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やさしい世界を作る努力

大阪から、母と妹家族が遊びにきてくれている。

あいにくの大雨だったが、電車に乗って水族館に出かけた。イルカショーにはしゃぐ姪甥や妹をみて癒される。よかった、楽しんでくれて。

ホテルに帰る道すがら、電車内に高齢のご夫婦が乗り込んできた。明らかな大荷物。奥様のほうはかなりお疲れのようだった。

私は、ご高齢の方が電車に乗ってきたらなるべく席を譲るようにしているのだが、今日は眠り込んでしまった息子を抱っこしての乗車だった。

周りを盗み見るが、席を譲る人は誰もいない。隣に座っていたオジサンは急に株価をチェックし始めた。……しゃあねえ、立つか!

私が「どうぞ〜座ってくださーい」と声をかけると奥様は恐縮されたが、株価チェックオジサンが次の駅で降りたので、並んで座ることになった。ご主人の方も、ほかに空いた席があったので無事に座れた。

その後雑談し、別れ際には「ご親切にどうも。気をつけて帰ってね」と声をかけてくださったご夫婦。小さい子どもを抱いてるから……と知らんふりすることもできたかもしれないけど、声をかけてよかった。

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ホテルに着いてからしばらくすると、姪っ子がなにやら熱心に書いている。「何書いてるの?」と尋ねると、ホテルがとてもキレイでうれしかったので、清掃の方にお礼の手紙を書いているのだという。

なんて優しい子!!
たしかにそんな手紙をもらったら、清掃の方は喜ぶかもしれない。私も姪っ子にならい、一緒に手紙を書くことにした。

ふだん生活をしているなかで、見ず知らずの方に親切にしてもらうことがたくさんある。もちろん、嫌な思いをすることもあるけれど、親切にふれるとその何倍も幸せな気持ちになるし、その日の価値が急上昇する。

それって、親切にしてくださった方が割いてくれた時間や、声をかけるまでのちょっとした勇気が、私に力をくれているのだろうな。

だとすれば、私もまた、誰かが困っているとき、誰かが頑張っているときに、そっと力を添えて「やさしい世界をつくる努力」をしていきたいなぁ、なんてしみじみ思ったのである。そんな方向性の「努力」もあるんだよね。

見知らぬ方にはもちろん、ふだんからお世話になっている方々に対しても「やさしい世界」を提供していければいいなぁ。

(Day.18)


▽今日の1冊▽

はらだ有彩『ダメじゃないんじゃないんじゃない』


「男の子がコスメと生きるのは?」「女に性欲があるのは?」「産休育休で仕事に"穴"をあけるのは?」

この社会で「別にダメじゃないのに、なんかダメっぽいことになっている」アレコレについて一緒に考えられる、思考実験エッセイ。

はらだ有彩さんのエッセイはどれも優しくて、自分のなかのもやもやをズバーンと言い当ててくれる。たとえるなら、頼もしい親友がガシッ!と肩を抱いていてくれるような感覚だろうか。

自分のなかにある息苦しさの正体について言語化したい人、そうでない人にも読んでほしい。自分を悩ませる大きな原因がみえてくるはずだから。

▼昨日の記事。失敗に弱い私が気をつけていること。▼


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