見出し画像

初めてのお誕生日パーティー in アメリカ 当日編

こちらの話の続きです。娘の誕生日パーティーをするにあたり、「アメリカで質素な誕生日パーティーも存在する」ことに背中を押され、娘本人と内容を考えながら誕生日当日を迎えました。

土曜日の朝10時。天気は晴れ。
我が家に女の子たちが一人ひとり車で送られてきます。
最初に来た子は口をへの字にしており、なぜか不機嫌そう。

家の中に入って「このスリッパに履き替えてくれる?」「………」「嫌かな?」「…うん」「じゃあそのまま入っていいよ」のやり取りをしたあと、テーブルの椅子に座ってもらった…と思ったらなぜか泣いている?!

今までのやりとりで泣くようなことあったっけ?!
「こんなしょぼい誕生日パーティーとは聞いてねえぞ!」ってこと?!
放っておくわけにもいかず話しかけます。

「どうしたの?悲しいの?」
「…うん」
「どうして悲しいの?」
「送ってくれたお父さんが私を置いて帰っちゃったから。」


あ、良かった。ちゃんと理由を答えてくれた。
「そうだね、悲しいよね」
「ねえ、他の子は来るの?」
「うん、もう二人あなたと同じクラスの女の子が来るよ。もうすぐ着くはず」

しーんとした家の中。
泣き止みはしてくれましたが、気まずいなあ。。


そうこうしているうちに残りの2人の女の子も親同伴で到着です。アパートの入口まで迎えに行った夫と娘と入れ違いになったので一人で対応する羽目になり、軽くパニックになる私。


「ここで靴脱いで」も言えなかったです。
Bちゃん、Cちゃん「ハイ、これ誕生日プレゼント🎁」
「あ、ありがとう!」
「じゃあ…テーブルについてもらえますか?」


相変わらずしーんとしています。
テーブルが狭すぎると思ったのか?大人たちは席につかず近くで立っています。
席はあったんですけどね。

同じクラスメイトなら友達同士で少しは喋ると思ったんですが、主役の娘はいないし…。
「ええと、何か飲みますか?(飲み物のチョイスも娘と決めました)アップルジュースか、牛乳か、水です」
泣いてたAちゃん「私何もいらない」
「あ、そうなの…」
Bちゃん「水くださーい!」
Cちゃん「私はアップルジュース」

女の子たちが黙って飲み物を飲んでいると娘たちが帰ってきました。
お友達が揃っているのを見て喜ぶ娘。
良かった!とホッとする私。
この緊張感ある空気をなんとかしてくれ〜娘!


と思ったらお友達を置いていきなり自分の部屋に籠もる娘。
「なんか恥ずかしくなっちゃった」
「いやいやアンタ今日の主役だから!アンタいなかったらお友達もつまんないよ!」
とコソコソ娘の部屋で説得する私。

そうこうしてたらお友達が娘の部屋に入ってきました。
そこから娘のおもちゃを触って、なんだかんだで遊び始める女の子たち。
泣いてたAちゃんにも笑顔が見られます。
ホッとしました。

Aちゃん「ねえ、このベッド小さいね」
「あ、そうなんだ。あなたのベッドはこれより大きいの?」
Aちゃん「うん、そう」


きゃーきゃー部屋で遊ぶ子どもたちと所在無さげな大人たち。
私は子どもたちの様子を見て、夫には親御さんの話し相手をお願いしました。
子どもの英語は聞き取りにくい上に、初対面の大人と世間話を英語でするのを同時にこなすのは私には無理だったのでお願いしました。


外行きたいな、と言ってる子もいたし、さっさとケーキ出して食べて、公園に移動しよう。
このケーキも娘が選んだホールのチョコレートチーズケーキ🎂です。


「じゃあみんなにケーキ出すね、お皿を私にください」
Aちゃん「私はいらない、朝ごはん食べてきたから」
「そうなの?まあ一応あなたの前に置いておくね」
結局Aちゃんは一口も我が家で食べたり飲んだりはしなかったです。
Bちゃん「私チョコレートケーキは好きだけどチーズ入ってるのはあまり好きじゃないな〜」
「あ、そうなんだね」


娘は日本のお菓子をお友達と一緒に食べたかったので、アジアンスーパーで買ってきた「カルビーポテトチップスのり塩味」や「ハイチュウ」や「ポッキー」を出してきました。


のり塩味、は(予想通り)みんな食べなかったけど、ポッキーやハイチュウはBちゃんCちゃんに気に入ってもらえて良かったです。

そのあと外で遊びました。
「あつーい」と日陰に入って、時々鬼ごっこ(tag)をして、うちの娘が誰も捕まえられずにスネて逃亡して、シャボン玉を作って手で叩いて、また「あつーい」と中に入って…ということを繰り返しました。


そんなこんなで1時間半のおうちバースデーパーティーは終わりました。


私「やっと終わった…疲れた…これで良かったのかな?結構親子ともに真顔だったり、沈黙の時間も多かったから気をもんでしまった…

娘「楽しかった♥もっと遊びたかったな〜」

娘「でもAちゃんはもっと楽しんでほしかった。何も食べなかったし、最初は泣いてたし」

私「そうだね。お母さんならキライなものが出されたら少しだけ手を付けてあとはやめるかな。でも娘ちゃんが好きなものがお友達も好きとは限らないからね。そういうこともあると思うよ。」

娘「あと、私の部屋の宝物箱は勝手に開けないでほしかった」

私「そうなんだね。まあでもあのおかげでみんな打ち解けたと思うけどな」

娘「そうかなあ。やだった」

私「じゃあ今度からこれは触らないで、と言うようにしよう」

娘「うん」


娘はなんだかんだ、楽しかったみたいです。
それを聞いて「それが一番の目的なんだから達成できて良かった」と思いました。


個人的にはお友達が泣いてたり、食べ物も全く食べなかったり、真顔で沈黙のときも多かったので「私がちゃんとホストできてなかったからなのかなあ」と自責に苛まされていたんです。
とはいえお友達の好みも全く分からないし、「おもてなし」が空回りすること必至だったので最低限のおもてなしをしました。


でもこれで良かった、と思いました。
娘がやりたいことをやったからこそ娘は楽しい気持ちになったんだと思います。
相手の反応が自分の思った通りばかりではなかったことも娘は学びました。


私は食べ物を要らないと言われたりするのは思ってたより気にならなかったけど、真顔と沈黙がめちゃくちゃ怖く感じる…ということを再確認しました。

あとは「アメリカ人にとってはこのアパートは狭いんだなあ」ということも思いました。
親御さんが「アパートが手狭になって家を買ったんだよね」と言っていたり、お友達に「このベッド小さいね」と言われたことから感じました。


このベッドで私と娘2人が寝ているというのに?!マジかあ〜。
日本から来た私にとってはめちゃくちゃ広いアパートなんですけどね。
だからと言って「狭い家をバカにされた」とは感じなかったです。


だって家族構成聞いたら「夫婦、子ども3人に猫3匹」って言ってたんですもの。
そりゃうちの家じゃ狭いよ!
本当に人それぞれです。


この投稿はりんこさんの「異文化交流が教えてくれた日本人の自分を自覚したら楽になった話」にインスピレーションを得て書き始めました。


「アメリカ人」と交流したというより、Aちゃん・Bちゃん・Cちゃん個人と触れ合ったという感じがしたし(3人とも反応がバラバラ)、興味があったからこそお友達たちは娘のパーティに来てくれたわけだしホストの私が気に病みすぎる必要はなさそうということ、でもやはり直接会って話す機会を自分から作って良かったなあと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?