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本当は、私は母とこういうことがしたかったんだ

最近、娘がやたら私の真似をしようとする。 
 

ドライアーで髪を乾かしていれば「トトちゃんも!」と言うし、 

爪を切ろうとしていると「トトちゃんも!」と言うし、

買い物の会計時にも「トトちゃんも!」

米を研ごうとしていると「トトちゃんも!」

食器を洗い始めれば「トトちゃんも!」。 
 

今日は、夕飯を作っている間ずっと「トトちゃんも料理したい!」と言ってそばを離れなかった。  
 

きっと、大人がしていることを自分もやりたいっていう、そういうお年頃なのかもしれない。  
 


 

もともと専業主婦だった母は、私が幼少のときから働き始めた。  
 

向上心が強く、努力をする人だったから、どんどん出世していって、いつのまにか父よりも忙しい人になっていた。  
 

中学生になる頃には、出張の頻度も増えてきていた。 
 

結局、両親は私が中学生のときに離婚して、私は母と一緒に暮らし始めた。 
 

月に1回あるかないかの出張も、週に1回あるかないかになり、とうとう私が高校に入る頃には「単身赴任になるからよろぴこ」となった。  
  

高校に入ってからは、1〜2ヶ月に1度帰ってくるというような生活。 
 

そのせいか、「母と過ごした時間」をあまり思い出せない。小学校低学年から高校卒業までの期間、母との思い出がすっぽり抜けている。 
 


    

最近、娘がやたら私の真似をしようとする。 
   

今日は、珍しく「テレビを見たい」とも言わず、夕飯を作っている間ずっと「トトちゃんも料理したい!」と言ってそばを離れなかった。     
  

正直、火を使うから危ないし、身動きがとりにくいから、「うぅ〜あっちに行っててくれ〜」と内心思う。  
   

だけど、キッチンにこうして二人で立てるのってなんだか嬉しい。   
   

「あっちに行ってくれ〜」と思いつつ、もう少し大きくなった娘と一緒にキッチンに立つ自分の姿を想像していた。 
 

いずれ、(というかだいぶ先だけど)一緒に食事を準備したりするのかな、って。 
   


   

当時はまったく気にしていなかったけれど、娘と一緒に何かをするとき、 
   

あ、本当は、私は母とこういうことがしたかったんだと気づく。  
     

昔自分ができなかったことをこの子としたい、そう思っている自分に気づく。 
   
  
 
今日はそんなことを思った。
 
 
 

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