総武線が「JB」…？路線記号の謎に迫る
あまり気にしたことがなかった「路線記号」
お恥ずかしながら、東京メトロ・都営地下鉄各所でもらえる路線図（メトロネットワーク）をおトイレに入った真正面の壁に貼っている。
たまに必要以上に座り込み、各所への行き方を想像して楽しんでいる。
そんな中、昨日ふと総武線の路線記号が「JB」であることに違和感を覚えた。
JR総武線：
「JB」＝「JR」＋「souBu」・・・？（なんか変だな）
あーそういえば、他に「J」＋「S・O・U」を使う先行路線があると、必然的に後続の文字になるんだったな、と路線記号ができた当時に調べたことを思い出した。
一方、今になって、先行路線の「S・O・U」ってなんだ？と気になってしまう。
記憶力がよわよわなので、すっかり昔調べたことを忘れている。そこで時間をとってnoteに書いてみることにした。
そもそも「路線記号」って？
そもそも「路線記号」ってなにか、というところから書いておく。
JR東日本においてこれが生まれ、使われるようになったのは意外と最近の2016年。
絶賛開催中の東京オリパラ2020に向け、様々な人が首都圏の鉄道を利用する際、そのすべての人にわかりやすく安心して鉄道を利用してもらうため、首都圏エリアに「駅ナンバリング」というものが導入された。
駅ナンバリング自体は、日本では2002年のFIFAワールドカップ開催に合わせて横浜市営地下鉄が、2004年に東京メトロと都営地下鉄が同時導入したのを皮切りに広がったとのこと。どちらかというと、JR東日本の駅ナンバリング導入は比べると遅め。
当時JRが出していたこのプレスを覚えている。オリンピックよりJR駅のユニバーサルデザイン化のほうが関心があった。
そんなこんなで、みんなが知ってか知らずか、2016年10月以降「駅ナンバリング」および4カ国語表記が追加された駅名標に取り替えられているのだ。
今回のテーマとしている「路線記号」はこの「駅ナンバリング」の機能の1つ。
(補足)JR東日本の「駅ナンバリング」構成要素
「駅ナンバリング」は主に4つの要素から成る。
＜駅ナンバリングの要素＞
①枠線の色：路線ごとに設定している路線カラー
②路線記号：路線を示した2文字のアルファベット
③駅番号：路線ごとに停車駅に付与された2桁の番号
④スリーレターコード：駅名を表した3文字のアルファベット（主な乗換駅のみ）
たとえば、駅名標に追加されるビフォアフはこんな感じ。
Before
After
正直、そこまで深く路線記号と駅番号を意識せずとも、多くの人は利用できてしまうはず。
でも漢字の読めない外国人や、色弱の人がこの駅名標を見たときにどうだろう？Afterの駅名標の方が、若干判断が容易になるだろう。
私も海外旅行で電車に乗るとき、特に非英語圏の場合は訳が分からないので、複雑な情報処理を強いられていた。（若干英語に近いドイツでも混乱した）
アルファベット、数字、色という万国共通であろう視覚情報だけで、乗る路線や降りる駅が特定できるのはメリットになる。
「路線記号」の決定方法
そろそろこの辺で本題に。
では路線記号が「路線を示した2文字のアルファベット」だということはわかったが、これはどのように決定されているのだろうか？
Wiki情報だと「すでに存在する路線記号と重なる場合はそのあとの文字を用いる」というのが原則のようだ。
公式発表されているJR東日本（モノレールなど除く）の路線記号は16種類。主に2文字以降が路線記号に使われているものを見ていく。
明確な決定ロジックは見出せなかったので、私の憶測も込みで書いている。
ストレートに路線名の頭文字が使われているもの
【JT】Tokaido line 東海道線
【JK】Keihin-tohoku line 京浜東北線・根岸線
【JY】Yamanote line 山手線
【JN】Nambu line 南武線
【JC】Chuo line 中央線快速・青梅線・五日市線
【JU】Utsunomiya line 宇都宮線(東北線)・高崎線
