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(後半)SaaS Designers Meetup vol.1 - レガシー産業で挑戦するスタートアップたち

この続きです!!その前に

【CM🙏】

さて、後半はUbieとモチベーションクラウドの話です

医療現場におけるUIデザイン
Ubie @三橋さん

■Ubieとは
・世界中の人々を適切な医療に案内する医師とエンジニアで創業
現場で起こっている課題
・長い待ち時間・病院・診療科のたらい回し
・昭和から変わってない体験
→医療体験のアップデート AI問診 Ubie
問診時間が1/3に短縮

■Work Flow
患者側の体験を最高にするために体験の障害と取り除き、磨き上げる
- チームで協業することが不可:欠医師・営業・エンジニア・デザイナー
- どの視点が欠けてもうまくいかない・医学的な視点・要望

観察、ヒアリング→要件定義→プロトタイピング
・Figmaベースでそこにコメントをみんながしながら作り上げていく

■UIデザインをする上でこころがけていること
・待合室には様々な世代と様々な状況のユーザーがいるということ
・どのユーザーでも入力時間は短く、そして医師にとって必要な情報を聴取するために、ユーザビリティとアクセシビリティを考えている

■ユーザビリティ
ユーザが目標を達成するための使いやすさを感じてもらうこおと
・例えば、ubieの問診、入力画面はDAMのカラオケと同じもの日常の中で広く使われているUIやメタファーを参考にした

■アクセシビリティ
コントラストや文字サイズの調整などアクセスしやすいように
※画面改善のケーススタディ:入力時間が30秒と長く様々な課題
 - ツールを用いてアクセシビリティを考慮・視覚障害者にとっても対応できるかとか・そういう疑似体験ができるゴーグルがあってテストする
 - ユーザビリティ解決、改善の一例入力画面で時間が長く、混乱があった
 - 高齢の方でも普段の生活で目にするものをメタファーにトイレのウォシュレットのボタンとか
 - 色調の調整、ボタンはボタンでわかるかとか文字のコントラストとかをソフトウェアで評価
 - 実際使ってもらうところを動画に撮った自分の親にもお願いしたり
⇨結果、問診入力の時間の長さが課題だったものが、60代の中央値29秒が16秒になって短縮

■まとめ
医療の現場にはまだまだできることがたくさんあるデザインで医療体験の普通をアップデートしていきたい

Object-Oriented Design Process
Goodpatch 石井さん

・iOSデベロッパーの経験もあり、今はアプリケーションデザイナー
・リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドを手伝っていたのでその話を1st versionリリース後のリデザインから関わっている

■モチベーションクラウドをデザインすることの難しさ
・特定の業種ではない(ターゲットがすべての組織)・事業ドメインが組織というとても広い領域・ITリテラシーも様々・コンサルティングを含めた運用フローの変化
アプリケーションで提供するソリューションをベースにしたUI設計から、アプリケーションで提供する「事業領域」をベースにしたuI設計に変化

■それに対応するUI設計思想とデザインプロセス
・様々なリテラシーのユーザーに対してどう考えて対応していくか
・ペルソナ/シナリオ法を生み出したアランクーパーのAbout Face3という書籍がありまして、ここにこう書いてます

「ほとんどのユーザーは、初心者でも上級者でもない。
彼らは中級者なのである。」
「初心者に留まりたい人はいない」

・ユーザーは時間の経過とともに中級者層に引き寄せられる
 - ボリュームゾーンは中級者になるから、中級者向けにデザインせよということということ
・わかりやすさ(初心者) <= 使いやすさ(中級者)
 作業効率 <= 学習効率(習熟効率)
 - 習熟をどれだけ早くできるかということが大事
 - どうすればその製品を早く使いこなせるようになるのか、を意識する

■デザインプロセス
・ギャレットの五段階モデルをベースにデザインしている
ロードマップ→ ユーザーストーリー→モデリング→レイアウトデザイン/ナビゲーショオンデザイン→ビジュアルデザイン
特に、今回はモデリングの話

ギャレットの5段階モデルとOOUIを組み合わせて今回考えた。

■ギャレットの5段階モデル
(詳細は石井さんのこちらの記事が良さそうである。)

■OOUIとは
・CLIからGUIに転換した時の重要な思想の一つ
・利用者のタスクではなく利用者が業務で扱う情報を中心に設計する
・利用者が画面上で触れるものが目的語として機能する設計

