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蘇校

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とある少年の追憶の旅。 連載停止中。
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小説 蘇校 第二章

 2章  悪夢
─side宵宮氷  10月17日  8時
「─起立、礼!」
「みなさん、おはようございます」
 また始まった、と俺は思った。
 一時限目授業だ。一時限目は、確か歴史が入っていたはずだ。社会担任の佐野先生が教卓に教科書を並べる。つまらない気持ちのまま、窓を見る。
 あれから、俺は10カ月を過ごしたのかな、とふと思う。正直、実感は無かった。俺はあの時狂ったはずだが、なぜだろう。今ではこ

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小説 蘇校 第一章

 幼馴染みと一緒にいること、ばあちゃんがやってる銭湯の手伝いをすること、弟と遊ぶこと。
 これらはどれも、俺の好きなことだ。
 俺の、幸せな時間だ。
 これだけできれば、俺は人生をずっと楽しめる、なんて思ってた。
 でも、そのくらい本当に素敵な時間だった。
 1章 永遠
─side宵宮氷(よいみや ひょう) 3月13日  7時
「─ねぇ、起きてくれない?」
 そう、声が聞こえた。
「、、、?」
 

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