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【Pacific Meta創業秘話】〜"お葬式"から"ブロックチェーン"へ〜 20代で2回目のスタートアップ起業でWeb3領域を選んだ理由

Pacific Metaの代表取締役CEOの岩崎です。
実は今回が初のnote執筆になります。

私はスタートアップ大好き人間です。
現在28歳になったのですが、2度目のスタートアップをしています。
エンジェル投資家としても活動しており、40件を超える投資先がいます。

自分で経営をするだけでなく、様々な起業家とコミュニケーションを取ってきたので、20代の経営者の中ではスタートアップの生のデータをかなりの数見てきた自負はあります。
企業の栄光と挫折も数々見てきましたし、何をしたらうまくいくのか、何をしたら失敗するのかも経験から見えてくることも多かったです。

そして当然、領域選定がスタートアップにとって非常に大事なことも腹落ちしています。

Pacific Metaは、国内外のWeb3プロジェクトを一気通貫で支援する総合コンサルティングファームです。

Pacific Meta HP

私がなぜ2回目のスタートアップでWeb3領域を選んだのか?どういった経緯で2度目の挑戦に踏み切ったのか?と聞かれることも多々あります。私の抱負/意思表明も含めてお話できたらと思います。

SNSで自分の考えなどを発信するのは好きではない性格ではあるのですが、20代で2回のスタートアップ起業と40件を超えるエンジェル投資の経験はかなり貴重なものだと思うので、その経験と思考回路が誰かの役に立てばいいなと、そしてPacific Metaに魅力を感じて仲間になってくれる人がいればいいなと思い、こちらのnoteを書いています。


1度目の起業の経緯

日本経済新聞に取り上げられた時の写真。

さて、私の1度目の起業についても軽く触れておこうと思います。

私の1度目の起業は2016年、私が大学3年生の時でした。
当時「終活ねっと」という、オンライン上でお葬式やお墓など人生の終末期にまつわるサービスを手配できるサービスを作っていました。

日本は世界基準でも高齢化社会が進んでいましたし、これからの日本に必要なものだと考え創業しました。
創業1年後には総額1億円の資金調達をして、2年後の2018年にはDMM社へM&Aしました。

当時、日本の終活時で一番使われるサービス「終活界のゼクシィ」を生意気にも目指していて、あの手この手を尽くしました。
月間1000万PVに到達したりと兆しもあったのですが、やはり多くの既存競合サービスの存在もあり、業界Topとまでは行きませんでした。
我々の打ち手も競合に真似されていきます。

この時に感じたことは、よっぽどのことがない限り、既存マーケットの勢力図は決まっているということです。

終活ねっとのメンバーと一緒に撮った写真です。

投資活動の開始と学んだこと

その後2年間の子会社社長として勤めた後に退任し、1年ほどエンジェル投資家として活動していました。

エンジェル投資を始めたキッカケは、純粋にスタートアップのエコシステムへの感謝があったのでそこに自分も貢献したかったから、そして色々な起業家の挑戦を自分ごとのように捉え彼らから学びを得たかったからです。

また自分で挑戦するつもりだったため、投資活動は本業としては捉えておらず、そこまで投資時の時価総額は気にせずに応援したいと感情的に思う人に投資していました。
1社に多くの金額を投資するより、多くの会社に投資したいという想いから、結果的に投資先数は40にもなりました。

加えてこの時期はエンジェル投資だけでなく、上場株(主にアメリカ)の投資や仮想通貨投資なども行っていました。

これらを通じた投資活動の中で学ぶことは多かったですが、一番感じたことは「時代の最先端を歩むことは、ビジネスパーソンとしての人生を豊かにする」ということです。

この「最先端」が重要キーワードです。
ビジネスマンであるならば、とにかく最先端にいると「お得」なんです。
リテラシーと成長機会で差をつけられますし、リスクは投資家が取ってくれます。

世の中には、投資対象を探しているお金が大量にあります。
投資家はどのような最先端のテクノロジーが世の中を変えるのか、探し続けています。

上手くいきそうでも、新しい技術を使っていなかったり、小さくまとまりそうなら興味を持たない。一方、時間はかかるし、よくわからないけど世の中を変えるかもしれないものには興味を持つ。
投資家とはそういう生き物です、余裕があるから投資家なのです。

最先端にお金と人材が集まり、信じられない速度で産業が生まれます。
いつの時代も、最先端の領域から奇跡のような企業が生まれるのです。

そして、最先端の領域にお金が集まることを利用したフェイク企業が数多生まれ、数多淘汰されます。
そんな中、短期的なものに飛び付かず、時代が追いつくまでなんとか商売で食い繋いだ企業が真の勝者です。
サイバーエージェントが良い例かと思います。

Web3だけでなく、全ての産業は近い流れを辿って生まれます。

2回目の起業へ

さて、1回目の起業が終わり、ニートをしていた時には「2度とこんなに大変で責任の重いことなんてしたくないよー😭」と思っていた私ですが、エネルギーのぶつける先がないままに何年間もじっとしてられるわけもなく、再び起業を志すようになりました。困りますね、この性格。