【JJ】Joban line 常磐線快速
【JM】Musashino line 武蔵野線
【JS】Shonan-shinjuku line 湘南新宿ライン
路線名の2文字目以降が使われているもの
【JO】yOkosuka line 横須賀線・総武線快速
【JY】は山手線に取られているため。2文字目を利用。
開業も山手線1885年、横須賀線1889年と山手線が早いので納得。
【JH】yokohama line 横浜線
【JY】は山手線、【JO】は横須賀線、【JK】は京浜東北線に取られているため。5文字目を利用。1908年開業の横浜線より、京浜東北のほうが1914年と遅い。つまり開業の前後はこの記号において関係がないことに気づく。
【JI】tsurumI line 鶴見線
なんだかかわいそうになるが、ラストレターが採用された鶴見線。メジャーかマイナーかで行ったら後者なので仕方がないか。【JT】は東海道線、【JS】は湘南新宿ライン、【JU】は宇都宮線、【JR】は本家JRと紛らわしいのでおそらく欠番、【JM】は武蔵野線。なんと7文字目が利用されている。【JI】と見ただけで「鶴見線ね！」となるのは相当なローカル民だけではないかとお察しする…笑
【JB】souBu line 中央線・総武線各駅停車
【JS】は湘南新宿ライン、【JO】は横須賀線、【JU】は宇都宮線となり4文字目が利用されている。結局、今のところロジックが掴めていないが、中央線・総武緩行線は1932年開業のため、開業タイミングと考えると納得する。
【JA】sAikyo line 埼京線
【JS】は湘南新宿ラインなので、2文字目を利用。
【JL】joban line - Local 常磐線各駅停車
【JJ】は常磐線快速が取っているからとはいえ、Localを自らのものにしてしまう勇気。。【JJL】など3文字は許すまじというお達しの元担当者が頭を捻った結果だろう…逆に分かりにくくないかね。南無
【JE】kEiyo line 京葉線
最後まともなの来てよかった。【JK】は京浜東北線に取られているので2文字目。
【独断と偏見のかわいそうな路線記号ランキング】
逆にみなさん路線記号だけみて、路線を判断できますか？
ガイコクジンニ ナッタキブンデ ミテネ
判断できたら路線記号マスター！（？）
1位：【JI】鶴見線
かわいそうな理由：最後のアルファベットが採用され、何線かわかんなくなっちゃったから
JI01は鶴見線・鶴見駅です。
2位：【JL】常磐線各停
かわいそうな理由：各停のLocalが採用され、何線かわかんなくなっちゃったから
JL18は常磐線各駅停車(千代田線)・北千住駅です。
3位：【JH】横浜線・【JB】中央線・総武線各停
かわいそうな理由：若手路線に先のアルファベットをとられて、わかりづらくなっちゃったから
JH13は横浜線・東神奈川駅。（JHはJY山手線とラインカラーも似ているので錯視しがち）
JB01は総武線・三鷹駅。
覚えてきたが、謎は深まるばかりだった・・・
埼京線、総武線を抑えて湘南新宿ラインが【JS】なのはきっと、複数路線をまたがる運転系統をまとめた系統路線名だからなのだろう。
そう言い聞かせてそっと目を閉じることにした。とりあえず16路線記号は覚えられたのでヨシ！
ちなみに『鉄道ファン』2021年3月号には、JR東日本が公式で発表していないものの以下の2つが追加の路線記号として掲載されているようだ。なので実際は18路線ということになりそう。
【JG】saGami line 相模線
【JW】kaWagoe line / hachiko line 八高・川越線
私は八高線のほうが馴染みがあるが、川越のWを取ってくるあたりが粋だな〜（思考停止）
JG11は相模線・茅ヶ崎駅。
JW01は八高線・八王子駅。
途中調べている中で、なにしてんだろと我に帰りつつ。
こういうどうでもいい雑学っておもろいなぁ〜。駅内の表示に愛着が湧きますね。
おーわり！
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