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〈京都〉本をよむ

今日は、本にまつわる1日でした。

大学図書館で卒業論文の参考文献をたくさん借りていたのだけれど、コロナのこともあったり、わざわざ大学まで行くのも面倒で、延滞しまくっていました。

あまりにも延滞しすぎて早く返せ!と催促の電話がかかってきたので、重い腰をあげて、返しに向かう。自由に一人で京都をめぐるのが随分と久しぶりだったので、はしゃいでしまい、頭の中では図書館の後にどこに行くかをあれこれ考えました。

当初の予定はこう。

①早起きして大学図書館で本を返す②百万遍の古本屋で哲学書を買う③京大北門前進々堂でお茶をしながら森見登美彦「きつねのはなし」を読む④お腹がすいてきたら、お昼に一乗寺の鳥だくラーメン「極鶏」を食べる⑤腹ごなしに「恵文社」で本を物色する⑥「アカツキコーヒー」でふくろうクッキーがちょこんとのったモンブランを食べながら恵文社や百万遍の古本屋で買った本を読む⑦バスで神宮丸太町まで降りて、「ひつじドーナツ」でお土産を買う⑧疲れたら最後に「喫茶 百景」で夜遅くなるまで本を読みふける


……当初の私には完璧な計画だったけれども、どう考えたって詰め込みすぎです。

できるわけありません。

まず、朝寝坊からはじまります。

あたふたしながら家を出て、大学についたのが12時。

もうお昼です、お腹がなるほど腹ペコ。

とりあえず、図書館のお姉さんに怒られつつ本を返し、これは先に一乗寺に向かい鳥だくラーメン「極鶏」を食べるのが良策だと思いました。出町柳で愛しの鴨川デルタを横目に、叡山電鉄で一乗寺へ。

一乗寺に近づくにつれて、いつも遠くの前方にあった大文字山がどんどん背後に向かうので、どうも変な感じがしました。それにしても、叡電は1車両しかないのがとても可愛らしいですね。

一乗寺に着くと、雨が降ってきて空はどんより曇り空。それでも歩いて「極鶏」に向かったけれど、すごい行列。その上、並んでる方の殆どが男性客。おじさまや男子大学生グループ。女性も1人いらっしゃたのですが、男性と一緒のようで、どうも並ぶ勇気が出ない。

お腹はペコペコだったけれども、外にも店内にもお客が塒を巻いて並んでいたので諦める。

ここのラーメンは、食通の友人が「とにかく美味しい、食べにゃ損だ!」と目をうっとりさせながら魅力を並べるのを聞いていたので心残り。鶏のスープが濃厚すぎて、レンゲが立つんだとか。もはや食べるスープなんだとか。
嗚呼、私の意気地無し。

定食屋もランチの時間は過ぎていたので、ひもじいまま「恵文社」へ。

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すごく素敵な書店で、1日潰せそう。

建築や美術、世界の料理やポピュラー音楽、それぞれのジャンルごとに棚にまとめられているのですが、そのジャンルのなかのいわゆる「学問書」から「最新の雑誌」まで一つの棚にまとめてあるのです。その棚の本を読み尽くしてしまえば、そのジャンルの専門家になれるんじゃ?私、新たな人生開けるんじゃないかしら?なんて未来構想がムクムク湧き出るような場所です。とても大好きになった。

私は「オンザロード」と「ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集」を購入しました。

ウィリアムモリスの可愛らしいブックカバーが売っていて、欲しくてたまらなかったのだけど、家にウィリアムモリスの100枚レターブックがあるのを思い出し、それをブックカバーにしようとか、なんとか考える。

店を出てアカツキコーヒーに向かう途中で知り合いとばったり。

彼女は一乗寺周辺に住んでるので、恵文社に自転車で行ける選ばれし人です。恵文社に向かう途中だそうで、少し立ち話。楽しみにしていたライブが延期になったと知らされて心が沈みます。仕方ないのだけれど。

そこからアカツキコーヒーに向かったのですが、PC作業や勉強お断りと看板が出ていて、それにお目当のモンブランもなかったので退散。回転率上げたいんでしょうけど悲しかった。

そこからバスで「京大北門前進々堂」へ。

人も少なく、がらんとしている店内。

店内にいる人は皆勉強をしていたり、パソコンで作業していたりと、静かな店内にカタカタとした音が響きます。お腹がぺこぺこだったので、カレーライスを注文。15時でもご飯が食べれて、本もゆっくり読めて、一人でも居心地が良い。

黒々とした大きな長机と長椅子に座り、一息。お店の中心に置かれたストーブから、小学校や祖母の家のような懐かしい匂いがする。店内は暖かく、大きな窓から今出川通を寒そうに歩く学生達を眺めながらカレーを食べ、森見登美彦「きつねのはなし」を読む。どうにもこの小説は怪談が収録されているので、薄気味悪くなってくる。我慢できずに店を出る。

京阪出町柳駅までに、古本屋があったのでずっと欲しかった哲学書を買いました。どうにもモヤモヤして眠れない夜に読もう。

なんだか気が晴れないので、京都BALで友人の誕生日プレゼントを購入。

地下二階の丸善カフェでずっと食べたかった梶井基次郎の「檸檬」ケーキとサイフォンコーヒーを食べ、森見登美彦「きつねのはなし」を最後まで読み切る。

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檸檬ゼリーとレモンのムース、スポンジでできていて、とても可愛らしかったです。

一人でも入りやすかったので、安心して本が読めました。

帰路につく

家に帰って、ウィリアムモリスのブックカバーを作ってみました。百万遍の古本屋で買った哲学書につける用に。すると思ったより素敵で、机に本をおくだけで華やぐ。

これからもたくさん本を読もう。


卒業論文が終わってからというもの、たくさん本を読んでいるのですが、そういえば自分は本が好きでたまらなかったな、ということを思い出します。小中学生の頃は本が友達で、ずっと読んでたなぁ。京都の大学に通ったのも、森見登美彦や万城目学の本を読んで憧れていたから。

文字をなぞって没入する感覚や、思考しながら読むことで、自分とも対話をしているような感覚。これらの感覚からだろうか本を読んでいると、自分を労っている気がしてならないのです。これは、映画や音楽には感じることができないと思っていて、本が好きな理由でもあります。

次は何を読もうかな


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