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喫茶店に行くことの楽しみのひとつ


  個人経営の昔ながらの喫茶店に入ると、わりと高確率で、本棚が置いてある。たいていは店長の趣味が反映されたセレクトである。珈琲関係の専門書やどこかのカフェ店長が書いた、自伝やエッセイ本が多い。海外有名写真家の写真集も多い。いまとなっては、流行はずれになってしまった、人気コミックスなどを全巻買いそろえている喫茶店もある。
 生活おしゃれ系の雑誌が置いてあるのも、基本である。
 私は、そういった店に入ると、たとえが読みたい本を持ってきていても、その書棚の前に行き、メニューを読むようにひととおり眺め、興味がわいた本を抜いて、読むことにしている。
 意外な本に出会うことがあるからだ。
 考えてみれば、日常生活の中で、私が書店に行き、眺める書棚など、その範囲が決まっている。日本・外国の文学全般、エッセイ集、サブカル、写真集など、広範囲で見ているつもりでも、しょせんは、狭い。たかが知れている。
 私の視線が、日頃届く範囲からはみだすことがない。

 喫茶店に行くことに付随する楽しみの一つである。



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