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「芥川賞って何?」

〇月〇日

「芥川賞って何?」
 と以前、職場で聞かれたことがあった。
 芥川賞、直木賞の発表は、ネットのトップニュースになるし、本が発売されれば、ベストセラーにもなる。世間が知っている小説の賞ではおそらくもっとも有名な賞だ。
 私はその質問に驚いたが、よくよく考えれば、知らない人のほうがメジャーなんじゃないかという気がする。
 本と言えば小説を指す。本屋に行けば文学及びその周辺ジャンルの棚を回る。いや。そのジャンルの棚しか回らない。1月、7月になると、何となく芥川賞、直木賞の季節だなと思う。そういう人種にとっては芥川賞は、季節の風物詩の一つくらいに定着しているが、出版に関係のない世間では、ぜんぜんそうではないような気がするのだ。
 直木賞作家が、病院に入院したとき、私のことを誰も知らなかった。みんな直木賞や小説に興味がないのだと嘆く内容のエッセイを読んだことがあるが、世間とはそれくらいのものではないか。

 話は変わるが、ライトノベルの宣伝文句で、たとえば「転生したらスライムだった件」は、累計4000万部とうたっているけれど、本当なのだろうか。すごい数字だ。
 私の職場では、この「転スラ」でさえ話題になっているのを聞いたことがないけれど。
 もっともこれは職場年齢のせいだという気がするけれど。コミケに行くような人なら全員知っているだろう。


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