ニート時には、不動産や金融等も勉強しましたし、投資の道に進むことも考えました。時には悩むこともあり、小さな撤退を繰り返すこともありました。

しかし、起業家・経営者として社会に価値ある会社を作ること以上にワクワクすることはないという結論に至りました。
投資も楽しいんですけどね、自分でもやりたくなっちゃいますよね、、

そして、2回目の起業は1回目とは比べ物にならないくらい大きなことをしたいと心に決めていました。
奇跡のような会社を作りたいというのが無邪気な気持ちでした。
1度EXITを経験して、大きな成功にしか自然と興味がなくなってきているのが影響しているかもですね。

ちなみにですが、前職の終活ねっとの社員が4名(内、経営陣2名)、Pacific MetaにJoinしてくれています。

2回目の起業で重視したこと

2回目の起業に際しての僕の心境は「慎重」でした笑
いわゆるシリアルアントレプレナーであることの強みを活かせるボーナス期間と考えていましたし、謎のプライドもあったので絶対に失敗しないというキングダムでいうと王翦のようなマインドセットでした。

ズバリ、領域選定はかなり重視しました。
というのもスタートアップのアップサイドは領域が決めるといっても過言ではないからです。
ここでいう領域選定とは「どのようなマーケットで」「どのような切り口で」「どのようなポジショニングで」事業を推進するかの意思決定のことです。

もちろん、領域選定と同じくらい経営能力も大事です。(便宜上、企業の成長を領域選定と経営能力に分解します。)
しかし、経営能力が高くても選定した領域が悪ければ、奇跡のような企業を作るのは難しいです。
経営能力と良い領域が相まって初めて、奇跡のような企業を作ることができます。

僕は、企業の「ローサイド = 最低限の成功」は経営能力に依存する、「アップサイド = 上振れ」は領域選定に依存すると考えています。
友人の会社や投資先を見ていても、良い領域を選んだ会社が伸びているのは明白でした。

そして面白いことに、良い領域が人を育てます。
会社が軌道に乗る兆しが見えれば、その成長に追いつこう&その成長機会を逃すまいとチームが努力して、さらに会社が伸びて、さらにチームが努力して、、、、といった好サイクルに入ります。
そのサイクルの中で、いつのまにか後から経営能力が着いてくるケースを何度か見ました。

この好サイクルにいたことがある人は、判断力が高く(意思決定経験が豊富)、主体性が強く(裁量権を任されていく)、総じて優秀な傾向が強いです。
スタートアップで働くならこの好サイクルの真っ只中で働くのがおすすめです。

要は、経営能力が高くても後から領域は変えられないが、良い領域で勝負していれば、後から経営能力が手に入ります。もちろん、魅力的な領域であれば後から優秀な人を採用することができるのも大きいです。

奇跡が起こる領域とは?Web3の何が良いのか?

さて、良い領域の定義をWeb3に照らし合わしながら見ていきましょう。
今回はアップサイドのある領域、つまり奇跡が起こるような領域には何が必要かを考えていきます。

成長産業であること、TAM(total addressable market = 市場規模)の大きさ(*将来性も含む)、社会意義(ビジョン)があることなどは、事業を成功させる上で当然な要素なので省略し、あくまで奇跡が起きるために必要な要素にフォーカスします。

私なりには以下の2つが大事だと考えています。
①グローバルに通用すること
②新技術が活用されていること

①グローバルに通用すること

偉大な会社を作るには、大きなマーケット、成長期待の高いマーケットで勝負する必要があります。しかし、日本の国内産業に目を向けると、人口は2008年から減少し続け、GDPは横ばいです。

参考:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2022np/index.html
参考:世界経済のネタ帳「名目GDP(USドル)の推移(1980~2022年)(日本, アメリカ, 中国)」
2010年時の名目GDPを100として各年の名目GDPを換算

今後長期的に成長しない国内マーケットにのみフォーカスしても、縮小する小さな市場の奪い合いになってしまいます。
そのため、グローバルマーケットに通用する事業の方が、圧倒的に奇跡を起こしやすいのです。

もちろん、グローバルマーケットへの進出は難しいことは承知なので、「じゃあ、どうやったらグローバルに通用するのか」が本題になってきますね。

②新技術が活用されていること

冒頭で述べた通り、既存マーケットの勢力図は決まっていることが多いです。

過去を見ても、インターネットの登場、スマホシフト、クラウドの登場など新しい技術によりマーケットが大きく変化したタイミングで、偉大な会社が生まれています。
投資活動を経て、最先端に張ることがいかに重要かを腹落ちしています。

しかし、日本はグローバル化が進んでおらず、キャッチアップに弱みがあるため、この最先端の新技術を取り入れることが滅法苦手です。

もちろん、ブロックチェーンもまた、世の中を大きく変えうる技術だと考えています。

なぜWeb3領域が奇跡を起こせる可能性があるのか?

