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『紅蓮館の殺人』 阿津川辰海

最近、館もののミステリーを読みたくなったので読んでみました。

高校の合宿を抜け出して、文豪の屋敷に向かっていた主人公とその友人、葛城。しかし、道中で山火事に遭遇し、屋敷で救助を待つことになる。
その屋敷に住まう少女つばさと仲良くなるものの、翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見される。これは事故か?殺人か?
館が焼失するまでのタイムリミットは35時間。彼らは真相を解き明かすことはできるのか!?

といったお話です。

こちらの本は講談社タイガから出版されているので、ライトな小説なのかなと思っていましたがけっこう本格的でした。ただ、会話文が多かったりする点は、ライト文芸っぽいなと思いましたね。

本書はどちらかといえば、ミステリー初心者の方向きだと思います。

理由は
①登場人物が少ない
②探偵の助手目線で物語が進んでいく
という2点です。

①については本書は登場人物が少なく、且つそれぞれのキャラが立っているのですぐに覚えられました。
別に推理をしながら読みたいわけではないという場合には、登場人物をメモしながら読む必要がないくらいのキャラクター数の作品はありがたいですね(笑)。

②の探偵の助手目線で進んでいくことのいいところは、読者が疑問を感じるところで語り手も同じように疑問を感じているので、理解しやすいという点です。

なかには頭がすごく切れる助手もいるので、ぼんやりしている私は度々置いていかれます。この本の場合は探偵の推理に対して、「そうとも限らないのでは?」とか「なら、あれはどうやって説明するの?」といった感じでツッコミを入れながら読めました。

まあ、それが良いのか悪いのかはその人の好みにはなりますが…。

本書は続編もあるようなので、時間があるときに読んでみようかなと思います。

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