2014年3月2日の日記


 いつもどおりの日曜日。鮭焼きご飯を食べ、コーヒーを飲み、小説(never let me go)を読む。それで午前は終わる。昼食はホットケーキ。私はチーズを砕いたのをのせ、さらにその上から蜂蜜をかけるのがすきなのだけれど、チーズがなかったのでそれはできなかった。


 午後は図書館に行く。上田秋成の春雨物語を読む。昨日樊 噲と海賊、目ひとつの神を読み、今日は二世の縁と死首の咲顔を読む。死首の咲顔が大変気に入った。これは史実を元にした物語で、実際には兄はどうやら家の面子を守るために妹の首を切り落としたようで、その点イスラーム社会の名誉殺人を連想した。しかし物語では「妹が余命いくばくもない命なので、せめて花嫁として死なせてやりたい」という兄の少し突飛な愛情が殺害をさせたというようなつくりになっている。さらにこの物語において主人公は兄ではなく、妹の恋人である。この主人公は蛇性の淫の主人公を彷彿とさせるような優柔不断な男である。

 登場人物が皆事件後なんらかの運命の急転を経験している一方で切られた妹の首だけが笑顔を浮かべている。このイメージは強烈である。物語の終わりで生首の鮮烈なイメージが残る物語として私は聖サン・ドニの伝説、竜樹の伝説などを思い浮かべるが、私は今後この死首の咲顔もそのグループの一員にくわえることにしたい。それぐらい強烈なイメージを残したのである。


 セラフィータを借りて家に帰る。今まで本を持ち運ぶのに使用していた例のぼろぼろの袋をどこかに落としてなくしてしまった。もう3年も使用して愛着もわきはじめていたので少しさびしい。

 夜はすき焼き、どれぐらいぶりに食べたであろうか?牛もうまいが豚もなかなかうまいものである。


 夜のニュースではいくつか衝撃的なニュースが流れていた。まず半年前に起きた三重での15歳少女殺人事件の犯人が捕まった。犯人は18歳の少年だという。犯行カメラに映った画像などを分析していった結果捜査線上にあがってきたというが、詳しいことはわからない。逮捕はすでになされたようである。

 事件があった当日は花火大会があったそうだ。ナンパをした末にもめでもしたのであろうか。いずれにしても詳しいことは取り調べがひと段落してからでないとわからない。


 また、中国の昆明で黒ずくめの集団が刀で無差別殺人をはかり、20人以上が死亡とのこと。けが人に至っては100人以上にのぼるという。どうも情報統制がしかれているようで詳しいことはわからない。中国は新疆独立主義者のテロと”断定”しているとのことであるが、その根拠はもちろん提示されてはいない。1人の人間が刃物をふりまわすというのは日本でもあるが、「集団」で「刀」をと、いちいちスケールが大きくなっているところがさすが中国である。当局との間で小競り合いが起きてもおかしくないような規模である。


 おそらく真相があかされることはないだろう。真実は闇の中。せいぜい小説家たちの空想が花開く新天地となるぐらいのものであろうか。

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