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非暴力でのたたかい方はすべて図工と家庭科の時間に学んだ。刺繍とステンシルの巻

「ペンは剣よりも強し」と言いますが、糸や針もペンに勝るとも劣りません。糸と針があれば”非暴力の戦闘服”を作ることだってできるのだから。

昨年、3年に一度の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(あいトリ)で、一部の展示が市民からの抗議や爆破予告によって、一時中止に追い込まれる、という出来事がありました。

標的となった展示『表現の不自由展・その後』は前評判も高く、あいトリを見に行く予定があったitotokiも楽しみに思っていました。機会が奪われたことは素朴に残念でした。

あいトリを見に行く前日、itotokiは突如『表現の不自由展・その後』で展示されていたはずだった「平和の少女」コスプレしようと思い立ちました。見られなくなってしまった「平和の少女像」をわずかでもあるものとしたい一心で。

IMG_6662のコピー (1)

急いで白のTシャツを買いに行き、刺繍とアップリケで小鳥をつけ、リボンも作りました。戦時中に性暴力に晒された従軍慰安婦がモデルといわれている「平和の少女像」ですが、負のイメージだけではないという思いを込めて、可愛く仕上げました。当日は、髪型も似せたコスプレで会場を歩き、写真を撮ってSNSで発信しました。itotokiはコスプレという形で「平和の少女像」の不在を抗議しました。小鳥のアップリケのついたTシャツは”非暴力の戦闘服”でした。

2019年、itotokiの中で、もう一つ大きな出来事がありました。それは、性暴力に抗議するスタンディングデモ「フラワーデモ」に参加したことです。Me Tooと声を上げる人たちの傍にWith Youと寄り添う人がいた、そんなデモでした。
itotokiは、平和の少女像が花を持ってフラワーデモに参加するコラボTシャツを作ってみました。

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この時は、ステンシルという技法を使って、花を持った少女たちが声を上げている様子を型染めプリントしました。

可愛いTシャツが出来ると人に見せたくなりますね。このTシャツは、レインボーパレード(LGBTなどのセクシュアルマイノリティーの存在を社会に広めたり性の多様性を祝うイベント)で着用しました。

IMG_2725のコピー2

表現の自由を訴えたり、性暴力に抗議したり、性の多様性の尊重を求めたり。これらの社会運動にitotokiは、コスプレでのSNS発信やオリジナルデザインのTシャツでパレードするなど、”非暴力の戦闘服”で身構えることなく参加しています。

”非暴力の戦闘服”を作る技術は、すべて図工か家庭科の時間に習得したものです。そういえば、絵画造形教室でも、刺繍やステンシルがたびたび課題になっています。

刺繍の試作品

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ステンシルの試作品

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ステンシルの型(バンクシーの地下鉄車内での制作映像を見たら、ステンシル技法で描いていました!基本は同じです。:7月15日23時追記)

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教室に通う子どもたちにも、社会への訴えを表現する日が来るかもしれません。”戦闘服”に限らず、非暴力で表現する技術を持っているということを忘れないでいてほしいと思います。



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