった。だから読まなかった。

でも。
現実がとてもつらくて、娯楽にまで現実の気配がつきまとっている気がするほどナーバスになっていた時、私は禁断の「異世界モノ」をタップした。

開いてみると、予定調和なストーリーと固定化されたキャラたちのポジションがブレることなくテンプレらしく、みんな間違わずに「あるある」展開していき、いつのまにか私を苦しめる思考の嵐は停止していた。

俗にいう現実逃避。思考停止状態。
だけど、私は「救われた」。

「異世界マンガ」によって私は、つらい現実を思考し続けることがやめられない苦痛からようやく解放された。
有難いことに量産されているので読みきっても次の読み物がある。
絵柄が変わってもストーリー展開はどれも同じという安心安定の世界観が、こんなにも私の精神衛生に寄与してくれるなんて。想像もしなかった。

荒波のような日常をこなしながら私はテンプレの海にどっぷりと浸かって癒され、その世界観を楽しめるまでに回復(?)。
「異世界モノ」ってこんなに面白かったんだ!と認識を改めた時、私は奇妙なことに気がついた。

学生時代から、マンガの主人公にあまり共感することがなかった私は、どちらかと言えばヒロインよりも、その友達ポジションに共感。ヒロインの彼氏より彼氏として選ばれなかったサブキャラが好きだった。
そんな私が『「異世界モノ」の女主人公の気持ちが痛いほど理解できる自分』に気付いた。

これが共感というものなのね!
私は勝手に沸き上がってくる不思議な感動を噛み締めた(笑)

だけど、どうしてこんなにも共感できるんだろう?

疑問に思ってテンプレを調べてみると、異世界テンプレあるあるには「女主人公」とは別に「ヒロイン」が存在していた。

成程。
私は「ヒロイン」に共感したわけじゃなかった。「異世界モノ」の世界観で私は、断罪され処刑される「女主人公」に共感していたのだ。
そして皮肉にも共感したことで、私は現実に引き戻された。

もちろん現実世界は断罪され処刑される心配もなく、時代背景も世界観も、現実を想起させるものは一つもない。
異世界マンガはリアリティのない虚構。だから他人から見ると私は飛躍した妄想をしているにすぎないのかもしれない。

でも思考の中で「異世界」と「現実」が符合した瞬間、私の閉塞感は一気に解消した。
それは求めていた自己啓発本に出会った時の感覚にも似た、暗いトンネルをくぐり抜けた先に道が見えた瞬間だった。
娯楽の1つにすぎなかったマンガがこの時、私の中で自己啓発本と同じ位置付けになった(笑)

まさか「異世界マンガ」が私に新境地を開いてくれるなんて。

女主人公のセリフは私の心の声だったから、私の現実も異世界テンプレに沿って進んでいけば、自分が望む展開になっていくんじゃないか、と私は仮定することにした。

私にとって「異世界テンプレ」ルートだと思う現実を選択すればいい。
「ご先祖様の夢」を選択したのは、その始まりにすぎませんでした。

*

読んでいただきありがとうございます。
次の回では「ご先祖様の夢」について綴ります。

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