結論、Web3領域は、①と②の両方を日本企業でも満たす可能性があります。
グローバル化に弱みがあると考えられている日本ですが、実は圧倒的にグローバルに通用している領域があります。

それがコンテンツです。
日本のコンテンツは既に紛れもなくグローバルTop水準なのです。

以下はIPの世界総収入ランキングです。
上位10個のうち5個が日本発のIPであることがわかります。

出典:FINDERS

そして、新技術の取り入れに近年負け続けた日本ですが、このWeb3領域はいわゆる技術力だけで勝負がつくとは考えていません。
現状のWeb3は、コミュニティの強さ、コンテンツの強さでNFTやFTの価値が決まる世界です。

また、ブロックチェーンの技術により、海外との取引を非常に簡単にすることが可能です。
通常、海外の企業や人材と取引するには膨大な手間や手数料がかかります。時には海外法人を立てないといけないこともあるのでしょう。

Web3業界の企業は、ブロックチェーンの技術を通じて、当たり前のように海外企業と取引しています。アフリカの人に取引するのも、隣にいる人に取引するもの同じ手数料、同じ時間で行うことができます。

日本のコンテンツの強みを、ブロックチェーンの技術によって簡単にグローバルに届けられるようになるため、日本のグローバル化が弱いという弱点を補完できる可能性があります。

以上のように、コンテンツという強みを活かし、新しい技術を活用しながらグローバルマーケットに挑戦できるという点で、Web3領域は我々日本人にとって大きなチャンスがあると考えています。

そのため、私は人生を賭ける2回目のスタートアップで、Web3領域を選択しました。そして、グローバルチームを組成してグローバルに挑戦することを決めました。(現在Pacific Metaは、メンバーの半分以上がバイリンガル/トリリンガルで、平均言語数は1.8、世界各国23カ国の企業と取引があります。)

この意思決定がどうなるのか、まだ私にもわかりません。
Web3が思ったより発展しない可能性もありますし、日本企業が普通にWeb3領域で敗退する可能性もあります。

ちなみに私は、両親共に日本人で、田舎で生まれ、留学経験も海外在住経験もなく、Pacific Metaを創業するまで英語を話したこともない、非常にドメスティックな人間でした。

ですが、失敗を恐れ斜に構えるのではなく、深く思考して、本気でグローバルで偉大な企業を作れる可能性に賭ける。その判断にこそに価値があると考えています。

博打ではないですよ。堅実経営をしますよ。

といったように、大きなマーケットで奇跡を起こそうとしていると、博打のように思われる方もいるやもしれません。

しかし実態は全く異なり、実情を知ってる方からすると、むしろビビりな側面もある企業かと思います。

我々には投資家やSOを渡した従業員など、ステークホルダーが多数います。
彼らへ還元することが最低限の責任と考えていますし、(失敗は怖いですし笑)、堅実に売上利益を積み重ねていくつもりです。
原に我々は一気に裾野を広げるのではなく、黒字経営で着々と組織強化に勤しんでいます。

堅実経営で生き残りながら、アップサイドを狙うというワガママ企業です。
そもそも挑戦とは、贅沢な行為だと私は捉えています。
そのため、最低限心の余裕が担保された状態で上振れを狙うのが良いと考えています。
挑戦とは贅沢なのに、ストレスがかかりながらはもったいない!

Web3はまだまだ黎明期です。
タイミングを読むことは正直難しい、そんな中でスタートアップに必要なのは、大きなチャンスが来るまで生き残る力です。

Coincheck社の爆発的な躍進も、マーケットが来る遥か前から、なんとか生き残りながら仕込んでいたからに他なりません。
リスクをとる爆発的なエネルギーではなく、なんとか生き残る力で、このWeb3領域に挑みます。

まとめ

正直に申しあげると、このnoteは採用目的です。
なので、私のnoteを少しでも面白いと思ってくれた方は、普通に読み物として消費するだけでなく、私やメンバーとカジュアル面談を設定してくれたらと思います笑

上場を目指していて、実際に監査法人も決定しつつあります。
非常に面白いフェーズだと思います。
社会の公器に値するように、短期的ではなく長期的な事業展開をします。

長期的な展開をしつつも、Pacific Metaは急成長も同時に目指します。
そのため、仕事は結果主義であり、年齢や経歴などは問わず、結果を出せる人、経営全体にいい影響を与えられる人を抜擢します。
そういった組織は、本来はドライでギスギスした環境になりやすいです。

ですが、私は結果主義で急成長を目指しながらも、人間的な温かみがある、思いやりがある会社にPacific Metaをしていきたいと考えています。

なぜなら、どういう環境でどういう人と過ごしたかは、その後の社会人としてのキャリア、ないしは人生を定義すると言っても過言でないからです。

この環境は、全員が素直に成長意欲を持ちつつ仕事に取り組みながら、お互いの長期的な人生観や価値観にリスペクトを忘れず、率直にコミュニケーションをとることができれば、実現可能だと思っています。

貴重な時間をPacific Metaに投資していただいてるからには、必ずプラスになる何かをお返しできればと、1経営者として思います。

そんなチャレンジングかつ思いやりの溢れる環境を一緒に創り出しながら、共に急成長を目指していける仲間を募集しています。

もし少しでも興味があれば、以下の採用情報ページをご覧ください!
ぜひ一度お話しましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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