ソフトウェアで扱う情報の粒度は、戦略から構造に向けて詳細化していく・戦略(ロードマップ)→要件(ユーザーストーリー)→構造(モデリング・オブジェクト)
・オブジェクトを定義しながら構造図を徹底して書いてく
・オブジェクトの関連図がそのまま画面遷移になっていく

・この作業を必ずデザイナーがやらないといけないわけではないが、チームの中で得意な人がやっていけばいい
・ポイントとしては、同時に複数の職種の人が認識を合わせるということをやると仕様のズレが起きにくくなるのでいい

骨格(レイアウトデザイン、ナビゲーションデザイン)→表層:ビジュアルデザイン という考え

一貫性が大事
・デザインガイドライン策定
・動的なコンポーネント設計(エンジニアと一緒にやる!)

ちなみに、アドベントカレンダーにもいくつか記事があります


■まとめ
・変化に強いUIを作るためにOOUIはとても重要
・一貫性のある操作体験を提供するならエンジニアと一緒に作る
・GUIの歴史を知る
ということがすごい大事

About Face3輪講の資料についての記事、こちらも貼っておきます


パネルディスカッション
Ubie 畠山さん x Ubie 三橋さん x Goodpatch 石井さん

■About Face3・中級者の定義ってどうしていたのか?リンクアンドモチベーションの場合、すっと定義できたのか、難しさとかあったか?

・中級者:誰が見ても中級者だよねというのを定義するのは難しい。
どういう感情とか、何ができるできないという感じで目線を合わせていった
 - パワポを使ってテンプレートを作ることができる
 - エクセルのSUM関数わかるとか
・ITリテラシーとドメインのリテラシーもある
顧客だからこのドメインにめっちゃ詳しいというわけではない。そのドメインに対してどこまでの知識を持っていそうかというのを一緒に考えられるといい

■チームのメンバーが、中級者はこういう感じっていうまで浸透しているのか?しているならどうさせたか知りたい

・チーム全体では同じ認識では持ててない。これをやろうとなったのはガイドラインとしてどういう言葉遣いをしようか、概念をどう説明しようかと悩んだ時にこういう考え方にあたって、ガイドラインを作った。
チーム全体で直接伝えたというよりはガイドラインを通して定め、伝えていくという形

■めちゃめちゃなスピードで開発が進む中どういうタイミングでコンポーネント設計の見直しを考えるか?意思決定どうしてましたか?

パートナーとして参加している身だが、ここはリンモチのすごいところの一つだと思った。開発チームの士気が下がってくるタイミング、コードがしんどくなってリファクタリングしたいなとか、モチベーションが下がっていくという局面にあった時、事業責任者の麻野さんが、だったら開発一旦止めて見直していこうという意思決定をできた。自分たちが最高じゃないとダメやという意識を彼らは持っている。

■問診時間の改善について。どういう風に病院に協力してやってもらったのか?
・そもそもツールで測れるようにはしている
・データ分析周りに強いエンジニアが仮説検証しやすいように最初から設計してくれていたのでそこはスムーズだった

■SaaSプロダクトつくっててOOUIに注目している。一方、ユーザーにどれだけ自由度を持たせるか?どれだけObjectをいじれるようにするか?設計について考えたことを教えて欲しい

・ユーザビリティって与えれば与えるほど一定量上がるとは思っているし、自由度もそこに相関するとは思っている
・制約の与え方としてはどれが主要なユースケースなのか?ということ。
・制約をかける、タスクベースのインターフェイスにする。
・あまりにも自由すぎるのは良くないと思っていて
・そのへんはユーザーストーリーとか機能設計とかユーザビリティテストのところで反応を見て考えられるのではと思っています

■ユーザビリティのテストはどうやっているか?

ユーザーが言っていること、言葉にしていることは信じない。それよりどういう行動をしたのかに注目している。カメラをつけて、音声ありでみて、そのあと音声オフにしてもっかいみるとかいい

■再度、自由度の話
ubieだと、2つのプロダクトある。患者側の問診票と医師が使うエディタみたいなもの。前者はあえてタスクベースにしていて、後者はオブジェクトベースで自由度を持たせている。前者は問診なので直線的な利用になる。
難しいのはユーザーに解釈の余地がうまれる表現をしただけでブレてしまうところ。熱が高い時〜という質問だと、一番高い時なのかいつの話で答えればいいのかわからないとかなる。そういう部分は改善し続けるしかないという認識でいる。

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