「変わらなきゃいけない」わけがない

「変わらなければいけない」「自分を変えなければいけない」
なんて言葉が、本や記事には蔓延ってます。
そして、なぜ変わらないといけないのかの理由を求めると、”進化論”が出てきたりする。

自然淘汰の仕組みを持ち出して、
「環境が変化するから、変わらないと生き残れない」
という主張が出てくる。

そんなわけねぇじゃん。

別に変わらなくたって生きていけはするでしょう。
変わらずにいるとヒドい生き方をする羽目になる、というのはある程度あるんでしょうけど、
「生き残れない」とまで言われると逆にリアリティ薄れてしまうわけですよ。

では、生き残るためでなければ、なぜ変わらなければいけないのか。
それは「それよりもっと大事なものを、変えずに守るため」ではないかな、と思います。仕事を通じてそう感じました。

広告会社に勤めていた時、「市場の変化によって、扱える商材が変わってくる」というのを強く感じました。
プロモーションしていて楽しかったメイク・コスメ系の案件が、市場が縮小傾向らしくあまり扱えなくなったり。逆に「アダルト市場が成長しているから」と、やりたくもないアダルト系の広告を扱う羽目になったり。
特に「サイトを回遊していて出てくる、イヤなアダルトまがいの広告」。アレを自分の手で配信してしまっていることに気付いたとき、職場で泣きそうになりました(家に帰って泣きました)

ただこの件を通じて学んだのが、「人も会社も、変えたくないものを守るために変わるんだろうな」ということです。
自分のいる会社は、「多くの利益を生み出す」ために、成長市場に舵を切ったのだろうと思います。なら自分もきっと、「好きな商材の領域に携わり続ける」ために、変わらなければいけないのでしょう。
≪案件を選べるだけの実力と立場を社内で身に付ける≫であったり
≪市場や商材にこだわってくれる会社へ移る≫であったり。

「変えたくないものを守るために変わる」という考え方に気付いたとき、
変わることに対する抵抗感がふわっと軽くなるのを感じました。
大事なものを守るために変わるのなら、”抵抗なく”どころか、進んで変わっていくことすらできるのかも。

結局、その会社は退職し別の会社で仕事に携わっています。
ただ、そうまでして変えずに守りたいものは何なのか?
「商材にこだわる」というのが、曲げたくない自分の軸なのか?
それはきっと、もっと本腰を入れて考えなければいけない命題な気がしています。

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