うつ病にてドロップアウト道中記 #2 病気について。

第2回目です。今日は私の病気の発症や変位、調子が下降する原因、実際にやってきた・やっている対処などについてつらつらと書いてみます。

初めて「あれ、おかしいな」と感じたのは、お医者から鬱だと診断される2年以上も前。当時、基本無料のゲームアプリが台頭しはじめた頃でした。いくつかのタイトルが大きな成功をおさめ、ゲーム業界に決して小さくない波紋が生まれていました。

わざわざ時間と予算をかけてゲームを完成させなくても、シナリオ・システム・プログラムなどが未完成の状態であっても、ユーザーの興味を引くプロモーションを展開でき、射幸心をあおるキャラクターを作り出せれば、それだけで大きな利益が得られるということが、経営に携わるような偉い人達の間で認識されはじめていました。そうした変化がもたらしたものによって、会社の方針、開発の方向性も刻々と変わっていったのです。

会社の体質や方向性が変わっていく中、自分が理想とするものとの解離を徐々に感じ始めていた頃でもありました。確かに携帯でプレイできるソーシャルゲームは敷居が低い。基本無料で遊べてしまう。複雑な操作を覚える必要もない。携帯は常に持ち歩くものだから、ちょっと空いている時間で気軽にプレイできる。そうした利点は認める。だけど、私はじっくり腰を据えて遊ぶゲームが作りたいんだ!

なのに、そうした事ができなくなってきた。労力少なくて利潤を得られる成功例がすでにあるのだから、会社はそちらにばかり意識を向ける。そんなことがストレスとなり心の中で徐々に蓄積していったようでした。

そうしてまず自覚したのは意欲の減退です。

朝起きると身体が重い。仕事で集中力がなんだか続かない。頭の回転が以前より鈍い。歩く両足にわずかな重みを感じる。なかなか寝付けなくなってきた。食べるご飯の味が段々と薄く感じるようになった。といった些細な違和感がいくつも積み重なっていました。そんな身体が出していたささやかなサインを無視して仕事を続けた結果、私は変化した仕事のストレスとプレッシャーに押し潰されるに至ってようやく「これはヤバイ」と自覚したのでした。

病院に行く大きな切掛となったのが、「夜ほとんど眠れなくなった」事と、「何を食べても味がほとんどしない」と「そもそも空腹にあまりならなくなった」事。そして「空腹を感じて食べても吐いてしまう」事です。

とはいえ、最初に訪れた病院は普通に内科外科のところで、精神科と全く関係のないところでした。なぜかというと、当時は今ほど精神的な病に対する理解が世間に浸透しておりませんでした。「精神病は甘え」という言葉がよく聞かれたほどです。そんなわけで、メンタルクリニックにかかるということへの忌避感が私の中にあったのです。

最初に行った内科外科の病院で様々な検査を受けたのですが、これといって特に大きな異常はなし。お医者から精神的なものが原因の可能性が高いので、専門のメンタルクリニックを受診した方が、と言われました。葛藤がありました。メンタルクリニックに足を運ぶこと。精神的なことを専門にする医者に診てもらうこと。そして何より診てもらった結果、精神的な病気だと診断されたらどうしようという不安。

思い悩みましたが、実際問題、仕事どころか普通に生活するにも影響が出ている状態で、このまま放置するという事は出来ませんでした。重い足を引きずり、メンタルクリニックにうかがった私が言われたのは、「うつ病」という診断結果でした。

あれー。おかしいぞー。発症から診断までしか書いてないのにかなり長くなってしまった……。長文過ぎると読むのも一苦労だと思うのでこれで一旦区切らせていただきます。


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