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集中時間に火をともす∣灯り3種の点けくらべ

うつになると集中力が低下する、とよく言われます。
実際、集中力の要る作業で考えがまとまりにくくなったり、そもそも集中すること自体が億劫になったりもします。

わたしは普段からBGMや環境音がないと落ち着かない性質で、今もyoutubeの動画を流しながら文章を打っているのですが、本当に集中したい時には余計な音、少なくとも言葉を含む音楽や動画は無い方が良いんだな、ということは実感しています。
しかしうつが重いときは、言葉の無い空間に自分のネガティブな思考が満ちていくような感覚に襲われて、動画を切ることが困難に感じることがありました。

わたしはうつになってから、自分の思考をつらつらと書き出して言語化するように試みてきたのですが、これをしていると特に「今日は思考がまとまらないな、調子が悪いな」とか、「今なら動画を切っても書き続けられるかも。ちょっと調子がいいかな」とか気付くことがあります。
また、少しでも集中して書けた時間に比例して調子が良くなるのも早くなるような気がして、動画を切って書き物をする「集中時間」を積極的にとるよう心がけるようになりました。

しかし、調子が良い時はうまくいく「集中時間」ですが、そうでない時はのしかかる無音に耐えかねて、結局動画をつけてしまい失敗することがあります。
これを回避するため、わたしが考えたのが「集中時間に灯りをともす」ことでした。

今日はわたしが点け比べてみた灯り三種類について、試した感想を投稿します。価格や燃焼時間については製品ごとの差が大きく、集中に対する効果についても人によるため、記載に不正確な点があるかもしれませんが、個人の体感はこのくらいだった、という程度の扱いで読んでいただけると幸いです。


□環境音楽は物足りない

灯りに行き着く前、試行錯誤の過程で、ヒーリングミュージックや環境音の入った動画を流すことも試してみました。
結論としては、物足りなかったです。
メロディのある音楽は聴き入ってしまって集中の邪魔になる感覚がありましたし、雨の音や焚き火のパチパチ音だと無音と変わらない気がして、うまく集中を保てませんでした。

□ひとつめの灯り:焚き火キャンドル

物足りないと感じた環境音の中で、比較的良いなと思ったのが、焚き火のパチパチ音と炎のゆらぎを収録した動画でした。
ふと、「動画では物足りなかったけれど、実物なら良いかもしれない」と思い、手軽に炎を楽しめるアイテムを探したところ、見つけたのが焚き火キャンドルです。

作家手作りの、木製芯とソイワックスのキャンドル

焚き火キャンドルとは、ロウソクの芯を木製で幅広のものにすることで、木の燃える音(そんなに派手な音ではなく、耳を澄ませるとパチパチ、ジジ…と木の爆ぜるような音がします)を炎と一緒に楽しめるというもの。

これが良かった!
動画と実物で何が違うのかうまく説明できないのですが、すぐそこに温かく揺れる炎があり、かすかなパチパチ音もぬくもりを感じさせてくれるのです。
これが点いていると不思議と安心して、ポジティブな気持ちで書き物に集中することができました。

気に入って4〜5個、違うメーカーや作家のものを使いましたが、ネックは価格
ものによるとは言え、20時間弱使えるサイズのキャンドルが五千円近くすることも。毎日1〜2時間程度使用するわたしとしては、もう少しお財布に優しい選択肢が欲しいところでした。

また、無香のキャンドルが少ないのも残念に感じました。
やはりキャンドルはリラックスアイテムとしてのイメージが強く、その中でも木製芯キャンドルは高価な商品ですから、付加価値としてか香り付きの商品が非常に多かったのです。
いくつか試しましたが、わたしに合う香りが見つけられなかったこと、食卓でキャンドルを焚いた直後に食事を摂ることも多い中、香り付きの製品を使うことがはばかられたため、何となく敬遠しがちになってしまいました。

□ふたつめの灯り:普通の西洋キャンドル

ティーキャンドルをキャンドルホルダーに入れて

もしかしたら、わたしに必要なのは音ではなく視覚的に炎が見えることなのかも……そう思って、次はパラフィンキャンドル、いわゆる普通の西洋ロウソクを試してみました。
こちらは広く使われているだけあって、種類も多様で無香の商品も豊富にあります。

結果、焚き火キャンドルのように木が爆ぜる音がしなくても、揺らめく明かりがあるだけで集中しやすくなることを発見。これは!と思ったのですが……ここでのネックは、ロウソクの消耗が速いことでした。

焚き火キャンドルの時もそうだったのですが、ロウソクを1〜2時間も点けるとかなりのロウを消費します。
ティーキャンドル(小さなアルミの容器に入った、よくある使い捨てキャンドル)だと、1時間点けると次はほとんど燃焼時間が残っておらず、書き物をするたびに新しいものを出してこないといけません。かといって、大きなサイズのキャンドルは高価になりがちです。
ロウソクの買い足し頻度を気にせず書き物がしたいわたしには、やはり引っかかるところがありました。

□みっつめの灯り:オイルランプ

パラフィンオイルでともす、小さなオイルランプ

キャンドル系の他に、炎のゆらぎを感じられる灯りとして候補に上がったのが、パラフィンオイルを入れて使うオイルランプでした。

オイルランプはあまり、日常的に使うものとしての馴染みは無かったのですが、たまたま家に夫が購入して普段は使っていないものがあったのです(確か、クリスマスに食卓の雰囲気を盛り上げたくて買ったとか何とか言ってました)。
新品で購入する場合、ランプはデザインにより価格が異なるものの、同サイズ程度の商品が3,000円〜、パラフィンオイルは2Lで2,000円程度のものが販売されているようです。

オイルランプの炎は昔、理科の実験で使用していたアルコールランプとよく似ています。最近も使うのでしょうか?
キャンドルに比べるとやや燃焼の勢いが激しく、ホヤ(ガラスのカバー部分)を被せることもあって、十分炎のゆらぎを感じられるか不安でしたが……結果、オイルランプでも問題なく、集中がとれることがわかったのです。

オイルの消費はそれほど激しくなく、ざっくりとした体感ですが10時間ほど使用してようやく、50mlのオイルが無くなるかな、といった具合です。芯の消耗はほとんど無いため、オイルの価格だけで計算すると、1時間5円程度の支出でしょうか。焚き火キャンドルは20時間5,000円(1時間250円)、ティーキャンドルも1時間で一個30円程度のものを消費しますから、比べると非常に安価です。ランプ本体を買うという、初期投資は発生しますが……。

□結論:集中時間にはオイルランプがコスパ◎

上記の試行錯誤を経て、今ではオイルランプは、わたしの集中時間に欠かせないアイテムになりました。

なお、記事内では炎がわかりやすいよう暗がりで撮影した写真を使用しましたが、実際に書き物をする時は部屋を十分明るくした上で、オイルランプを使用しています。暗い部屋での作業は視力の低下を招きやすいですし、他にも火の取り扱いには注意が必要など、使用時には気を付ける点もあります。

ですが、炎のぬくもりを感じながら、集中して思考を言語化していく時間には、何とも言えない歓びがあります。
もし、自分に炎の灯りが合うか試したいときは、初期投資の少ないティーキャンドルから始めるのがオススメです。機会があれば、体験してみてはいかがでしょうか。

2024.2.3 毎日集中時間が取れるくらい、調子を安定させたいです。 いつき

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